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日本茶掲示板同窓会

108キラーカーン:2017/08/15(火) 01:29:14
6.3. 外国における「ネトウヨ化」の状況
6.3.1. 総説
 現在では、オランダやフランス、スイス、オーストリアなど欧州各国で極右政党 が主要政党の一角を占めている。中には、極右政党が連立与党入りした国も存在する。また、比例代表制を取っているEU議会選挙では、極右政党が所謂西側先進諸国においても一定の議席を占めている。そのような情勢を受け、比例代表制である欧州議会では2014年の選挙はにおいて、G7の一角を占める英仏両国でも国民戦線(仏国)、国民党(英国)のように「極右」と呼ばれる政党が第一党となった 。

 このことから、所謂西欧先進諸国であっても、そのような「極右」政党が各国の政党システムにおいて確固たる基盤を築きていていることは明らかである。とはいっても、これまではそのような「極右」勢力が議会第一党や大統領選挙で勝利して政府の長の座を手に入れられるとは思われていなかった。

 しかし、2014年の欧州議会選挙以降、英国でEU離脱の国民投票でEU離脱派が多数(2016年)となり、米国でトランプ大統領が誕生(2016年)したことで、そのような状況は根本的に変化したといわざるを得ない。所謂、西欧民主主義諸国においても「極右」勢力は政党政治における脇役ではなく、政党政治における堂々たる主役に躍り出ることとなった。

 米国のトランプ大統領誕生の余韻も冷めやらない中、続く2017年には、蘭、仏、独国での総選挙と仏国大統領選挙といったG7を含めた国政選挙が予定されている。また、政権が進退をかけた憲法改正案が否決されたイタリアでも近いうちに総選挙が行われる見込みである。

 これら、主要国の総選挙で、所謂「極右」政党は、既に「何議席獲得するか」という次元ではなく、第一党となるか否か(≒大統領或いは首相の座を掴むか)という次元の争い、即ち「政権の座」を掴むのか否かという次元の争いとなっている。

 そのような「世界総ネトウヨ化」といわんばかりの国際情勢の中で、脚光を浴びつつあるのが「分断」という言葉である。本節では、
①経済のグローバル化の勝者と敗者という「分断」が誰の目にも明らかになった
②分断の種類には「社会のアイデンティティー」と「貧富の差」という2つがある
③「リベラル」の側は分断で不利益を被る「まじめな中産階級」を無視することで分断を「なかったこと」にした
④「極右」が無視された人々に焦点を当て、「反リベラル」という「二分化」戦術を取った⑤その「二分化」は大統領制或いは議院内閣制の「大統領制化」により拡大・固定化した
⑥その結果、西欧先進諸国も「大統領制民主主義の失敗」のリスクが無視できなくなった
という仮説を提示する。

 すなわち、「ネトウヨ化」というのは我が国独自の政治状況ではなく、冷戦終結とそれに伴う(経済の)グローバル化を契機として先進各国で同時並行的に生じた政治的潮流であるとみなすことができる。しかし、その「ネトウヨ化」の原因及び過程については、我が国と欧米との間には違いがある。その我が国と欧米との間の「ネトウヨ化」に関する各国間の比較分析 を行うことは、我が国の「ネトウヨ化」の実態を明らかにするだけではなく、比較政治学上の知見も得られるものと考えられる。

 欧州では、そのような「福祉排外主義」に基づく「極右」勢力だけではなく、(財政状況に関わらず)「没落した中間層」に対する貧困対策を行うべきという「ポピュリスト左派」という政治勢力も無視できない存在となっている。代表的な存在が、米国大統領予備選で大本命のヒラリー・クリントン上院議員に肉薄したサンダース上院議員や仏大統領選で主要四候補の一角を占めたメランション氏である。本節では必要に応じ、そのような「ポピュリスト左派」勢力にも触れる。

 本章では、これまで、我が国の国内における政治現象として捉えられてきた「ネトウヨ化」というものを、世界情勢の文脈の中に位置づけ、我が国独自の現象と思われてきた「ネトウヨ化」の国際比較(の足掛かり)のための「野心的」な試みでもある。


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