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日本茶掲示板同窓会

193キラーカーン:2018/01/28(日) 22:52:03
7.2.5. 政治の「大統領制化」
7.2.5.1. 総説

 本来的には「ネトウヨ化」とは関係はないが、「世界総ネトウヨ化」の促進要因となったものとして最近の(比較)政治学において「大統領制化」という現象がある。

 そもそも、大統領制或いは二元代表制は、行政区域内でただ一人の当選者を選ぶ「究極の庶選挙区制」である。、大統領制は、民主政治の中にゼロサム・ゲームと「勝者総取り」的結果に向かう傾向を導入したともいえる 。この結果、大統領制或いは二元代表制は議院内閣制と比べて国民の間の亀裂或いは分断を固定化・拡大する傾向が強い。

 また、大統領という職責から、大統領(候補者)は有力政党の指導者(≒党首)であることが一般的である。したがって、大統領は「国家の顔」だけではなく「政党の顔」という役割も担わされることとなる 。その「政党の顔」という側面が強くなれば、国全体が、「大統領派」か「反大統領派」に二分される。その結果、大統領制の国家或いは二元代表制の地方自治体においては、反大統領派によるクーデター又は革命を惹起させやすく、その結果、大統領制は議院内閣制よりも民主主義の安定度が劣るとの議論が提起された 。

 当選者が一人という大統領(首長)選挙や小選挙区制においては、有力候補者が2名 に収斂するというのがデュヴェルジェの法則が予測するところである。この法則があるからこそ、「政権交代可能な二大政党制」を目指した日本の政治改革を実現する制度改革として、日本の衆議院選挙に小選挙区制が導入された。

 小選挙区制や大統領選挙のように(有力)候補が二人に収束する選挙戦では「敵か味方か」或いは「共通の敵」を作り出すという二分法が選挙戦術として有効となる場合が多い。そして、国全体でただ一人しか当選者を輩出しない大統領制ではその「二分法」による弊害が最大となる。また、「当選者が一人」ということから、大統領制は独裁制へ転化しやすい 。民主党が2009年の総選挙で政権奪取に成功したのは「反自民」という世論の後押しがあったのは言うまでもない。このような「敵か味方か」という二分法或いは「一ビット脳的政治」を招きやすい大統領制或いは「二元代表制」という特性に便乗して、最近では議会との対立を煽る首長が目立ってきたのはこれまで述べてきたとおりである。

 このような「反○○」という「(共通の)敵を作り出す」手法で当選してきた大統領・首長は、当選後の新たな敵として議会を標的にする。この場合、二元代表制の首長側が大統領・首長と議会との対決姿勢を増幅する働きをする 。我が国においてこの手法を多用しているのが改革派首長或いは所謂維新系政党(「都民ファースト」及び「希望の党」を含む)である。彼らは、「既得権益」などの「敵」を作り上げ、「敵味方」という二分法で有権者の感情を煽る というポピュリスト的手法を活用している。そのような対決型の首長が当選した自治体が増加した(そして、そのような自治体は「劇場型」であるがゆえにニュースとなり易く、世間の注目を浴びる頻度が高くなる)結果、分割政府における統治機能の麻痺・機能不全という二元代表制の弊害が日本においても顕わになってきているのが最近の改革派首長の弊害でもある。


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