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いまさらながら「天皇論」を読んでみた
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:
キラーカーン
:2010/01/24(日) 00:12:14
少子化と晩婚化、独身者の増加で、夫婦と子供2人という「標準家庭」がもはや「標準」ではないといわれて久しいです。
ここで、表題の「いとこ」ですが、「いとこ」とはご存知のとおり、親同士が兄弟の間柄をいいます。親同士が兄弟ですから、正月やお盆といった帰省ラッシュの時期には「孫の顔を見せる」という名目で親、子、孫という3世代が一つ屋根の下に勢ぞろいすることになるのはそう珍しいことではないと思います。こういった状況から、「いとこ」というのは
家族の一員ではない人の中で一番近しい人
(よく言われる例として、「一緒にいた彼女(彼氏)は?」と聞かれた場合に「いとこ」と答えるというベタなものがあります)
ということになると思います。近くに住んでいるとか家族関係が良好であれば、いとこ同士といっても兄弟同然ということもあるでしょう。
こういう環境の場合、男2人兄弟であれば、「長男には男の子供がいないので次男(の長男)を後継者として育てよう」という判断をしても、さほど問題がないと思います。それは、帰省という行事を通じて、いとこ同士が祖父の家で定期的に顔を合わせ、しかも「孫」という同格の立場でいることから、おじいちゃんにつながる「近しい親戚」であるという一体感が醸成されるからだといっても過言ではないでしょう。
ここからが問題です。親が健在の間は帰省もします。そこで、(仲があまりよくなくても)兄弟と顔を合わせますし、その波及的効果として孫である「いとこ」同士も顔を合わせます。しかし、親が亡くなった後で、兄弟同士が一同に会する機会を持つ親戚はどれだけいるでしょうか。核家族化が進んだ現状では、親が亡くなれば、子供は名実ともに一家として独立します。このような状況の中では「またいとこ」以上の関係は感覚的に「親戚」と認識する機会が実質的に失われます。運がよければ、「曽祖父」の葬式や法事あるいは「いとこ」の結婚式で「またいとこ」が顔を合わせる状況はありうると思いますが、定期的ではありません。また、そういう大規模な「法事」は数年毎です。
さらに、兄弟である親同士の仲が非常によく、また、それだけの「大家族」が一同に会するだけの場所を提供できる(一族総出でホテルに泊まる)だけの物理的・金銭的余裕がなければだめでしょう。あるいは、子供である「いとこ」同士の仲がよければ、「いとこ会」という形で集まって、その子供同士が「またいとこ」として認識できるという機会があるかと思います。
ここまで述べてきたことは、「いとこ」や「またいとこ」といわれる関係の人がいる場合です。しかしながら、昨今の少子化と晩婚化(一生独身化)によって「いとこ」関係というのが少なくなっていきます。親が一人っ子であれば「いとこ」は存在しません。また、(「未婚の親」という例を除いて)兄弟の一方が独身(結婚経験がない人)であっても同様に「いとこ」は存在しません。となれば、「いとこ」そのものが『希少価値』になります。しかし、「またいとこ」まで関係を広げたとしても、実際に会う機会のない「系図だけ」の親戚関係となって、親戚という実感が湧かない場合が多いのも上述のとおりです。
更に、「標準家庭」でも子供が二人ですから、男女の出生率からすれば男と女の2人兄弟というのが多くなることから、さらに「男系のいとこ同士」という関係になれば、さらにその『希少価値』が高くなります。このような状況の中で、「家督相続」というような場合を考えてみれば、長男に男の子供が生まれなかった場合
ほとんど他人の傍系の男系血族より近しい女系の血族(例:姉の子供)
の方に親近感が沸いても仕方のない状況になります。場合によっては、男女を問わず子供に継がせようという意識が働くのも無理のない状況になります。これらがあいまって、一番近い傍系血族(いとこ)の存在が希薄となっていった結果と、旧来から日本の商家や職人の家には、「婿養子」という習慣があり直系原理がかなり浸透していたことが相俟って、日本国民の意識全体として
(傍系男系血族の存在の希薄化による)直系の論理の突出
ということになってしまったということです。そして、そのような意識が皇位継承問題に微妙な影響を及ぼしているということです。この状況を評して宮崎哲也氏は
男系原理と直系原理の衝突
と評していましたが、慧眼だと思います。そして、現在の少子化などの状況から、直系原理が強くなる傾向にあります。そのような中で、「皇族」という傍系も含めた親族制度を維持している天皇家の家長である天皇の継承順位がどうなるのかということも合わせて問われているのだと思います。
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