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日本茶掲示板同窓会

206キラーカーン:2018/02/11(日) 01:37:57
7.3.5. 「分断」を食い止める政治体制
7.3.5.1. 総説

 先に述べたように、大統領制、議院内閣制、半大統領制それぞれに長所と短所がある。一般的に大統領制は硬直的であり、議院内閣制は柔軟であるといわれている。そのことを示す言葉として「議院内閣制の危機は体制の危機ではなく政府の危機である」というものがある 。また、選挙制度においても小選挙区制と比例代表制では相反する長所と短所がある。このため、政治危機に応じて最適な政治体制を柔軟選択又は変更できる体制を構築しておくのが理想的である。

 しかし、憲法を英語で「constitution」というように、憲法では国家権力行使に関しての構造化、制度化が主眼の一つである。言い方を変えれば、憲法は「最高」の国家行政組織法でもある。したがって、どのような政治体制を採用するかについての基本的構造は憲法に規定しなければならない。これは、先の述べた「政治危機に応じて柔軟に政治体制を変更できる 」とは二律背反する要求である。

 現在「ネトウヨ化」と並んで問題となっている「分断」であるが、その「分断」を食い止める或いはその分断を治癒できるための政治制度はどういうかを選択できる融通性を持った政治体制 を憲法にどのように規定するのかついて考察を行いたいと思う。
安定し、効果的な統治をもたらす政治体制は
① 大統領制においては、強い大統領による議会への働きかけで大統領への支持を調達
 (大統領と議会との分裂からの統合)
② 議院内閣制では、強い首相による内閣(行政府)の与党からの独立性の確保
 (首相と議会(与党)との融合から分離)
③ 反大統領制においては、政治状況に応じた大統領制と議院内閣制との「切り替え」
 (状況に応じた大統領と首相(与党)との間の最適バランス)
ということになる。

 しかし、これまで述べてきたように、大統領制は、現在、「国家元首」というよりも、「政権与党の顔」としての役割が増大しており、「党派的傾向」が強くなってきている。それと「大統領制化」と言われる状況とも相まって、「分断」を拡大させ、固定化させこそすれ、その分断を押しとどめる効果は少ないと考えられる。これは、議院内閣制と小選挙区制(≒二大政党制)との組み合わせを選択した場合においても生じやすい。


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