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漢文翻訳スレッド

57中村:2004/12/06(月) 14:04
えちぜんさん、検討して頂きありがとうございます。

レスのないところはえちぜんさんのレスで納得しましたが、以下の点はもう少し。
また基本的に指摘に際しては『漢語大詞典』をひいています。

車牛、は『大漢和辞典』は「車を引く牛」、『漢語大詞典』は「指牛車」ですね。自分は『漢語大詞典』を先に引き、それでも不明な時は『大漢和辞典』をひきます。この順番を推奨します(笑)。
どちらもほぼ同じ用例を引き、そこからはっきりと語釈が分かるものではないので今回、検索かけてみました。

後漢書・烏桓列伝「遮截道上商賈車牛千餘兩」→数詞が「両」
三國志・魏書・倉慈伝注引魏略「是時民多無車牛。斐又課民以輭月取車材、使轉相教匠作車」→「車牛」のない民衆のために「車」を作らせている。なおちくま訳は「車と牛」
魏書・文帝紀「車牛百乘」→数詞が「乗」
と原文からするとやはり牛車がいいかと。ただ官が支給する例を見ても牛車の車だけを給付するのではなく
牛もまた給付しただろうから(そうでないと動力がなく移動手段の支給という目的にそぐわない)、「車牛」
は牛と牛車のセットだったのかもしれませんね^^

「今日方知君見顧之重矣」はやはり私訳のように考えます。
晋王(司馬昭)が権勢を持ち始めた時だからこそ、その権勢に従わずなおも皇帝を重んじたのが王祥の行為だと思うからです。
そして権勢を持っていた司馬昭は、その行為を目の当たりにして、実際の権勢よりも権勢がなくなったとしても皇帝というだけ
で重んじられることを実感したのだと思います。
セリフのニュアンスをどう解釈するか、意見が分かれるところだと思いますので、他の人の意見も聞いてみたいところ^^

「古之致仕,不事王侯」はなかなか難しいですね。
王弼注は「最高位にあって、位を気にしない」つまり「王侯を事とせず。其事を高尚す」と読んでいるようで、
孔疏は「俗事や職位を気にかけない、だから王侯には仕えない。その清らかなことを自分がよしとする、だからその事を高尚とす」
礼記引用の鄭注は「引退したらもう出仕しない。君主がその行いを高尚とする」と3者の解釈はすべて違ってます^^
どうも易の原文は「王侯を事とせず」最高位の王や侯に自分がいてもその位を気にしない、という意で、
礼記の文脈でさらに鄭注にいたって「王侯に事えず」という解釈が生まれたように思えるのですがどうでしょう。
上記注釈の訳もあるいは間違っているかもしれませんから、やはり注釈を含んだ五経の訳書は手元に置いてみたいですね(とすると新釈漢文大系か?)。
晋書の「古之致仕、不事王侯」は、前後の文脈からしても一旦引退したらもう仕えない、の意でしょうから、
その文脈で訳せば「易経にあるように、昔は辞職すれば、もう王侯には仕えないものだった」とするのはどうでしょうか。

「家無宅宇」
家はやはり知行地の意味ではないと思います。春秋以前の「家」はたしかにその意があるようですが、
晋書の「家」は「いえ」「うち」の意だと思います。
「宅宇」はこの時期から出てきた新語のようですので、うまい訳語が思いつきませんが、前回の私訳
は下賜される舎人と関連づけて訳しましたが、彼の清貧たるを言う言葉とすれば「家には豪華な(広い?)
家屋がない」の意かもしれません。


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