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ヒト社会の特別性

1NAN:2008/03/25(火) 09:44:25 ID:162zyN2E
【自然科学的ではない存在とは何か?】スレッドから派生した『ヒトの社会は特別である論(by雄)』について考察するスレッドです。
本来、私が立てるべきスレッドではないのかも知れませんが、上記スレッドで議論を続けることは本来の議論の妨げになることが懸念されるので、別にスレッドを立てました。

また、勝手ながら雄氏の発言を当スレッドの冒頭に再掲させていただきます。

【人間特別論】

>「人間特別論」がぷんぷん匂う、腐臭漂う発言だね。


折角の機会ですから少し立ち入ってみます。しかしその前に………、

>>58;)でも述べておきましたが、自然科学では実在的な対象を観察したり実験に掛けたりすることで、一定の決着を得やすい。
しかし考え方の問題、哲学とか、或いは実験が難しい社会科学などで見解の違いは当たり前のことです。哲学は2500年に渡って論争しているし、社会に於ける見解の違いは日本の国会を見れば一目瞭然です。

元々「動物社会(群れ)と人間社会」については、NANさんにではなくdiamonds8888xさんへのコメントとして述べたものですが、その際に私は上記の事情を勘案して、(>>51;)の冒頭で、「次のような見方は如何でしょうか?」として、一つの視点の紹介と言う形を取っています。
つまり、当然異論があり得るだろうな、と言うことを前提にしています。
しかしそれでも、diamonds8888xさんやカクレクマノミさんとは、見解の違いは違いとして保留し、自分に無い視点を提供して貰える等、建設的な議論ができるものと期待して書き込んでいます。

NANさんが、私の主張に常に反発するのは承知しているし、トンデモだと判断するのは勝手だと思うけれども、私からすれば「自分はこう思う」とだけ言えばそれで済むのになと、いつもながらNANさんの戦闘性には感心させられる「今日この頃」。
それに私も1000に3つ位は正論を吐くことも有る訳で、後先検証もせずにこうも反射的に反発していると、後で自分自身矛盾を来たすことが無いのかと心配したりするのですが、まっ、これも余計なお世話でしたね。

と言うことで今回の書き込みも一つの個人的な見方、としてご理解下さい。


「人間の特殊性」ですが、やはり私は人間は特殊だと思っています。しかしそれは(>>51;)の最後でも述べているように、人間の神聖化などとは無縁の、「社会的存在」としてです。

例えば進化生物学などに一切無縁の、先入観の無い子供に、「人間と動物や植物は、同じ仲間だと思う?」と聞いた時、どう言う反応をするか?
同じく一切の先入観の無い宇宙人が地球に飛来して初めて見た時、最初に人間と他の生物との共通性を認めるか、或いは違いを最初に感じるか?
おそらく他の動物などしばらくは視野に入らないんじゃないかな。まあ飛来した場所によるけど。

あなたは、ニューヨークや品川の高層ビルで働くビジネスマンを見て、或いは眼下に広がるメガポリスを見て、そこに森の中のサルとの共通性を常に実感していますか?

理屈はさて置き私の素直な実感としては、やはり人間の特殊性を感じます。つまり感覚します。
そしてその上で、ではこの違いはどこから来るのか?、或いはその違いの中に底流としての共通性はどこに有るのか? を考えます。

2NAN:2008/03/25(火) 09:45:38 ID:162zyN2E
今、日本人の土井たかおさんが宇宙ステーションの組み立てに当たっていますが、無重力・真空の宇宙空間に滞在するなどは、どんな鳥であってもその生物としての特質の延長、量的な違いで絶対に出来ることでは有りません。私はそこに人間だけの飛躍を見ます。それも個人ではなく社会的な知識・技術的集積を。

ヒトの個体ごとの知識や技術・経験を、集団全体が共有し、蓄積出来た主な要因は言葉と文字でしょう。
又月や宇宙空間にまで足を伸ばすことが出来たのは、道具の発達でしょう。
道具は身体器官の延長・代用ですが、その進化に遺伝子の変異を必要としません。社会の知的・技術的集積に応じ限りなく発達させることが出来ます。
それが生物としてはチンパンジーと殆ど同じ連続性を持ちながら、これだけの違いを生み出した要因だと思っています。

ある種の恐竜が前肢を羽根に変え、空を飛ぶまでにどれ程の時間を要したか私は知りませんが、人間はライト兄弟の初飛行から僅か100年ほどの間に、宇宙に届くまでにその「羽根」を発達させた訳です。これら一切合財が人間の社会であり、その進化・発達の過程でしょう。
私はその人間の社会が、動物の群れ、昆虫社会の単なる延長、量的な違いだけだとはどうしても思えません。やはりそこに飛躍を感じます。

>>58;)でも述べたように、若し同じものであるなら人間の社会に、ダーウィンの淘汰の理論を適用して何の問題も無い筈です。
そもそも「社会ダーウィニズム」などと、特別の概念を用意して区別する必要も有りません。

「人間の特殊性」は、NANさんの投稿を見るまでも無く、進化生物学陣営であまり評判良くないようです。
「進化に目的は無い」「人間が進化の頂点であるとか、だから神聖だとするのは間違いだ」とする、それ自体は真理である進化生物学の命題がまず先に有って、頭の中での枠組みで現実を理解しているように、私には思える訳です。一種の慣用句になっているような感じさえします。
上記したように、子供の目で素直に現実を見た時、私にはやはり人間は特殊なものに映ります。
進化生物学者の間でも、長谷川真理子氏などは、勿論私とはニュアンスは違いますが「遺伝子と文化子」と言うような形で「連続と飛躍」を、ある程度認める立場のように受け止めています。

3NAN:2008/03/25(火) 09:47:39 ID:162zyN2E
失礼。>>1および>>2は『自然科学的存在とは何か』スレッドの>>61、雄氏による発言です。
注釈を入れなかったことについてお詫びします。>雄氏

