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政府が「ブラック企業」の名前を公表!? 問題解決につながるか
(弁護士ドットコム)2013年5月27日(月)20:06
(続き)●公表にあたっては、「ブラック企業」の具体的な基準が必要となる
では、ブラック企業の公表はどのような形で行われるがよいだろうか。
「そもそも、『ブラック企業』という言葉そのものは、『悪徳企業』や『ならず者企業』と同じような抽象的なレッテルに過ぎません。
したがって、『ブラック企業の名前を公表する』と言っても、『どのような場合がブラック企業に当たるのか』といった具体的な基準が必要になります。とりわけ政府が発表するとなれば、誰もが納得できる、明確な基準が必要でしょう」
岩城弁護士はこのように指摘する。では、ブラック企業の具体的な基準はどのようなものになるのだろうか。岩城弁護士は、現時点で考えられるものとして4つの例をあげる。
(1)違法な時間外労働や時間外手当の不払いについて、労基署から是正勧告を受けたこと(労基法違反)
(2)労働者の死亡が長時間過重労働やパワハラなどによるものであったとして、労基署から労災と認定されたこと(過労死・過労自殺の労災認定)
(3)上司等が違法なパワハラ・セクハラを行ったことについて、裁判で会社の責任が認められたこと(労働契約上の債務不履行責任、不法行為責任)
(4)従業員に対して暴行、脅迫、傷害、逮捕監禁、強要、違法行為の教唆などを行ったことについて刑事事件として摘発されたこと(犯罪への関与)
「(1)〜(4)について、マスコミが自主的に取材して報道する場合は別として、政府や労働基準監督署(労基署)がこれらの事実を公表することはほとんどありません。もっとも、(1)のうち労基法違反が刑事訴追された場合に、労基署は公表することがあるようです。
しかも、(2)については、過労死を出した企業名について市民が労働局に情報開示請求をしたところ、労働局は「開示しない」との決定を行いました。これに対して、その不開示処分の適法性をめぐって現在、行政訴訟が行われています。
大阪地裁判決(2011年11月10日)は原告勝訴(不開示は違法)、大阪高裁判決(2012年11月29日)は原告敗訴(不開示は適法)と、まったく正反対の判決が下され、現在、最高裁の判断待ちとなっています」
このように実際の裁判を引き合いに出した上で、「自民党などが現在検討しているブラック企業名の公表の動きは、最高裁の判断にも大きな影響を与えると考えられます」と岩城弁護士は話している。
言葉が一人歩きしている感もある「ブラック企業」だが、きちんとした社会的批判を行うためにも、みんなで納得のいく基準を作ってみてはどうだろうか。
【取材協力弁護士】
岩城 穣(いわき・ゆたか)弁護士
1988年弁護士登録、大阪弁護士会所属。過労死問題をはじめ、労働・市民事件など幅広く活躍する「護民派弁護士」
事務所名:あべの総合法律事務所
事務所URL:http://www.abenolaw.jp/
弁護士ドットコム トピックス編集部
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