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化学物質過敏症についての掲示板

703Nバスターズ:2014/01/22(水) 19:01:36 ID:8nVcd/dY
 多型性*B、*Cを持っている人は、ベンゾピレンのような多環式の炭化水素やエポシキのような中間代謝副産物のGSTP1による解毒能力が低下していると言える。またGSTP1により、殺虫剤が解毒されることが知られてきた23)。このGSTP1、すなわちグルタチオン‐S−転移酵素は脳内に、また脳血液関門に存在し、神経毒の解毒を行う重要な酵素である19)。
パーキンソン病患者の研究結果が示しているように、殺虫剤負荷と多型性GSTP1*B、または*Cを有する固体は、自然型のGSTP1解毒機構を有する固体よりも発病頻度が増加する。そのために、多型性GSTP1*B、または*Cを有する患者は神経毒に対して感受性が高く、神経疾患発症の危険性が高いこととなる19)。われわれの患者でも、片頭痛、視力障害、平衡障害、めまい、筋力低下や麻痺のような神経症状が出現している。多型性GSTP1の頻度と各種症状の出現との間にはこのような関係があるように思われる。
 重金属負荷B群では、66%(10/15)にグルタチオン‐S−転移酵素μ(GSTM1遺伝型0/0)が認められた。さらに症例の87%(13/15)にN‐アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の重大なミューテーションが認められ、これはアセチル化が遅鈍であることを示している。
 今日、重金属負荷とグルタチオン代謝が非常に緊密な関係にあることが知られている。さらにアマルガム充填物からの水銀については詳細な研究が進められてきた。アマルガムから電流が生じて発生する2価水銀(HG2+)は食物と一緒に消化管に到達する。一部の水銀は腸管内の細菌によりメチル水銀化される24)。これは多分無機水銀よりも容易に吸収されるであろう。血流に乗ったメチル水銀は脳血液関門や胎盤を通過する。肝臓ではHG2+はNa-K-ATPaseキャリアーに取り込まれる25)。肝細胞に取り込まれたHG2+はすばやく遊離GSHと結合して、Hg-GSHを形成する。Hg-GSHは他のGSH結合物と同様に、排出ポンプで細胞外へ放り出される。そして水溶性のGSH結合物は通常腎臓から迅速に排出される。最近知られたことであるが、ここで多種類薬物耐性タンパク(multi-drug-resistant-proteins MDRと略)が決定的な役割を果たす26)。
 一部の細胞内Hg-GSH結合物は核膜の小孔を通って核に到達し、特定のDNA部分(メタロチオネイン感受性エレメント)に結合して、メタロチオネインとのKR都合が誘導される25)。高い核親和性によって、新しく合成されたメタロチオネインは金属とキレート化合物を形成する。メタロチオネインはこのように実際に水銀や他の重金属、フリーラディカルの解毒に寄与する。メタロチオネインの核親和性は還元型グルタチオン(GHS)によって保たれている。メタロチオネインの十分な機能的代謝の前提には、GHSまたはその前駆物質であるL−システインの十分なデポ(蓄積)が必要となる。慢性的な有害物質負荷のような酸化的ストレス下では、このグルタチオンデポが消費し尽されてしまう。グルタチオンの収支の概要を図1に示した。


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