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トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録

57NAN:2006/08/30(水) 03:19:43 ID:Kjsf6b36
>以上高名な物理学者の見解です。いずれも量子力学が及ぼした世界観の変革がいかに大きいかということを物語っておりますね。それに対して生物学者がいまだに19世紀的な古典力学の唯物的世界観を信じているということが分かります。

はい、すでに他の方々から「はやしさんの主張のすべて」は潰されていますが、やっと「新しいことがひとつ」云えましたね。

ちなみにはやしさんが提示した「高名な物理学者たち」の修辞(論文や科学的主張ではなく、思想や信条に属する言明)は、どれも量子論の黎明期のものです。今、同様の「宣言」を行うひとはあまりいないでしょう。たとえば、スティーヴン・ホーキングは自著「ホーキング、未来を語る(アーティストハウス、角川書店)」の中(p.184)で以下のように述べています。

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DNAは自分自身のコピーを造るとき、らせんにそった核酸の順序をときどき間違ってコピーしてしまいます。たいていの場合、この誤りによってDNAは自分自身を複写できなくなるか、もしくはしにくくなります。そのため、このような遺伝子の誤り(突然変異と呼ばれています)は死に絶えるのです。けれどときどき、この誤り、すなわち突然変異によってDNAが生き残り複写を造る機会が増加する場合もあります。このような遺伝情報の変化は歓迎されるでしょう。これが核酸配列に含まれる情報が少しずつ進化し、複雑さを増した仕組みです。(図6-4)※図示されているのはリチャード・ドーキンス「盲目の時計職人」にあるバイオ・モルフ図の引用。     
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この本は2001年12月に初版が発行されています。ホーキングは、現役の物理学者であり、量子論と宇宙論をまたぐ物理学会の巨人であることは云うまでもないでしょう。そのホーキングは、量子論の最先端を追求し続けているのに関わらず、生物学、ことに進化の説明に関して「幽霊のような量子」だとか「量子論が出てきたばかりの頃の、誤解にもとづく実在性への懐疑(アインシュタインが行ったような)」を用いて、ダーウィン的進化論を批判したり、分子生物学者を馬鹿にしたりしません。それどころか、ドーキンスに対して敬意を込めているかのように、彼の図示したバイオモルフのグラフィックを自著に引用しているわけです。

さらに云うなら、ホーキングによる「DNA変異の説明」に、量子論的な説明は一切ありません。上記引用は、ダーウィニズムそのものであり、ホーキングは生物進化に関して量子効果を「いちいち」持ち出す必要がないことを示しています。

現在、たとえば脳の生理学において「量子的なふるまい」を検討すべきであることは知られています。また、あらゆる科学分野において、古典的な「決定論や機械論」が棄却されていることも広く知られたところです。ただし、量子論が示した「自然のあるがままの姿」とは、自然現象の根底にある「確率性」であって、洪水地質学のように「まるっきりあからさまに間違った説」を支えるものではありません。むしろ、自然の根底には確率という「幅」があるので、さまざまな「突然変異と自然淘汰」に代表される確率論的メカニズムが存在することを、強く示唆しているのです。

同様にして、ファインマンの多重歴史というアイディアは、粒子がA点からB点に到達する際に、考え得る「あらゆる経路(その中には因果律を破るような経路も含まれる)」を通る(ランダムである)が、大きな物体の運動においては、それぞれの「波」が互いに干渉しあうために打ち消されて(選択されて)しまい、残る経路は「必然的に」ひとつだけになる、というものです。これ、まさに「突然変異と自然淘汰」と同じメカニズムなのですが、はやしさんには理解できないのでしょうね。


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