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日本茶掲示板同窓会

142キラーカーン:2017/11/18(土) 02:13:28
6.3.1.5.5. 今後のドイツ政治・社会
 既に述べたように、AfDの支持者層は、元来、「没落した中間層」ではなかった。しかし、反移民、反EUを訴える中で、「没落した中間層」を支持者に取り込んでいくうちに、運動方針も過激化していった。そのことは2017年総選挙での投票結果にも表れている。AfDは旧東ドイツ地域での得票率が高く、ルール地方或いは大都市での得票率が低い 。CDUよりも保守的と言われるCSUの地盤であるバイエルン州においてもAfDは順調に得票を伸ばしている。

 このことは、移民による「没落した中間層」の存在はドイツにおいても存在していることを意味している。大連立によるCDU/CSUの「左旋回」により、中道右派から保守に位置する有権者層の受け皿として従来のFDPと並んでAfDが選択されている。また、AfDには左翼党からも支持者を獲得していることから、旧東ドイツ地域を中心に「没落した中間層」からの支持を得ているとみられる。

 ドイツにおいて移民制限について議論することは、ホロコーストというナチスドイツに関する「歴史認識」を問われることと不即不離の問題として。この点が他の欧米諸国とは異なるドイツ独自の事情として存在する。そのため、先に述べたように、AfDもナチス時代の「自虐的な」歴史認識を問題としている。

 また、AfDは、その主張を過激化していった。政党が、主張を過激化・明確化・純化することは、「固定票」を確実に獲得できることが見込める。このことから、包括政党を目指さない(≒連立与党入りを目指さない)単一争点型政党において、確実に得票を重ねるため、そのような主張の過激化を行うことが発生する。AfDにおいても例外ではなかった。今回総選挙でも、選挙後にAfDの穏健派幹部が離党した 。
 EUの下で「欧州の盟主」として繁栄してきたドイツも他国と同様に、グローバル化による社会の分断の洗礼を受けている。これまで、先進国随一の安定度を誇ってきたメルケル政権の「最後の正念場」といえるかもしれない。


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