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いまさらながら「天皇論」を読んでみた

64キラーカーン:2010/09/27(月) 23:47:21
律令の規定と女系継承との関係

 ここで、女系継承容認論者が歴史的根拠として挙げる「女帝の子また同じ」という律令の条文について話を移します。皇族の中でも皇子(皇子)とその他の皇族(王)で呼び名の差が生じたのは継体天皇の時代の頃からといわれています。そして、前者は親王という称号になりました。
 皇族としての格は「何代さかのぼれば天皇に行き着くか」ということに示されます。一般的な数え方として、天皇の子を一世、孫を二世・・・という言い方をします。また、「親王」や「王」だけでは、その何代さかのぼればということが必ずしも明確ではないため、その「何代」を明確するために、例えば「一世親王」、「三世王」という言い方もします。(例:常陸宮は一世親王、桂宮は二世親王)。皇位継承に際して、「王」が皇位につくことがあります(例:白壁王から即位した光仁天皇)。その場合、その天皇に兄弟や子供(例:山壁王(後の桓武天皇))がいた場合、彼らの称号は当然「王」ですが、彼らを「王」から「親王」に格上げするというのが、この律令の条文の趣旨です。
 この世代数の数え方は男系によります。つまり、二世王と一世内親王との間の子供は三世王となります。つまり、原則どおりに行けば、(夫が天皇ではない)女帝の兄弟や子の称号は「王」になりますが、子供に限っては例外的に「親王」に格上げしますというのがこの条文の趣旨です。そして、この律令の条文の言うところを簡単にまとめると

1 天皇の子供、兄弟で「王」である者を一律に親王、内親王とする
2 女帝の子供で「王」である者を一律に親王、内親王とする。

ということです。
 つまり、「また同じ」という文言だけにとらわれては、男帝も女帝も同じように見えますが、ひとつ見逃せない違いがあります。それは

男帝の兄弟は親王になれるが、女帝の兄弟は親王になれない

ということです。ここでも、男系と女系では待遇に違いがあるということです。皇族としての格が○世の数字の大小によって示されるということであれば、親王と王では当然格に違いがあり、その格の違いは皇位継承権の順位に直結するということになります。即位することによる格の引き上げ効果が男帝と女帝で異なるということは、皇位継承上、男帝と女帝との扱いにも当然差が出るということです。重ねて言いますが、まとめれば

女系でも継承権が「全くないというわけではない」。しかし、男系との比較においては、女系は継承権が低い

ということになります。また、皇位継承権保有者をむやみに拡大させないという観点からも、女系による継承権は「凍結」したほうが良いという運用に落ち着いたのでしょう。
 ここまで、長々と歴史的経緯について論じてきましたが、結論としては

悠仁親王と愛子内親王との間の皇位継承権(特にその子孫の皇位継承権)の優劣については、歴史的に決着がついており、その意味では議論の余地はない。

ということです。その意味では、小林氏がいくら歴史的経緯を述べたとしても、せいぜい、

愛子内親王の皇位継承権を奪っている現行皇室典範が不当である

というところまでであって、愛子内親王が悠仁親王より上位の皇位継承権を有しているということは証明できないということです。


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