4NAN:2008/03/25(火) 11:14:03 ID:9uBWM7P6
それでは議論に入ります。

まず「ニンゲンの特殊性」という観点について。
誰もが、無論私も含めて、皆ニンゲンである以上自らを特殊化(ユニークな存在、唯一の存在)と感じ、考えることについては、実に自然で普遍的な「世界の感じ方」である、と私も思います。そもそも、自分にとって自分が特別でないわけなどなく、その拡張である「種全体」を自己の投影として感じ、ニンゲンそのものを特別に感じることは無理のないものです。

では、なぜ自分を特別だと感じるのか?
たとえば痛覚、味覚、触覚などの五感について、他人が感じたものを直接知覚することはできません。五感や感情、情緒や思考というものを直接に知覚できるのは、当の本人=自己に限られます。この「主観」が唯一のものである以上、自己を「ユニークな存在」と感じることは極めて自然であり、統合失調症で現れる「無自己感覚」はこの部分に重大な障害が併発した例と云えるのでしょう。

>例えば進化生物学などに一切無縁の、先入観の無い子供に、「人間と動物や植物は、同じ仲間だと思う?」と聞いた時、どう言う反応をするか?
>同じく一切の先入観の無い宇宙人が地球に飛来して初めて見た時、最初に人間と他の生物との共通性を認めるか、或いは違いを最初に感じるか?

子供の場合は、知識がなければ動物は動物で、植物は植物だ、と答えるでしょうね。
宇宙人の場合、宇宙人という仮定の仕方によります。炭素型生命をすべて同類とするケースも、物質型生命をすべて同種とするケースも(データ生命だってSF的には同じく)想定できるし、ヒューマノイド型ではない地球型生命もあり得る。ただ、なんらかの(地球的)科学技術によって宇宙を飛来して来た存在であれば、ヒトと他の動物に違いはないことを「知っている」でしょうね。

問答において、私は「子供の視点」では主観的に、「宇宙人の視点」では客観的に答えています。
ヒトは自己をユニークな存在であり、特殊な存在であると感じることは当然ですが、同じことは、犬にも、バクテリアにも、石にも、酸素原子にも「云えるかも知れない」という面があります。無論、酸素原子にヒトと同じ五感や思考はないでしょう。しかしそれは、比喩であることを忘れないで欲しいものです。つまり、あらゆる存在は自己を特殊だと感じ得るはずだ、ということです。

>あなたは、ニューヨークや品川の高層ビルで働くビジネスマンを見て、或いは眼下に広がるメガポリスを見て、そこに森の中のサルとの共通性を常に実感していますか?

私はクリエイターですので、自分の仕事や「創造」という概念にロマンを抱き、夢想し、追い求めています。だから、壮大な建築物とそれを支える発想や技術というものに畏敬の念を抱き、大事にしています。しかし、まったく同じ感覚は森林にも、河川にも、二酸化炭素分子にも、宇宙全体にも持っています。また、森の中のサルであろうと動物園のサル山のサルであろうと、なんてヒトと似ていて、同じような生物なのだろう、と感嘆します。
私は犬や猫、その他の動物と長く暮らしていますが、彼らの行動には、ヒトそのもの、もしくはヒト幼児と酷似した仕草や反応を示すことが多々あることをよく知っています。繁殖期のネコや、発情したオス犬がなんとヒトに似ていることか。オランウータンの子供が差し出す手とその温もり、柔らかく握ろうとするその握力に、なんらかの「ヒト的な」感情がこもっているであろうことを感じずにはいられません。

5NAN:2008/03/25(火) 11:14:28 ID:9uBWM7P6
>今、日本人の土井たかおさんが宇宙ステーションの組み立てに当たっていますが、無重力・真空の宇宙空間に滞在するなどは、どんな鳥であってもその生物としての特質の延長、量的な違いで絶対に出来ることでは有りません。

同じニンゲンの一員として、宇宙で活躍するヒトを尊敬し、その動向を応援しているのは当然のことです。
しかし、ttp://home.hiroshima-u.ac.jp/forum/29-5/jityo2.htmlこれは深海生物を紹介する書籍についてのリンクですが、硫化水素やメタンを「食べる」チューブワームなる存在(生命)さえ地球にはある。コウモリやイルカのソナーだとか、エコー・ロケーションなど、いや、イルカにいたっては水の抵抗を制御し得る(と云われている)皮膚のメカニズムなど、驚くべき生命機能があることと、ヒトの科学技術との間にそれほどの差異があるとは思っていません。

よく、ヒトは凄い文明を発達させた、だから素晴らしいという主張を見ます。これについて、私は「ヒトの一員として」無論同意しますが、「客観的存在」として自分を捉えるときには、少しも同意しません。ヒトは文化や文明を得て、なにを得たのか?可能性?それは正の面もあれば負の面もあります。ヒト的知能を発達させることは、なにかを「所有する」ことにほかなりませんが、なにかを所有するということは、それを「守る」という重大なジレンマと戦い続けなければならないことを意味します。無重力空間に出たがるのもヒトですが、銀行強盗や通り魔殺人を行うのもヒトで、金が欲しくてヒトを殺すのはヒトだけの特質ですね。

「飛躍」を感じるのは当然のことです。しかしその、自己賞賛や肯定が、どんな場合にも正当化されるのかどうか?そこがポイントです。飛躍を感じることと、自然科学的な視点においてヒトが進化から飛躍しているのかどうかを検証することは、まったく次元の異なることです。自分が飛躍を「感じる」からと云って、それを基点にサンプルを集めるという行為は、バイアスに支配された検証になります。もっとも、ある理論の提唱者のそれは必ずそうなるであろうことは否めません。しかし、自説の正しさを検討するのは自分ではなく、他者による評価です。

