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16仁雛:2006/02/08(水) 14:03:07
>>13 衛攸之さん

書き込みありがとうございます。
>旧孫呉の出身で父祖が呉の将軍だった人物はどうも経済的な不遇を味わっていたように思えるのですが、この点について言及されている研究書はないでしょうか?
とのことで、>>15で中根さんのレスがありますが、あまりお役に立てませんが自分も少し調べてみたのでご紹介します。

川勝義雄『六朝貴族制社会の研究』岩波書店

学会では言わずと知れた名著ですが、第三章の三「西晋支配下の江南」に孫呉旧臣たちの西晋での状況が若干触れられている部分があります。具体的な将軍名は出てきませんが。

巴蜀の旧臣たちの西晋での状況・動向についての分析(実は私の卒論でもやりました//笑)をした研究論文は、大東文化大の中林史朗先生がいくつか書いていますが、孫呉のは不勉強ゆえ知りません^^;
探せばあるのかもしれませんし、>>14の菅原代表のレスにもあるように陸機関連で文学畑からの論文はありそうな気がします。いずれにせよ、西晋での巴蜀・孫呉の旧臣たちは西晋王朝下ではあまり出世
できない、西晋ですでに貴族制的な体制ができあがってしまっていたので、「田舎モノ」が入り込む余地がなかったのは諸資料から伺えるところです。学会的には、孫呉の場合は、その後東晋王朝の基盤
となるので、外来の東晋王朝と在来の江東豪族の関係はどうだったかという問題があり、川勝氏の上記著書にもこれに関する研究がありますし、その後研究論文もあると思います。

あとは越智重明先生の一連の六朝貴族制社会を論じた専著に当たると、もしかすれば言及されているかもしれません。ご参考までに書誌情報を下にあげます。
越智重明『魏晋南朝の政治と社会』吉川弘文館・1963年、『魏晋南朝の貴族制』研文出版・1982年、『魏晋南朝の人と社会』研文出版・1985年
また、言及している可能性は低いと思いますが「この本ってどうよ?!」スレの70で殷景仁さんが紹介くださった、安田二郎先生の『六朝政治史の研究』もあります。
衛攸之さんが大学図書館などを利用できる立場でしたら、ぜひご覧になってみてください。結果などをレスしてくださるとうれしいです。

と、このスレを書いて、魏晋南北朝の研究書籍の紹介とその目次くらいは「参考文献スレッド」にupしたいな、そうすれば便利だなと思った次第^^;


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