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科学と疑似科学とを判別する

98diamonds8888x:2018/07/07(土) 09:14:29 ID:P3QJtzNA
【反証可能性理論はなぜ受け入れられるのか-2-】
>>97 万有引力の法則は質量を持つすべての物体というとても広い範囲を対象とするので、多様なタイプの予測ができて、それに応じて多くの異なるタイプのテストが考えられます。例えば次のようなものです。むろん以下の予測には万有引力の法則のみならずニュートンの運動の3法則をも使いますから、これも合わせてテストしていることになります。

 ・未来の惑星の位置を予測して、確認する。
 ・過去の惑星の位置を推定して、確認する。
   (例えば未発見の天体観測資料が見つかって検証される、など)
 ・未発見の惑星の位置を予測して、見つける。(海王星の発見とか)
 ・ロケットや人工衛星の軌道を予測して、確認する。
 ・砲弾やミサイルの軌道を予測して、確認する。(空気抵抗等による修正は必要だが)
 ・地球の大きさと地上の物体に働く力とから地球質量を求めて・・・さて確認はどうする?(^_^)
 ・大きな山のトンネル内では物体が少し軽くなると予測して、確認する。
 ・重力探査から地下に岩石とは異なる密度の鉱物の存在を予測して、確認する。
 ・2つの金属塊の間に働く力を予測して、実際に測定し確認する。
  (キーワードは、近距離重力実験、万有引力実験器、など)
 ・えとせとら、エトセトラ、etc.

 いやー、ニュートンは偉大だ! ケプラーの法則では惑星の軌道しか予測できませんからねえ!!

 ポパーは反証されていない仮説が複数あるときの仮説の優劣判定の基準として「内容の豊かさ」を挙げています[内井惣七,3.6節]。上記の例ではニュートンの法則(万有引力+運動の法則)はケプラーの法則よりも内容が豊かなのです。


 上記のテストの中でも最も「直接的な」検証と見なせる「2つの金属塊の間に働く力の測定実験」を考えます。具体的な1回のテストは、ある日ある時ある場所での、ある質量の組み合わせの2つの金属塊をある距離に置いたときに2個の間に働く力の測定で、それがニュートンの法則に一致するかどうかが検証または反証されます。で、今のところは確実な反証結果は得られていないようですが、だからといって未来永劫、すべてのテストで反証されないかと言えば、それは厳密には保証できないことです。つまり、万有引力の法則が未来永劫すべての場合に成り立つことは、検証は不可能です。人類にできることは、そして実際にやっていることは、何回も何回も、反証されなかったことを確認することだけです。完全な検証というは無理なんだから、反証されないことを確認しつづけることで我慢しようよ、というのがポパーの反証可能性理論なのです。

 以上の例ではニュートンの法則(万有引力+運動の法則)もケプラーの法則も反証可能ですが、前者の方が反証実験ないし反証観測の範囲が広いと言えるでしょう。それがつまり、内容が豊かだということの証です。
 ニュートンの時代では技術的に可能な反証は天体運動観測と落体や投射体の運動くらいだったでしょうが、近距離重力実験も原理的には考えられる実験だったはずです。原理的に反証可能ならば(検証実験が考えられるならば)技術的には困難でも反証可能性がないことにはなりません。ただ「実験可能になるまでは判断保留」という扱いは受けるでしょうね。


 これ以上は、どう言葉をつくしても同じことの異なる表現による繰り返しになりそうですので、ひとまず納めておきましょう。

 なお、天動説と地動説との反証可能性というテーマについては長くなるでしょうから機会があれば別途また。


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