>若し同じものであるなら人間の社会に、ダーウィンの淘汰の理論を適用して何の問題も無い筈です。

既に「自然科学的ではない存在とは何か?」スレッドの>>58には反論を述べているので再掲はしませんが、「社会」に進化は適用されません。進化の単位は個体であり、遺伝子です。ヒト個体は、社会と相互作用し、その反応として生活を営みますが、それは生物進化そのものではありません。社会にダーウィンの自然淘汰を適用するという「発想自体」が根底から間違っています。また、科学的理論がヒトの行為を正当化することもありません。ヒトはヒトによって正当化されたり、処罰されるのです。

6AH1:2008/03/25(火) 12:57:26 ID:sNMJ1V0Y
ちょいと思い出したことを。
知り合いの霊長類研究者が動物の「知恵」について、
「賢いってのは凄い事じゃないんだ、何にもできない貧弱な体を補うために、せめてアタマを使うしかなかったんだ」
と言っていたことがあります。
「生存して子孫を残す」ことを「どのようにして実現するか」の部分は種によって違うわけで、人間の場合は「でかいアタマ」なわけでしょう。それは人間の特異性なのだけれど、しかし、それが「サルの政治的知恵」「カラスの社会性」「鳥の巣造り」「カリバチのナビゲ−ション能力」「コクヌストモドキの擬死」などとどれ程違うのか?は考え出すとグダグダになりそうな悪寒。

7AH1:2008/03/25(火) 13:33:23 ID:sNMJ1V0Y
で、本論の方。本当は「自然科学的でない存在とは何か?」の方につけるべきレスかもしれませんが、こちらに移動しておられるので。
雄さん、NANさん双方の御意見を聞いていて、どっちもうなずきつつ、どっちもよくわからない。

社会ダーウィニズムについては以下のような理解で宜しいでしょうか。

・生物の世界は「適者生存」である
 (ここでいう「適者生存」は「弱肉強食」に近いニュアンス)
・すなわち、劣ったものは優れたものによって淘汰される

ここまでは生物学っぽい

・我々が適者である
・よって我々は劣ったものを排除すべきである
・なぜならそれが自然の摂理だからだ

これは選民思想であり、「我々は神に選ばれしもの」と同じパターンですね。しかも優れたとか劣ったとかを自分に都合の良い尺度で計っている。おまけに「自然の摂理だから**すべき」もしくは「しても当然」という言い訳つき。
ダーウィニズムと生物としての同類性を言い訳にして、自分たちがどこまでも勝ち続ける「勝ち組のユートピア」を作ろうとすると社会ダーウィニズムになる、ということかと思います。

そうすると雄さんの「飛躍を認めず、低次の生物進化の法則で理解しようとする」もNANさんの「飛躍を認めてニンゲンを特別視し」もなんとなく違和感があるのですが。
確かに社会ダーウィニズムには「我らこそ適者、我らこそ特別」という差別化の臭いはプンプンするんですけども、「生物の摂理である進化」をそのままアプライしようとしたという点で「飛躍を認めていない」と言えるのでは?(単なる言い訳として使ったにしても)
その一方で、
>若し同じものであるなら人間の社会に、ダーウィンの淘汰の理論を適用して何の問題も無い筈です。
はまさに社会ダーウィニズムの問題点そのものでしょう。理論として正しいことと、適用してよいかどうかは全く別問題。例えば省エネという観点からすれば延命治療などもってのほかですが、人工呼吸器を外せば殺人です。問題は人間の社会がケダモノと同じかどうかではなく、「我々がその行為を正当だと思うか、やっちゃいけないと思うか」じゃないのですか。

8NAN:2008/03/25(火) 18:09:58 ID:9uBWM7P6
>>7:AH1さん

リンクを再掲します。
ttp://www.toshiba.co.jp/elekitel/special/2002/03/sp_02_a.htm
これは河田雅圭さんのコラムです。

確かにAH1さんの指摘はもっともです。
では、私はなにをもって「飛躍を認める(=ニンゲンだけを特別扱いする)」ことを否定しているのでしょう。
まず、ヒトも生物である以上、社会ダーウィニズムなどとは関わりなく、最初から進化の影響を受けています。そういう意味において、ヒトにもダーウィニズムが適用されて「いる」ことは当然であり、このような理解のもとで「ヒトも生物進化の一環にいる」という主張であるのなら、ヒトを特別視したり、飛躍を認めているとは云いません。

しかし、私が指摘しているのは、かつての社会ダーウィニズムというものは「目的論」や「前進的進化」を生物進化の本質と捉え、すべての生物は「ヒトと云う究極の存在に向かう」とする思想のもとに提唱されたものだった、ということです。無論、ダーウィンはこのような生物進化のメカニズムを否定していましたから「社会ダーウィニズム」という呼び方自体に誤謬があることが分かります。さらに、社会ダーウィニズムが目指したものは、資本主義社会においても共産主義社会においても「理想の社会〜より良い社会」でした。つまり、弱者を排除し優れた者を選別することで良い社会が実現できる、なぜなら進化生物学でそう証明されているからだ、という主張だったのです。

ヒトを他の生物より高度(高次)な存在だと考え、それではさらに「ヒトの中でより優れたヒトを選ぼう」という思想の根底にあるものは、連続からの飛躍に他ならない、と私は思うのです。だからこそ、ヒトが「自然科学的に他の生物より高度で特殊である」ことを認めることは、社会ダーウィニズムという誤謬へ繋がる糸口になる、と考えるのです。

また、
>・生物の世界は「適者生存」である
 (ここでいう「適者生存」は「弱肉強食」に近いニュアンス)
>・すなわち、劣ったものは優れたものによって淘汰される

上記は本当に生物学っぽいでしょうか?恐らく私よりはるかにAH1さんは生物進化について詳しいと思いますが、適応というのは結果であり、優れた個体が劣った個体を「駆逐(淘汰)」するわけではなく、生き残った個体群を指して「適応している」と評価するのが妥当ではないでしょうか。
以上の流れによって、

