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危ない大学・消える大学(島野清志著)について語ろう!
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「帝京に落ちて早稲田合格」すら普通という大異変
:2019/08/19(月) 14:22:50
◆もはやMARCH〜大東亜帝国に差はない
-大学の受験がどんどん難しくなっている。たとえば「帝京大学には不合格だったが、早稲田大学には合格した」という生徒も実在する。-
大学の入試が近年、異様なほどに難化している。主な要因は、文部科学省の指導による大学入学定員の厳格化だ。各大学は定員よりも多い合格者を出した場合、一定の割合に応じて助成金がカットされるようになったため、大学側は合格者を絞るようになった。これが「異様なほどの難化」につながっている。
そして、この難化現象と並行するように、かつてはほとんど見られなかった合否事例を耳にするようになった。例えば、都内のある進学高校の男性教員は、今年の受験シーズンの終わり頃に筆者にこう言った。
「ウチの学校で、亜細亜大学には落ちたけど、中央大学には受かった子が複数人いて驚きました。逆に明治大学に十分合格できる実力の子が不合格で、東海大学に拾われたケースもありました。私大に関しては、正直、だれがどこに受かるのか、全然予想がつきません。こんな経験は教師になって初めてです」
また、大学予備校の講師をする知人はLINEでこんなメッセージをくれた。
「あまり成績の芳しくなかった生徒が案の定、国士舘大学がダメで、暗い気持ちになっていたんだけど、なんと法政大学には合格した!これは奇跡!感動した!」
その他にも「大東文化大学文学部に滑って、青山学院大学コミュニティ人間科学部に合格」。さらには「帝京大学には不合格だったが、早稲田大学には合格した」といったミラクルも起きている。
◆大学ランクのヒエラルキーは有名無実化、東海と青学・立教・中央・法政が同じ偏差値
これまで予備校の教壇に長年立ってきた講師陣、また高校教員や生徒のほとんどが次のような前提で大学受験をしていた。
早慶(早稲田/慶応)→MARCH(明治/青山/立教/中央/法政)→日東駒専(日本/東洋/駒沢/専修)→大東亜帝国(大東文化/東海/亜細亜/帝京/国士館)
しかし、こうした大学ランクのヒエラルキーは有名無実化しつつある。その一端は偏差値にも表れている。
2020年度の入試難易度で、東海大学の文化社会学部は偏差値57.5(河合塾、以下同)である。それは偏差値57.5の青山学院大学文学部や社会情報学部、立教大学コミュニティ福祉学部、中央大学文学部、法政大学文学部、社会学部、人間環境学部、現代福祉学部といった難関学部と並んでいる。
また、文系色の強い大東文化大学の文学部は偏差値55だ。これは青山学院大学コミュニティ人間科学部と同ランクである。
偏差値は偏差値であり、合否はそのまま反映されるとは限らない。だが少なくとも、「合格しやすいか否か」という観点においては、一般にイメージされるような大学ランキングはあまり参考にならなくなりつつあるのだ。
このような「合否結果のカオス化」と、先に述べた難化現象との因果関係は明瞭ではないが、明らかに両者は並行している。
◆それでも受験生は「目標はMARCH」という決まり文句
では、大学を志す受験生や高校生たちの中に、昔からの大学ヒエラルキーをもはや意識していないかといえば、「否」である。やはり多くの学生たちは、『夢は早慶、目標はMARCH、出来たら日東駒専、最低でも大東亜帝国』という決まり文句を、判で押したように口にするのである。
この決まり文句を「翻訳」するなら、「大学を目指す以上、目標であるMARCHには進学したい。それ未満のニッコマ(=日東駒専)や大東亜(=大東亜帝国)には、できるなら行きたくない」ということになる。つまり、合格難易度における実質的な開きがどれだけ縮まろうとも、旧態依然とした大学ランクのヒエラルキーは、いまだ確固としたイメージとして多くの受験生の心に根付いているのだ。端的に言えば、世間的にブランド力の強い、いわゆる「難関大学」のボーダーはMARCHまでというイメージである。
とはいえ、このまま旧来のイメージを生徒たちが持ち続けることはよいこととは言えない。大学ランク表を年度ごとに発表し、こうした格付けを再生産、あるいは強化する側の人間がこのようなことを言うのは自己矛盾かもしれないが、それでも旧態依然とした階層的な大学イメージは解体されるべきだろう。
なぜなら、そのほうが受験生の選択肢が豊かになり、それにより大学間の健全な競争が生まれ、質の高い教育環境が整うと考えられるからだ。
さらに言えば「第一志望のMARCHに落ちて、日東駒専に通うことになった」「MARCHに不合格で、大東亜帝国に入学した」という子も、そこに階層的なイメージが存在しなければ劣等感を抱くことなく、前向きに進学できるだろう。毎年、不本意な受験結果に終わった学生たちの相談を受けるが、「筆者が年毎に生産してきた大学ランキングなどなければ、この子ももっとポジティブな気持ちになれただろうに……」と心苦しい思いをせざるをえないのだ。
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