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刑事弁護の危機と医療の危機
19
:
キラーカーン
:2008/09/27(土) 00:43:00
余談になりますが、自衛隊合憲論、違憲論のような法律の解釈論争というものがありますが、法律学の作法、文法に従う限り、どの解釈が正しいかは「法律学の範囲内では『判断できない』」のです。(解が複数存在する方程式において、複数の解のうちどれが一番適切かという「解の優劣」はその方程式自身では判断できません。別の方程式等々「枠外」の基準によって判断されるのと同じです)。
解釈の正しさは、国民の支持、道徳に則っているか、場合によっては「思想」、「イデオロギー」というものも含んだ法律学の「枠外」の基準によってもたらされます。法律学では「社会通念」という言葉が良く使用されます。自衛隊の合憲違憲論争も、結局法律学の枠内の論理ではなく、国際政治の「現実」というような法律学の「枠外」の事情によって事実上の決着がついています。別な例で言えば、死刑判決後「6ヶ月以内」に死刑を執行しなければならないという刑事訴訟法の規定もそうです(6ヶ月規定は事実上空文と化しています)。というわけで、私との議論は法律学の範囲を超えるのは確実であり、「思想」、「イデオロギー」論争の領域に足を踏み込む可能性があるということです。
ちなみに言えば、法律学の枠内にとどまるという前提を置けば、すちゅわーです さんの投稿程度の弁護団「擁護論」は私にも書けます。逆に言えば、「その程度」の擁護論しか書けなかった すちゅわーです さんに(そして、私が、弁護団擁護論者に向かって、なぜ、すちゅわーです さんの投稿の解説をしなければならないのかということについて)ある種の失望感を抱いたのも、また、一つの事実です。
閑話休題。欧米などの主要先進諸国もその「公理」は果たして正当なのかという疑問という荒波を受け、犯罪被害者の刑事司法手続きへの参加という形でこの「定理」の修正を余儀なくされたのです。更に言えば、「修復的司法」はその「定理」を小手先ではない大修正を目論んだものということもできます。
日本においては最近までこの「定理」はほぼ原型を保ったままで推移してきました。しかし、社会構造の変化により、この「定理」の正当性を支えてきた条件が崩れてしまったのです。それを私は
「共同体」の崩壊、あるいは、「社会的包摂」の崩壊
と表現してきました。この状況に目を向けないまま、この「定理」の護持を訴えても
浮世離れした空論
となってしまいます。
この点からも「法律学」という「タコツボ」に篭ったままでは、有効な対策が打てないということになります。勿論、周囲の情勢の変化を考慮せず「タコツボ」に篭ったままで理論を組み立てても、「法律学」としては「正しい」のですがそんなものは「空理空論」の典型であって、犯罪被害者問題、そして、懲戒請求という「祭り」という「現実」に対して何ら影響力を持ち得ないものなのです。
この状況を踏まえれば
1 「公理」を護持するために、共同体あるいは社会的包摂の機能を回復させるべく行動を起こす
2 現状を踏まえ、何らかの形で刑事司法手続に犯罪被害者を参加させるという形で「公理」の修正を行う
という二者択一を迫られているということになります。
この「2」についても、犯罪被害者を(刑事)裁判に参加させることについては問題がないということで事実上決着がついています。このことについては、以前述べたかと思うのですが、たってのご希望なので書きます。
なぜなら、犯罪被害者は「損害」を取り戻すためあるいは償ってもらうために民事訴訟を提起する必要があり、現実にそうなっています。刑事裁判に犯罪被害者を参加させるのは犯罪被害者のためにはならないという立論は
反対のための反対
でしか過ぎません。民事裁判では加害者と「ガチンコ勝負」をして問題ないが、刑事裁判においても犯罪被害者が参加するのは問題というのは詭弁以外の何者でもありません。もし、犯罪被害者を裁判で「加害者」と直接対峙させるのが犯罪被害者のためにならないのであれば、犯罪に伴う損害も刑事裁判における判決に完全吸収させ、犯罪被害者を完全に「蚊帳の外」に置いた「損害賠償命令」制度まで行き着かなければ論理的整合性が取れません。しかし、その前段階でもある刑事裁判で民事上の損害賠償もできるという「付帯私訴」に弁護士業界が反対しているということから見ても、詭弁以外の何者でもないということが明らかだと思います。
勿論、民事訴訟の提起、あるいは、刑事裁判への参加に躊躇している犯罪被害者を強制的に裁判に放り込むということは可能な限り避けなければなりませんが、参加したいという人に対して、あるいは、本人は参加したくないが、代理人を参加させたいという場合には門戸を開放する必要はあります。
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