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中近東・アラブの演劇

3さーひぶ。:2005/03/21(月) 00:06:17
【ジュヌン−狂気】(JUNUN - insanity)
演出:ファーデル・ジャイビ  http://tif.anj.or.jp/program/faml.php

チュニジアの現代アラブ演劇です。これも「東京国際芸術祭 2005」の一環。
統合失調症の青年と女性精神療法医の15年に及ぶダイアローグ(実話)を題材に
して、チュニジアのムスリム・アラブ社会の絶望的な社会状況を描いています。

「ヌン」は、チュニス郊外に住む25歳で統合失調症(和名旧称:精神分裂病)と
診断される青年。精神病院に収容された彼は、ある中年の女性精神療法医と出会い、
ここから彼女の長い闘争=青年との対話が始まる。病院から貧困家庭に帰された彼
と悲惨な家族たちとの間で、ドタバタ乱痴気騒ぎが始まり、家族は疲弊してゆく。
療法医はたびたびヌンを訪問して対話を続けるが、彼の心の葛藤をえぐり出してゆ
くうちに、彼の家族や同僚たちと対立するようになり、やがて辞表をだすが、・・・。

「アラブ演劇」といってもチュニジアでは、口語はフランス語と混ざっていて、
この劇もアラビア語チュニジア方言とフランス語がチャンポンになった口語劇です。
劇の内容そのものも、(チュニジアのアラブ社会を舞台として当地の役者が演じて
いることを除けば、)高尚な現代フランス演劇そのものといっていいくらいな印象。

日本は富裕な先進国ですが、高ストレス社会でもあるのでこういうテーマとも無縁
ではないはず。観劇していて、むしろ高齢化社会日本の認知症(和名旧称:痴呆症)
の介護問題の深刻さを連想して、重い気分になりました。

2時間以上にもわたって重苦しいテーマが続く長い演劇ですが、DVD・ビデオ等
で何回も見返したい作品ですが、残念ながら発売の予定はないそうです。
(トヨタ自動車・松下電器産業・資生堂・アサヒビールという巨大資本が協賛して
いて、しかも評価の高い作品なのに、DVDぐらい出せないものだろうか)
>>2の『アライブ・フロム・パレスチナ』は、第二弾もDVDが発売予定です。


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