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床屋政談

105キラーカーン:2015/06/28(日) 01:38:28
平和安全法制で、違憲・合憲論が色々論じられていますが、
この件で解散総選挙に打って出て、自公両党で過半数を取れば、
与党の「合憲解釈」で問題ないとの主権者である国民(有権者)の
「明白な」意思が示されたということになりますので、
政治論としては「これで一件落着」となります。

解散総選挙で国民の意思を問うという「極めて【立憲的】な方法」
で平和安全法制の正統性・正当性を獲得したことになりますので、
違憲論の憲法学者も反論の余地がありません。

また、先の解散総選挙では「大義なき解散」とも言われましたが、
平和安全法制の信を問うという点では、「これ以上の大義はない」
ということになります。

この結果に対して憲法学者が反論を加えるとすれば、

「民意の暴走」あるいは「憲法解釈の限界を超える」

というという理由が考えられますが、結局それらは

「自分(憲法学会)が気に入らない」

という意味でしかありません。

と、政治論はさておき、「合憲論」の一例は、三項目に纏めると
次のようになるでしょうか。

1 憲法第9条第2項の「前項の目的を達するため」ということで、
 自衛のための(必要最小限の)戦力は同項のいう「戦力」には
 該当しない。(いわゆる「芦田修正」理論)

2 日本国憲法においても、集団的自衛権は有している

3 「1」及び「2」から「自衛のための必要最小限の集団的自衛権」
 も認められる

問題は、これまで、集団的自衛権であれば、必要最小限度を「超える」
というとみなされてきたことです。自衛隊を合憲とする理論の場合、
何らかの形で自衛隊の能力限界は「必要最小限」であるということが
組み込まれています。

これに対しては

「座して死を待つ」答弁の援用
(鳩山一郎総理が、敵国の攻撃が意図が明らかな場合、であり、
 敵基地攻撃以外に有効な対処がない場合、「座して死を待つ」
 というのが日本国憲法の命ずるところであるとはいえないとの
 国会答弁)

→同盟国・友好国が各個撃破され、孤立無縁となって「座して死を待つ」
 ということが日本国憲法の命令するところではない、
というところでしょうか。

現代的な問題としては、他国のシステムを「踏み台」にした
我が国へのサイバー攻撃を「武力攻撃」と認定し、
その他国のシステム防護を集団的自衛権を理由として
自衛隊が行うことができるかと、いうものがあります
((どのような)サイバー攻撃が武力攻撃に該当するか否かについて
 国際法上結論が出ていません)

この他に、平和安全法制を合憲とする理由については、
色々考えられるでしょうが、その基本は

何らかの形で「戦力を保持しない」、「交戦権を認めない」という
憲法第9条第2項の文言を「空文化」(適用除外)させるということです。
その「空文化」の代表的な理論のひとつが「芦田修正」理論ということです。

個人的見解としていえば、NSC(国家安全保障会議)を設置し、
「国家安全保障戦略」を策定したのですから、何が「必要最小限の防衛力」
かということは、憲法解釈ではなく、「国家安全保障戦略」で
その時の国際情勢などに合わせて、4〜5年おきに政府が策定すればいい
と思います。

その場合、国会承認がいるかどうかという点については論点になるでしょう。
ざっと思いついただけでも
1 国会を(主権者の代表であり)「国権の最高機関」である
 という憲法の規定に忠実であれば、国会承認が必須
2 我が国は議院内閣制であり、内閣成立の時点で国会の信任を
 受けていることから国会承認は不要
3 政府には、行政権と異なる「執行権」(政府の自由裁量権)
 というものがあり、その代表的なものが外政(外交・軍事)
 及び統帥権であることから、国会承認は不要
(「執行権」説というのは比較的最近の説であり、
 日本国憲法が「執行権」を認めているか否かについては
 現代的な論点となっている)


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