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小沢民主党は加藤憲政会のように「苦節十年」となるか

46キラーカーン:2009/08/18(火) 22:58:59
以前の投稿で、もし民主党政権になれば、

>加藤高明内閣のように政権担当能力を認められるのではなく、
>第一次及び第二次大隈内閣のように
>「失格の烙印」を押される可能性が高くなるでしょう。

と評したことはありますが、では、このような憲政党→憲政本党→立憲同志会→憲政会→民政党とともに二大政党の一翼を担った自由党→立憲政友会(一般的には略称の「政友会」といいます)はどのようにして「統治能力」を身に着けていったのでしょうか。

 政友会が自身に統治能力があることを示したのは、第一次西園寺内閣からです。いわゆる元勲・元老の次の世代が始めて首相になった第一次桂内閣の後を受けて、第一次西園寺内閣が発足しました。当時の政友会は、伊藤が枢密院議長に就任した後、公家出身の西園寺公望が後継総裁に就任し、実質的な党務は松田正久と原敬が担当するという体制でした。首相が政友会総裁であることから、一応政党内閣といわれますが、政友会員は松田と原の二名だけ(西園寺を入れても三名)であり、約10名で構成される内閣の過半数にも満たない入閣者でした。その他の入閣者は、前首相である桂の息のかかった官僚や山縣の養子、旧公家や旧大名といった政友会にとっての「抵抗勢力」でした。これら「抵抗勢力」の入閣者は、再任されることはありませんでした。林と牧野は後の政友会(系)内閣でも入閣していることから、林(外相)、牧野(文相)の両名は政友会に近い外務官僚(牧野も外務官僚)といえるでしょう
 第二次西園寺内閣も、政友会からの入閣は三名(松田と原ともう一名)と増えましたが、閣内での過半数には至っていません。しかし、軍人を除いた新入閣者は後の政友会(系)の内閣に再入閣しており、第一次西園寺内閣のように、非政友会系の人物を入閣させず、明らかに政友会に近い人物を入閣させています。
 政友会員の閣僚が閣僚の過半数を占めたのは第一次山本内閣のときです。この内閣は、大正政変によって生まれた海軍・薩閥と政友会との事実上の連立内閣であり、首、陸、海、外相以外の閣僚は政友会に入党するという条件で発足した内閣です(首相の山本は現役の海軍大将のため、政党員にはなれない)。
 このように、政友会は、可能な限り政友会員で固めた第四次伊藤内閣が短命内閣に終わった失敗から、最初は、政友会色を抑えた「抵抗勢力」との妥協職の強い内閣で、「抵抗勢力」からの信用を得つつ、徐々に政友会色を出していくという「漸進戦略」を採用しました。また、憲政会が統治能力を認められた加藤高明内閣においても、発足当初は「護憲三派内閣」といわれたように、政友会を連立与党としており、原、高橋両内閣(及び閣外協力の加藤友三郎内閣)での与党経験を生かすことが可能でした。そして、その後の連立の崩壊による憲政会単独内閣を経て政友会と並ぶ二大政党への道を歩むこととなったのです。

 もし、民主党内閣ができた場合、参考にすべきは、このような「漸進戦略」をとった政友会の手法でしょう。となれば、具体的には
1 自民党脱党組のベテラン議員(羽田孔、小沢一郎)
2 非自民連立政権での閣僚(江田五月、菅直人、藤井裕久、石井一、熊谷弘)
3 非議員の閣僚(榊原英資、勝間和代氏)
という人物を入閣させて、安定感を出すということになるのですが、浮かぶ人名が・・・

 余談
 立憲政友会は板垣退助が設立した自由党を前身としています。第一次大隈内閣で憲政党と合同して与党になりましたが、結局、分裂してもとの鞘に収まった後、伊藤博文を総裁に迎えて立憲政友会と名前を変えます。それを契機に、金子堅太郎など伊藤派といわれた官僚も政友会に入会します。
 当時の首相は伊藤のライバルで大の政党嫌いでもあった山縣有朋でした。山縣は政友会が結党直後で体制が固まっていない状況で、北清事変の事後処理に一応の区切りが付いたことを理由として内閣総辞職し、伊藤が後継首班を引き受けざるを得ない状況に追い込みました。伊藤は、軍部大臣と外務大臣以外を政友会員で固めた政党内閣を組織します。しかし、この内閣は、いわゆる党人派と官僚派との対立が表面化し、短命に終わります。
 なお、戦前の内閣において、軍人が就任することが当然視されていた軍部大臣の他に外務大臣も外交官経験者(外交官経験者で適格者がいない場合に限り軍人)が就任することが事実上の慣例(この純粋な例外は後藤新平のみ)と化しており、この3ポストは(もちろん与党に近い外交官が就任しますが)純然たる政党員が占められないものでした(原内閣でもこの3ポストは政友会員ではない)。


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