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日本茶掲示板同窓会

180キラーカーン:2018/01/13(土) 00:09:52
7.2.2.2. 欧米型ネトウヨ化:経済のグローバル化と移民・難民の流入
 冷戦の終結により、日本では歴史認識論争に起因する「右傾化」が発生したが、日米欧では多国籍企業のみならず、経済全体のグローバル化が生起した。(巨大)多国籍企業自体は冷戦終結時には存在していたが、生産設備(工場等)だけではなく、人の移動に関しても国境を越えて多国籍化した。このような状況の中で、より良い暮らしを求めて、西欧諸国には外国からの移民の流入が増大した。

 それに加えて欧州はEUなど欧州統合の動きの中で、経済活動に関しては、事実上、欧州域内の国境を廃止したのと同様の状況となっていたため、EU域外からは、いずれかのEU諸国で移民が認められれば、そこを足掛かりにしてより経済状況の良いEU域内の国への移住が自由にできるようになった。更に、最近は、中東やアフリカの内戦などを避けて欧州へやってくる難民も増大している。

 移民の祖国は西欧諸国より経済水準が(各段に)低いため、西欧の基準では「低賃金」であっても彼らにとっては「高収入」である場合も多い。このため、西欧諸国における肉体労働などの分野では移民先の「現地人」から仕事を奪うこととなる。或いは、工場の海外移転(産業空洞化)によって解雇される労働者も発生する(日本において「失われた世代」が発生したのはこのパターン)。このような経緯で経済的に発展した先進諸国において「没落した中間層」が発生することとなる。

 移民によって発生するのは「没落した中間層」ひいては所得格差だけではない。移民が多くなれば、移民先の社会に同化しない(できない)人も増える。それでも、移民が少数であり、かつ、時間はかかっても移民が移民先の生活習慣などを尊重し、移民先の社会へ「同化」すれば摩擦も少なくなる。日本がこれに該当する。

 しかし、欧州において、イスラム圏からの移民や難民の流入が多く、彼らは、容易に移民先の社会へ同化しない。イスラム教はキリスト教や(大乗)仏教と異なり、日々の行動がイスラム教の戒律に結びついている(一日5度の礼拝やラマダンなど)。このため、キリスト教社会である欧州の生活様式とイスラム教の信仰を守ることが二律背反となる可能性が他の宗教と比べて高くなる 。この結果、冷戦終結後における欧州へのイスラム系移民の流入増加は従来からの住民から職を奪うだけではなく、生活共同体も破壊するという「二重の不利益」をもたらすこととなった。

 リベラル・左派は「(グローバル化する世界で)国境という概念は古い。(可哀想な)移民を受け入れよ、反対する者は人種差別主義者である。『没落した中間層』は自己責任」としか主張せず、「没落した中間層」の痛みを無視し目を背け続けてきた。

 それに対して「極右」は、「(国民国家の主権者である)あなたたちは国からの救済を受ける資格がある。我々は、欧州の自由な社会を守りたい。そのためには移民の流入を制御・制限するしかない」という主張を掲げ、民衆の支持を得てきた。これが、欧米型ネトウヨ化の本質である。


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