>>若し同じものであるなら人間の社会に、ダーウィンの淘汰の理論を適用して何の問題も無い筈です。
>はまさに社会ダーウィニズムの問題点そのものでしょう。理論として正しいことと、適用してよいかどうかは全く別問題。

については、違う、と私は思います。
ヒトは生物であり自ずと突然変異や自然淘汰の影響を受けています。医療の発達によって繁殖機会に対する生存確率は飛躍的に上昇しましたが、それでも致命的な変異は生存不能であり、繁殖機構に欠損のある個体は子孫を残すことができません。ところが社会ダーウィニズムの思想は、最初から影響下にある自然淘汰のメカニズムのその上に、人為淘汰を施すことを正当化しようと「誤った解釈にもとづく生物進化理論」をアプライしようとしたものです。
つまり「爆弾を作る理論とそれを使う倫理」と、社会ダーウィニズムの間にはかなりの落差があるのです。

9NAN:2008/03/25(火) 18:35:53 ID:9uBWM7P6
「飛躍の否定」の補足。

>ある種の恐竜が前肢を羽根に変え、空を飛ぶまでにどれ程の時間を要したか私は知りませんが、人間はライト兄弟の初飛行から僅か100年ほどの間に、宇>宙に届くまでにその「羽根」を発達させた訳です。これら一切合財が人間の社会であり、その進化・発達の過程でしょう。
>私はその人間の社会が、動物の群れ、昆虫社会の単なる延長、量的な違いだけだとはどうしても思えません。やはりそこに飛躍を感じます。

たとえば上記には「進化」を「進歩」の意味で使う誤謬が見受けられます。
仮に、社会ダーウィニズムという思想が、正しくダーウィン進化論や統合説を理解したものであるならば、進化の方向性が必ずしも「お望みの場所」へは向かわないことを承知していたはずです。ところが「ヒトが他の生物とは断絶された、飛躍した高度な存在である」ことを前提とするとき「進化とはヒトへ向かう進歩である」ことを主張していることになる、と私は指摘するのです。

無論、アリの社会とヒトの社会は量的にも質的にも異なるものです。それは生物としてのヒトとアリが、オランウータンに比較して遥か以前に分岐したものであることに由来するでしょう。アリが「進歩して」ヒトにわるわけではありません。だから、ヒトの社会が昆虫社会の延長や連続であるはずもありません。しかし「収斂」という、これもまた巨大なメカニズムによって、まったく別種の生物が似たような群れを作ることは生物進化の説明の中に含まれています。

10AH1:2008/03/25(火) 19:00:32 ID:sNMJ1V0Y
>しかし、私が指摘しているのは、かつての社会ダーウィニズムというものは「目的論」や「前進的進化」を生物進化の本質と捉え、すべての生物は「ヒトと云う究極の存在に向かう」とする思想のもとに提唱されたものだった、ということです。

はい、NANさんがこの点を指摘して、「ダーウィニズムの名を冠してはいるが、そもそも間違い」と御考えなのはわかります。
社会ダーウィニズムと呼ばれるものは、当時は正しいと考えられたが現代の目で見ればちょこちょこ間違った理解(理路というより理解、解釈というべきか)に立脚しているか、
あるいは進化理論のうちインパクトのある、そして都合の良い部分だけを継ぎはぎして作られたものと言えるかもしれません。
ただ、当時の社会ダーウィニストが『「目的論」や「前進的進化」を生物進化の本質と捉え、すべての生物は「ヒトと云う究極の存在に向かう」』と考えていたのであれば、それはそもそも間違った観念であるけれども、『ヒトもまた生物進化の本質である「目的論」や「前進的進化」に駆動されて「さらなる究極の存在に向かう』と考えるのは、やはり飛躍ではなく(都合の良い)連続性の仮定と呼べるのではないか、というのが私の疑問です。いわばニンゲンと動物における斉一説でしょうか。

>ヒトを他の生物より高度(高次)な存在だと考え、それではさらに「ヒトの中でより優れたヒトを選ぼう」という思想の根底にあるものは、連続からの飛躍に他ならない、と私は思うのです。だからこそ、ヒトが「自然科学的に他の生物より高度で特殊である」ことを認めることは、社会ダーウィニズムという誤謬へ繋がる糸口になる、と考えるのです。

連続なのか飛躍なのか、ちょっと私の感覚では納得ゆかない部分がありますが、御考えはわかりました(なんだか断続平衡説論議みたいですが)。恐らくNANさんが問題視されているのは、私が「選民思想」と呼んだ部分であるかと思います。

>上記は本当に生物学っぽいでしょうか?

仰る通り、現代の目で見れば必ずしも正しくないと思います。当時、社会ダーウィニズムが援用し、「生物学的必然」と言い包めようとしたのはこのような理解だろうか、という意味です。

>適応というのは結果であり、優れた個体が劣った個体を「駆逐(淘汰)」するわけではなく、生き残った個体群を指して「適応している」と評価するのが妥当ではないでしょうか。

この点については私自身がまだ消化しきれていません。何か書けそうなら改めて投稿させて頂きます。
ただ、恐らく当時の社会ダーウィニストは、自分たちの階級なり立場を「既に適応した種」と見なしていたであろうとは思います。これを先程は「勝ち組」という言葉で表しました。

>以上の流れによって、
>>>若し同じものであるなら人間の社会に、ダーウィンの淘汰の理論を適用して何の問題も無い筈です。
>>はまさに社会ダーウィニズムの問題点そのものでしょう。理論として正しいことと、適用してよいかどうかは全く別問題。
>については、違う、と私は思います。

NANさんが社会ダーウィニズムの理論とされるもの自体の誤謬を追求しておられる、という点は納得しました。
私が言おうとしたのは、仮に社会ダーウィニストが進化論を正しく理解していたとしても、「淘汰される奴に同情する必要などない」という観念はやはりおかしくはないか、という部分です。もちろん同じ事をNANさんが述べておられますので蛇足とも言えますが。

