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日本茶掲示板同窓会

97キラーカーン:2017/07/26(水) 00:51:09
6.2.3.5.2.3. 橋下氏にとっての「天祐」
二元代表制において首長と議会との対立関係を解消するためには、
① 議会の多数を首長支持派が占める
② 議会多数派が支持する首長を当選させる
という2つの方策がある。

 議院内閣制では議会の多数派と首相の出身会派が一致することが制度設計上の大前提であるため、この問題はまず発生しない 。したがって、議院内閣制の「大統領制化」という場合、首相(与党党首)への政府及び政党権力の集中という形で現れることが基本形である。そして、小泉総理・自民党総裁及び安倍総理・自民党総裁の「一強」といわれる政治状況もこの例に漏れない。

 本項では、二元代表制の下での首長側の行動を取り上げていることから、橋下氏が採った前者の方策に焦点を当てる。

 橋下氏にとって幸運だったのは、当時、大阪市では自民党が内紛状態にあり、現状に不満を抱く一派が、松井一郎大阪府議(当時)を中心に橋下氏と連携して新たな会派・政党を結成する動きを見せたことである。この橋下氏と松井氏との連携を基に「大阪維新の会」が結成される。

 このため、橋下氏は、当選当初から議会に自身の支持基盤がある程度あり、それを足場に他会派と交渉を行うことが可能であった。自身の与党を「ゼロ」から作り上げる必要はなかった。この点が、あくまで「個人」であり、結局議会に自身の支持会派を確立することができなかった青島、横山、田中の各知事(そして、竹原阿久根市長)との大きな相違点である。小池東京都知事も橋下氏の手法を取り入れ、無所属系の都議会議員を中心に、小池都知事自身の支持政党となる「都民ファーストの会」をゼロから立ち上げている。

 「大阪維新の会」はその名の通り、大阪府議を中心とした大阪の地域政党であった。しかし、大阪都構想の実現のためには、大阪府議会(と大阪市議会を含めた大阪府下の各市町村議会)の権限でできる事項だけではなく、地方自治法改正が必要であった。法律改正を働きかけるためには国会に足場を持たなければならなかった。

 白紙的には、「大阪維新の会」は地域政党に留まり、国政では与党である自民党或いは公明党と連携して地方自治法改正を働きかけるという方法も存在したが、「大阪維新の会」が自民党から分派する形で結成されたという事情から鑑みて、「大阪維新の会」が国政レベルで自民党を「頼りにする」という方策は採り得なかった。

 その他には、自民党ではなく、連立与党の公明党と連携を図るという選択肢もある。大阪では、公明党を取り込まなければ多数派にはなれない維新にとって、国政レベルで公明党と連携するというのは選択肢としてあり得る。とはいっても、公明党も自民党との間で裁量の余地を持っておきたいことから、国政で公明党、大阪では維新という「取引」は困難であると思われることから、維新と公明党もその時々の政治情勢によって連携するか否かを決めるという方向が合理的結論となるので、公明党が国政レベルで「維新の窓口」となるような連携は困難である。

 そうなれば、維新自らが国政政党となって国政へ打って出るという方策しかない。ここでも橋下氏は幸運であった。当時、「自民党の右」に位置する「たちあがれ日本」は来るべき総選挙に向けて党勢拡大 のための方策を模索していた。その一環として、当時東京都知事であったが元国会議員及び閣僚経験者でもあり全国レベルで一定の知名度がある石原慎太郎氏との連携が浮上した。この連携は合意に達し、「たちあがれ日本」は「太陽の党」として再出発することが確定していた。

 そのような情勢の中、国政進出を目指す「大阪維新の会」と東京及び関東に次ぐ大票田である大阪及び関西での党勢拡大を見込んだ「たちあがれ日本」との利害が一致した。この結果「太陽の党」に「大阪維新の会」も合流することとなり、「日本維新の会」が発足した 。

 その後、日本維新の会は2012年の総選挙で54議席を獲得し、野党第二党となったが、所謂大阪派(橋下派)と東京派(非大阪派:石原派)との亀裂が深まった。前者が多数派となり日本維新の会と同様に「第三極」といわれていた「結いの党(旧「みんなの党」が中心)」と合流する。その後、日本維新の会は民主党へ合流し、「民進党」が発足した。民主党(民進党)へ合流しなかった議員が「おおさか維新の会」を結成して現在に至る。後者(石原派)は「自民党の右」という立場を堅持すべく「次世代の党」→「日本のこころを大切にする党」となっているが民進党以上に党勢は先細りである(2017年現在)。


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