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スマナサーラの上座仏教入門

5アルボムッレ・スマナサーラ:2011/01/28(金) 15:08:13 ID:FYwWGlEw
生きるとは、複雑なようであって、じつはとても単純です。歩いたり座ったり喋ったり、寝たり起きたり。それ以外、特別なことは何もありません。この単純さ以外に、何か人間の背後から支配している「宇宙の神秘」のようなものがあると思うのは、妄想です。人生とはいともかんたんなものなのです。それを複雑で分かりにくくしているのは人間の思考であり妄想なのです。

仏道とは、「何かを得る道」ではありません。「ものから離れていく道」なのです。離欲の道には完成があるのです。本当に充実するためには、ものはいらないのです。足りないから満たそうとするのではなく、ものがいらないということで、心を満たす道があるのです。ものから離れる、離欲というところから、安らぎが生まれるのです。離欲にチャレンジすることが、最高のチャレンジなのです。 結果はもはや変えられません。しかし、原因は変えることができます。 原因が変われば、結果は変わります。結果に足を引っ張られて悩むことはやめましょう。 よい結果になるように原因をしっかりと調整することが、理性的な生き方なのです。

「うまくいく・いかない」「成功・失敗」というのは、客観的なことではなく、自分の主観です。ものごとは因果の法則で動いているのですから、よい結果を期待するならば、その原因を調整することです。原因に適した結果があらわれるのであって、期待した結果にはなりません。リンゴの種を蒔いてモモが食べたいと思っても、かなわない希望です。原因を無視して、よい結果だけを期待するのは間違いです。 いま苦労すれば将来、幸福になるだろう」という考えには、幸福になる保証はありません。「いま」幸福になるしか道はないのです。幸福というものは、いまの瞬間に得るべきものです。「明日、幸福になろう」とか「将来、幸福をつかもう」という人は、ずっと幸福になれません。「明日」とか「いつか」というものは、どうなるかわからないのです。


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