>ところが社会ダーウィニズムの思想は、最初から影響下にある自然淘汰のメカニズムのその上に、人為淘汰を施すことを正当化しようと「誤った解釈にもとづく生物進化理論」をアプライしようとしたものです。

個人的には、社会ダーウィニズムにはその程度の厳密性さえもなかったのではないか、単に弱者を切り捨てるための耳ざわりの良い言い訳として、その時代の空気に合っていたという以上の意味はないのではないか、と考えています。そのために社会ダーウィニズムの主張する理論についての吟味がおろそかになっているかもしれません。その点、不勉強をおわびします。
恐らく当時は生物であれ人間社会であれ「全ては進歩する」という誤った解釈があったでしょう。それは誤りなわけですが、仮に誤りでなくともやっぱり問題なんじゃないかと思いますし、私が社会ダーウィニズムに感じる無気味さや無慈悲さも、そこが理由ではないかと感じています。

11AH1:2008/03/25(火) 19:07:55 ID:sNMJ1V0Y
ところで、社会ダーウィニズムの信奉者に「ではニンゲンは動物と同じか?」と聞けば、
顔を真っ赤にして「いや、ニンゲン(というか、その一部である我々文明人)はもっと高度なものだ!」
と言い出しそうな気もしますね。劣った社会、劣った人種(とレッテル貼りしたもの)すら嫌った人々が、サルやネズミと比べられるのが平気とは思えない。

「生物学的真理たる進化=連続性、斉一性」と「自分たちの絶対的優位性=断絶性」を都合良く使い分けるダブスタな奴ら、とも言えるかもしれません。
(ちょっと個人的な好悪が入ってるかもしれませんが)

12diamonds8888x:2008/03/29(土) 08:10:11 ID:47KDahkU
 雄さんは色々とヒトが他の動物とは違う点を挙げましたが、それらをもって「人間は特別に高等で他の動物は劣っている」と言っているようには感じられませんでした。もしかしてNANさんはそれを感じられていたのではありませんか?

 ヒトが他の動物とは違う点は多々あるのは確かで、それを飛躍と感じるか連続と感じるかは主観的問題のような気もします。もっとも現在見られるそのような違いの起源を科学的に解明しようとすれば、連続と仮定するのが本筋ではあるでしょう。

 ところでちょっとNANさんに突っ込みですが。

>無重力空間に出たがるのもヒトですが、銀行強盗や通り魔殺人を行うのもヒトで、金が欲しくてヒトを殺すのはヒトだけの特質ですね。

 ヒト以外の動物は金が欲しくて殺すことはないでしょうが、なわばりや配偶者のためなら殺すことが明らかになってきたことは御存知だと思います。無重力空間に出たがることはないかも知れませんが(というかそんな場所の存在さえ知らないから出たくても出られないでしょうけど)、ちょっと違う場所に行きたいという欲望はありそうです。

 通り魔殺人てのはどんなもんかは問題ですが、普通の欲望に基づくものではないちょっと異常な殺人だと考えてみます。これは複雑な人間社会独特のストレスから来るのかも知れませんが、なら、動物も同じ環境にさらされれば通り魔殺人的行動も取りうるかも知れませんよ。

 動物に殺人(同類殺し)が少ないのは、そもそも手段が少ないことが大きいでしょうね。

 >>>だから殺人にしか使えないような道具を野放しにしてはいかんのだ!

13NAN:2008/03/29(土) 21:20:13 ID:9uBWM7P6
>>12
本人が固辞(笑)していますから、あまり噂話はしないようにしますが…
>それらをもって「人間は特別に高等で他の動物は劣っている」と言っているようには感じられませんでした。もしかしてNANさんはそれを感じられていたのではありませんか?

本人の明確な宣言、「ついには人間へ」だとか、ヒトが飛躍した存在であることのリフレインなど、それらが他の動物と比較した「優劣」とは私も読み取りませんが、ヒトがほかの生物種から「飛躍した生物である」ことをはっきり明言していますからねぇ。
一方、私はヒトの「ユニークさ」を認めていますが、それはどの生物種も同じようにユニークであるという意味に於いてです。また、どんなにユニークであっても、生物の連続性の中から少しも逸脱していないもの、と認識しています。ヒトは特殊ですが、他の生物も十分に特殊で「ヒトだけが」特殊なわけでもなんでもないでしょう。

>ヒト以外の動物は金が欲しくて殺すことはないでしょうが、なわばりや配偶者のためなら殺すことが明らかになってきたことは御存知だと思います。

もちろん、存じています。
しかし金は、なわばりでも配偶者でもありません。抽象化された資産情報です。

>これは複雑な人間社会独特のストレスから来るのかも知れませんが、なら、動物も同じ環境にさらされれば通り魔殺人的行動も取りうるかも知れませんよ。

まず第一に、人間以外の動物種を「人間とまったく同じ環境ストレス」に晒すことは不可能でしょう。ライオンを社長にしても、ヒトの社長が感じるストレスと同質のものをライオンは感じないでしょうから。
次に、「異常で無差別な同族殺し」ということでしたら、狂った状態の動物であれば、行うかも知れません。
しかし殺人者の大半は「ヒトを殺す」ということ以外、かなり正常な精神構造をしていることが犯罪心理研究などによって確かめられています。生きるためでも、食うためでもなく、正常な心理状態の中で「好奇心」や「殺人願望」や「解体欲求」から同族を、しかも可能な限り殺傷する特性はヒト独自ではないでしょうか。

