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日本茶掲示板同窓会

160キラーカーン:2017/12/25(月) 01:58:41
6.3.2.3.5. 2017年総選挙(国民党の「右旋回」と自由党の復活)
 国民党は左からは社民党、右からは自由党の挟撃を受ける格好となった。2017年5月、国民党は移民に対して厳しい態度を採る31歳のクルツ外相を党首に立て、「右旋回」した形で選挙戦に臨んだ。結果的に総選挙の前哨戦となった大統領選挙で自由党のホーファー候補が決選投票に進出したこともあって、右派政党である国民党及び自由党の優位が予測されていた。

 選挙結果は、国民党61、自由党53、社民党52となり、自由党が1999年以来となる第二党となった。この選挙結果から、下馬評通り、国民党と自由党との連立政権の発足が確実視されて、2017年12月、連立協議がまとまり、国民・自由連立政権が発足することとなった。先の大統領選挙と併せて、後世、この選挙でオーストリアは国民、社民、自由の三党鼎立時代に入ったと評されるかもしれない。

 自由党は国民党との連立内閣で、外相、内相、国防相という外交防衛治安を所掌する大臣ポストを獲得し、移民受け入れなど対外治安対策については、これまで以上に強硬な姿勢を採ることになると見込まれる。

6.3.2.3.6. 自由党の復活をもたらしたもの
 2017年10月総選挙は、オーストリアに二大政党ではなく三党鼎立、それも、国民党の「右旋回」と極右」自由党の台頭という「右傾化した三党鼎立」、という選挙結果をもたらした。このようなオーストリアの「右傾化」も他の欧州諸国と同様に移民問題に対する国民の不満が直接の契機となっている。国民党の「右傾化」も「欧州型ネトウヨ化」した国民を支持者層に取り込むためという正当戦略上至極当然の結果である。

 オーストリアの二大政党制及び最近のオーストリア自由党の復活を前提とすれば、国民党が支持者層を拡大するためには、二大政党の一角である社民党の支持者を奪うよりは、自由党の支持者を奪う方新規獲得支持者数が多い。また、政策位置的観点から見ても、かつて社会党と名乗っていた左派である社民党支持者層よりも、保守或いは右翼政党と言われた自由党の支持者層を奪う方が容易であったと思われる 。

 これらのことから、国民党の支持者を拡大するためには社民党の支持者を取り込むべく「左旋回」するよりも自由党支持層を取り込む「右旋回」の方が容易であったと考えられる。また、社民党が第一党である状況で大連立を組んでいた2006年以降、「左派」の社民党に対する反感(或いは大連立での埋没感)も後押ししたのかもしれない。

 一方、そのような国民党の「右旋回」により、国民党との支持者の競合が激しくなったとみられる自由党が社民党と同程度の得票を挙げたことは、国民党だけではなく、オーストリア国民全体の「右旋回」が明らかになったともいえる。

 ハイダー氏が自由党党首になって以降、反移民、EU懐疑という政策を訴えてきた自由党が、「親ナチ」と言われたハイダー氏の軛を脱し、州政府での連立実績も踏まえ「『老舗かつ政権担当能力のある』欧米型ネトウヨ政党」として体制内政党として認知されてきたのが大きいと思われる。


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