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日本茶掲示板同窓会

155キラーカーン:2017/12/13(水) 23:59:13
6.3.2.2.6. 国民党の伸長と「魔法の公式」の崩壊
 国民党は、得票率で第一党に躍り出た1999年選挙以後、「魔法の公式」の変更を目指した。しかし、先に述べたように、閣僚の選出には両院総会で過半数の賛成を得る必要がある。しかし、過半数を制する政党が存在しない現状では、閣僚の選出には、他党の協力が不可欠である。この閣僚選出制度が障害となって、国民党は、一人しか閣僚を選出できず、さらに、国民党の伸長(ネトウヨ化)の立役者であるブロッハーを閣僚に選出することができなかった。この背景には、閣僚の選出は現職優先ということもある。

 このため、国民党は「閣内野党」的立場を強め、国民投票制度を活用することによって政府に揺さぶりをかけていった。国民党は2003年の総選挙で、議席数、得票率ともに第一党の座を勝ち取った。国民党はブロッハーを含む2人の閣僚を送り込むことに成功した。それとの入れ替わりで、キリスト教民主党の閣僚数が1になった。

6.3.2.2.7. 国民党とスイスはどこへ向かうのか
 「魔法の公式」を覆してブロッハーの入閣に成功した後、国民党は内閣の決定をコンセンサス・全会一致方式から多数決制に変更しようとする。他の主要三政党は、危機感を持つ。しかし、2007年の総選挙で国民党は更に党勢を伸ばし、議席数・得票率とも史上最多となったのである。

 ここで、他の主要三党は「禁じて」を放つ。現職優先の閣僚選出の両院総会で現職閣僚であるブロッハーの再選を阻止したのである。この結果、国民党は下野し、選出された閣僚は党籍を離脱することとなった。国民党内でも「路線対立」が表面化し、ブロッハーを支持しない「穏健派」が国民党を離脱し「市民民主党(Bürgerich Demokratische Partei)」を結成した。その後、国民党を離党した閣僚が辞任し、その後任に国民党の閣僚が選出されたため、国民党は与党に復帰した。この結果、「魔法の公式」は自民:2、社民党:2、キリスト教民主党、国民党、市民民主党各1となった。

 2015年の小選挙では過去最多議席を更新し、閣僚配分も自民:2、社民党:2、キリスト教民主党:1国民党:2と2003年時点に復帰した。今後も、国民党の第一党体制はしばらく続くものと見られる。ただし、「協調・多極共存型」と言われるスイスの民主政治に意義を唱えたブロッハー国民党は今が絶頂期 であるとの見方もある。この後、スイスはどこへ向かうのだろうか。


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