ただし、雄氏の主張する「ヒトの飛躍」は、今後のヒト社会、それもそう遠くない未来に於いては現実のものとなる可能性が高いであろう、という認識は私にもあります。それは以下の点に於いてです。
1:クローニングによるヒト個体の複製や欠損器官の再生技術などの実現→それが本当に可能なのであれば。
2:映像・音声情報に加えて、五感をほぼ網羅したサイバー世界におけるセックスの実現→下手したらリアル生殖行為の大衰退が起きる。
3:遺伝子デザインの実現→ポスト優生学の台頭となりそうだけど、それは進化の袋小路とは云わないのだろうか。

最後に、リン・マーギュラス&ドリオン・セーガンによる「性(セックス)とはなにか」から一説を紹介します。
p.261
『色眼鏡なしでみれば、あらゆる生物は超生物である。その一番身近な例はあなたである。何十億という細胞を37.5℃に安定に保つ温度調節体である。菌類も、それより大きい微生物も、社会性昆虫も、そしてげっ歯類でさえも、集合体としてのみ存在するメンバーからなる生活単位をつくる。いまや、われわれ人間は社会というものから、たがいの連絡を絶たれるか、われわれの機械を断線されたら、生き残ることが不可能なほど相互依存度の強いグループへと重大な一線を越えようとしている。』

ヒトというものは、まるで自ら望んでテクノロジーを発達させたり、機械を作ったり、ネットワークを発達させたり、その他科学というものや文化というものを組み立ててきたかのように表現されがちですが、果たして、本当にそうでしょうか。無論、個別の努力…たとえば飛行機を作って飛ばそうという試みには明確な目的意識という意思があります。しかし、それが「ジンルイの総意」であるとか、「ヒトの目的」であるかどうかについて、肯定することはおそらくできないでしょう。すべては個別の、いわば生物進化と良く似たランダムな変異と淘汰の繰り返しです。

ところが振り返ってみると、それらはいつの間にか結合し、組織化されたり構造化されたりして、大きな「より高次の」なにかに変質しているかのように見えることがある。しかも統一された「意思」などというものは、皆目見えてこない。互いに「生存のための奮闘」と似たような試みを勝手に行った結果が、たまたま「適応した」かのように見えることと、実に似ているように感じる。そういう意味に於いて、アリが個体ごとに奮闘した結果、まるで「アリの巣(コロニー)」全体があたかもひとつの「超生物」のように振舞うことと…あくまでこうした視点においては…ヒト社会もおおよそ同じなのではないでしょうか。

14diamonds8888x:2008/04/02(水) 05:57:36 ID:47KDahkU
>>13
>どんなにユニークであっても、生物の連続性の中から少しも逸脱していないもの、と認識しています。ヒトは特殊ですが、他の生物も十分に特殊で「ヒトだけが」特殊なわけでもなんでもないでしょう。

 私もそういう認識です。ただ具体的にある特質がどれだけユニークと感じるかは、人により異なる主観的なもののようですね。確かに地球上で物が自在に扱えるほどに鼻がのびたのは象しかいない。
 いえ「ヒトだけの特質ですね」と書かれたのがNANさん自身の主張とは異なるように見えたものですから。で、それら3つの特質、無重力空間に出たがる、銀行強盗や通り魔殺人を行う、金が欲しくてヒトを殺す、について、生物の連続性として考え得る仮説を出してみたのです。

>しかし金は、なわばりでも配偶者でもありません。抽象化された資産情報です。

 欲しい物という点ではなんら変わりないと思います。紙幣というものが食物に変えられることを理解すれば、動物も紙幣をめぐって争うでしょう。きれいな小石や羽根をめぐって争う鳥のように(えーと、名前を忘れました)。

> まず第一に、人間以外の動物種を「人間とまったく同じ環境ストレス」に晒すことは不可能でしょう。ライオンを社長にしても、ヒトの社長が感じるストレスと同質のものをライオンは感じないでしょうから。

 まあ「まったく同じ」というのは人間同士でも不可能とも言えますから、ここは何を持って「同じストレス」とするかが難しいので保留です。

>正常な心理状態の中で「好奇心」や「殺人願望」や「解体欲求」から同族を、しかも可能な限り殺傷する特性はヒト独自ではないでしょうか。

 ここもヒトの殺人者の心理に詳しいわけではないので保留です。ただ前のレスの最後でも触れましたが、たとえ「殺人願望」があっても有効な手段がほとんどないことが、多彩な道具を持たない動物達の実行を妨げている可能性はあり得ると思います。相手がよほど弱くないとリスクが大きいですし、弱い相手は逃げ足や警戒心が強いでしょうから。まして大量殺人の実行など論外でしょう。例外的に子供相手の場合は実行しやすいので、比較的自然にも見られる例がある、ということもありますし。

>雄氏の主張する「ヒトの飛躍」は、今後のヒト社会、それもそう遠くない未来に於いては現実のものとなる可能性が高いであろう

 これ以降の壮大な考察には、多々感銘するところがあります。雄氏の主張との重なりはよくわかりませんが。

15diamonds8888x:2008/04/02(水) 06:19:45 ID:47KDahkU
 「殺人願望」や「解体欲求」というのも言葉としてはよく聞きますが、心理学的、科学的にどこまで解明されているものなのか知らないのです。あるにしても発生率としてはごく希で、ヒトは個体数が多いためにそういう心理を持つ個体もいる(らしい)という認識です。しかも実行に移されると目立ちますから。
 野生動物がそんなものを持っていたら生きていけないような気もしますが。

16AH1:2008/04/02(水) 13:02:18 ID:sNMJ1V0Y
ヒトの特質とはいささか違うかもしれませんが、例えばネコのような捕食者が獲物を「いたぶっている」ように見える行動や、
人を襲ったクマが「スイッチ入っちゃって」被害者を噛み裂くような例を考えると、
動物が常に冷静とは言えないようにも思います。
(ツキノワグマは捕食者とは言えないのですが、人を襲った場合、かなりひどい損壊を加える場合があります)

17AH1:2008/04/02(水) 13:09:05 ID:sNMJ1V0Y
あれ?切れてしまった。
また同族に対してであっても、相手が逃げ切れない限り徹底して攻撃を加える例はあります。
ローレンツはクジャクやハトの例を挙げていますが、例えばその辺にいるカラスでも
劣位個体を袋だたきにする例があります。
恐らく、ヒトであれ他の動物であれ、捕食行動や順位争いにまつわる「原動力」として保持している情動が原因ではないか、
と夢想するのですが。
人間については、ローレンツが書いているように、もともと致命的な攻撃力を持たなかったにも関わらず、
強力な武器を持ってしまった事が原因かもしれませんが。
(集団で殴り殺す、というような例もありますけどね)

18NAN:2008/04/06(日) 00:57:59 ID:QrHs74qA
>>14
>いえ「ヒトだけの特質ですね」と書かれたのがNANさん自身の主張とは異なるように見えたものですから。

なるほど、了解しました。
私が主張しているのは、ヒト「だけの特質がある」ことと、ヒト「だけが飛躍した存在である」ことの間には、なんの脈絡もないというこです。ヒトだけの特質がさまざまあることと同じく、他の生物にもその生物特有の特質・性質・傾向があることでしょう。
ヒトの文化文明的偉業を讃えることを導入部にして、ヒトにはヒト特有の器質があることを述べ、最終的に「ヒトだけが他の生物種と切り離されている」という主張を批判したものです。

>紙幣というものが食物に変えられることを理解すれば、動物も紙幣をめぐって争うでしょう。

ちょ、ちょっと待った(笑。
「理解」しますか?それはかなり比喩が過ぎませんか?無論、金が食糧獲得の手段になり得ることを理解すれば、他の動物も金のために殺すかも知れません。しかもヒトは、食糧を得る方法論としての金というより、もっと別な目的に基づいて金を得ようとする類例が多い、と思いますが。

>雄氏の主張との重なりはよくわかりませんが。

まったく重なりません。単に「飛躍するとしたらどういう状態なのか?」という考察をしただけです。

>>15
> 「殺人願望」や「解体欲求」というのも言葉としてはよく聞きますが、心理学的、科学的にどこまで解明されているものなのか知らないのです。

以前は心理学研究の書籍を多数保有していましたが、今は大半が手元にありません。犯罪心理学についての本は、図書館で借りてOCRしておいた資料があったはずなんですが…残念ながらHDDのどこかに埋もれているかしているようで、すぐには閲覧できませんでした。
ただ、総じて云えることは、心理学が純粋に自然科学であるとは云えないだろう、ということと、研究があるからといって、どれほどの信憑性があるものかを客観的に評価することは極めて難しい、ということです。それでもなお、殺人者、中でも突発的に通り魔的犯行を犯した者の精神状態が「異常である」という根拠には乏しいらしいのです。まぁ、異常な行動をしているのは確かなので、なにを以って正常と評価するかも難しいところですが、少なくとも論理的思考能力が失われていたわけではない、という根拠は多数あるようです。(だから裁判やって有罪にできるのですが)

もっとも、連続殺人犯の多くは「狂った」わけではないものの、ノーマルな嗜好とは違う「空想的世界」に埋没していた傾向はあるようです。ただ、私はなにを基準にヒト社会における「空想的世界」と「現実的世界」を隔てるのかについて、あまり信憑性の高い説明をできるとも思えません。(要は倫理に従いまっとうな社会人であれば正常というなら、それは刷り込みという錯覚に過ぎないのではないのか?など)

19NAN:2008/04/06(日) 01:10:22 ID:QrHs74qA
>>16
>人間については、ローレンツが書いているように、もともと致命的な攻撃力を持たなかったにも関わらず、
強力な武器を持ってしまった事が原因かもしれませんが。

自分で主張しておいてなんですが、スイッチ入っちゃうところまでは、捕食動物の多くはやると思います。たとえ同族に対してであっても。
知性という形質の特性には当然、興味や好奇心が含まれていて、それは食糧獲得と密接に結びつき、効果的な「殺し方」や「解体法」などを入手するために役立つのであろう、と考えられます。しかしいずれにしても、ヒト以外の生物種のそれは、個々の生存要求や社会的序列闘争、性淘汰による闘争などに端を発すると思えるのですが、純粋な興味と好奇心(科学的探究)から同族殺しを行うというのは、やはりヒトに限られるのではないのかな?と思うのです。たまたま、犯罪者(通り魔)の例示をしましたが…犯罪にはならないヒトゴロシが人類の歴史には多々刻まれていますよね。(戦争は除外したとしても、です)

元来的に、知性と云うのは血を好み、攻撃的な特質である、と私は思います。

20diamonds8888x:2008/04/06(日) 06:14:42 ID:47KDahkU
>>18
 特質と飛躍の違いですね。了解しました。このあたり、自分でも気づかずに混同することもあるのであやういことが多そうですね。

>「理解」しますか?それはかなり比喩が過ぎませんか?

 比喩のつもりではありません。知能の高い動物なら、紙幣でもコインでも貝殻でも、餌との関連づけを学習させることは可能だと思います。まあ、それだけの理解力のある生物は極めて少数派ですけど。
 それから、自然状態で「きれいな羽根や小石は異性を引きつける貴重な財産」と認識している(擬人的表現ですみません)鳥ですが、ニワシドリでした。NHKの「ダーウィンが来た」にも登場しましたが。
ttp://www.i-younet.ne.jp/~basaract/toriken42.html

 それと「人が金を求める目的」の多くも動物と共通な動機が根元にあるのでは?と言いたかったのです。共通とは言わないまでも連続的なものがあると。生きるため、配偶者を得るため、家族を守るため、などは共通ですよね。金をためること自体がおもしろい、とかなると動物には見かけにくいかも知れませんが、カラスがきれいな小石を集めたりするのはもしかしたら・・・。うむ、確かにちょっと空想が入っているかも。

> >雄氏の主張との重なりはよくわかりませんが。
> まったく重なりません。

 了解しました。

 犯罪心理の研究も難しいものなのですね。

21diamonds8888x:2008/04/06(日) 06:16:24 ID:47KDahkU
>>16
全くの想像で申し訳ありませんが。

 ネコのような捕食者が獲物を「いたぶっている」ように見える行動は、むしろ冷静な状態かも知れません。人が魚をさばく時のように、物としてしか扱っていないのではないかと想像します。

 人を襲ったクマが「スイッチ入っちゃって」被害者を噛み裂く場合は、恐怖のために多少狂っているのではと想像します。過剰防衛というやつですね。

> 相手が逃げ切れない限り徹底して攻撃を加える例はあります。

 そうですね。殺す意図は持っているのです。でも自然状態では逃げ切れるので、手段がない。

22AH1:2008/04/07(月) 11:21:00 ID:sNMJ1V0Y
マルチレスで失礼します。
NANさん
>純粋な興味と好奇心(科学的探究)から同族殺しを行うというのは、やはりヒトに限られるのではないのかな?と思うのです。

そうですね。確かになんとなく異質な感じを受けるのは確かです。ただ、この「異質」は「ヘンな感じ」という意味であり、本来の意味で「質的に異なる」かどうかはわかりません。

アブナイ話なのですが、自分自身が殺人者になる可能性を感じたことは、あります。恐らく、ごくごく冷静に、効率良く(もしくはわざと効率悪く)殺人を犯し、しかもそれが当然のことである、と思ってしまうのではないかと考えます。
この辺りはどう判断すべきなのかわかりませんが、「大事にすべき身内」の感覚・・・・逆に言えば「敵対する、場合によっては殺しても良い外部」との線引きの感覚・・・に依存するのかもしれません。

diamonds8888xさん
>ネコのような捕食者が獲物を「いたぶっている」ように見える行動は、むしろ冷静な状態かも知れません。人が魚をさばく時のように、物としてしか扱っていないのではないかと想像します。

動物行動学的に言えば、「動くものを反射的にひっぱたく」という刺激ー反応系があって、
相手が逃げると手を出す、押さえ込むと刺激がなくなって様子を見る、そこで相手が動くと再びひっぱたく・・というような行動かもしれません。
この時、捕食者は興奮しているような気がするんです。気がするだけですが(笑
(ここで言う興奮とはシューティングゲームにのめり込んでいるような状態を想像しています)
捕食者にとってはそういう興奮が狩りをドライブする一要因になっているような気が、ちょっとします。インセンティブ、と言えばいいんでしょうか。
そして、その感覚は我々も持っているのではないかな、とも思います。これも想像にすぎませんが。

23diamonds8888x:2008/04/08(火) 06:08:21 ID:47KDahkU
>>22
 捕食者にとっての狩りの興奮はありそうですね。

> そして、その感覚は我々も持っているのではないかな、とも思います。

 私にはあります。他の男性にも間違いなくあるでしょう。女性はわからない。ただ、実際に実行する狩りの対象は様々でしょう。仕事や遊びでの成功というのも、たぶん狩りの対象です。

24NAN:2008/04/08(火) 16:50:52 ID:Fi74ojRA
>>22:AH1さん

>そうですね。確かになんとなく異質な感じを受けるのは確かです。ただ、この「異質」は「ヘンな感じ」という意味であり、本来の意味で「質的に異なる」かどうかはわかりません。

はい、私もそう思います。まぁ今のところ、自説を完全否定する論拠も出ていないようなので「興味本位で継続的に冷静に同族を殺すのはヒトの特質なのではないだろうか」と主張したままにしておきましょう(笑。無論、反証されればいつでも撤回します。

>この辺りはどう判断すべきなのかわかりませんが、「大事にすべき身内」の感覚・・・・逆に言えば「敵対する、場合によっては殺しても良い外部」との線引きの感覚・・・に依存するのかもしれません。

たとえばマグロを捌くのにどうやれば最も効率よくできるのか、板前さんや漁師さんは実によく研究していますよね。当然、それがうまくできれば自分の利益になるからですが、どうもそれだけではなく、純粋に「楽しみ=向上性」だけを重んじてスキルアップに取り組む傾向はどんな事象にもあるだろう、と思います。このときもはや「マグロ=かつて生きていた動物であり食糧」という概念は抜け落ちていて、単純に「綺麗にバラすべき材料」と見ているのではないか?(私が包丁を持つとき、たいていそういう感じです)などと思うのです。

当然、状況が状況であれば…つまり「罪に問われない」シチュエーションにおいてであれば(場合によっては罪に問われるときでさえ)、ヒトがヒトに対して「材料視」することはあるのだろう、と…えげつない話ですが思っています。

まぁ「ヒトゴロシ」の話題は、ヒトは特殊だけど、他の生物も同じように特殊である、という本論の枝葉です。
向上心だとか、ギャンブル用語ですが「射幸心」なんてものによって、知性が暴走するケースを持つ「生物グループ」という区分けができるような気がしてきました。

25AH1:2008/04/09(水) 16:35:39 ID:sNMJ1V0Y
>>24
NANさん
>向上心だとか、ギャンブル用語ですが「射幸心」なんてものによって、知性が暴走するケースを持つ「生物グループ」という区分けができるような気がしてきました。

そうですね、子供がのめり込むように、興味を引く対象に対して興奮している(っぽく見える)動物は結構いるんですが、冷静な知能を同時に持っているのが妙といえば妙。
とは言えそれが他の動物に対してどの程度重要な「違い」かと言えば、重視すれば重要だしそうでなければどうでもいいような気がしますので、

>まぁ「ヒトゴロシ」の話題は、ヒトは特殊だけど、他の生物も同じように特殊である、という本論の枝葉です。

この点について全く同意します。


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