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学生はなぜ「ブラックバイト」にはまるのか 労働法に守られた権利を認識せよ
(東洋経済オンライン) 2014年12月10日(水)06:00
年の瀬の風物詩、クリスマスケーキ販売のアルバイト。大学生の鹿野史郎さん(20、仮名)は働いている店から「販売目標100個」のノルマを課された。頑張って何とか97個まで売ったが、3個だけ残ってしまった。翌月渡された給与明細を見ると、売れ残り分が1個500円換算で時給から天引きされていた――。
フィクションだが、現実に似たような話は起こっている。断っておくが、これは完全に違法である。アルバイトに買い取る義務は全くないし、もし給与から差し引かれた場合は全額請求できる。
長時間労働などの過酷な労働環境、待遇に見合わない過重な責任や過大なノルマ――。学生アルバイトにもかかわらず、学業に支障をきたすほどの働き方を強いられる学生が社会問題化している。最近は「ブラックバイト」と称されている。
7割の学生が不当な扱いを経験
NPOや弁護士がつくる市民団体「ブラック企業対策プロジェクト」の調査によれば、アルバイト経験のある大学生の約2500人のうち、「残業代が払われない」「罰金を求められる」「セクハラ・パワハラがひどい」「納得いかない理由でクビにされた」などの不当な扱いに、約7割が直面したことがあるという。
学生はなぜブラックバイトにはまるのか。そこには構造上の問題が隠れている。
大学生をはじめとする学生が、親からの仕送りに加えて学費、生活費などの足しにするためにアルバイトをして収入を得ることは、昔から行われてきた。しかし、近年はそのありようが変質してきているとの指摘がなされている。というのも親の年収低下をはじめ経済状況の悪化によって、金銭面で困窮している学生が増加している。
もちろん、昔から「苦学生」とよばれる貧乏な学生はいたはずだが、現代の学生が置かれている社会状況は、非正規雇用の増大など雇用環境の悪化や子どもの貧困と格差の広がりなど、従来とは質的に異なる。学生アルバイトをしなければ学業を続けられない学生が増え、その弱みにつけこんでアルバイトにもかかわらず過酷な労働を強いるようなケースが後を絶たないのだ。
一方、そもそも学生にもバイト先(使用者=企業)にも、根本的に抜け落ちている認識がある。それは学生アルバイトといっても、法律上は立派な「労働者」であり、賃金と引換えに一定の時間労働を提供することを約束する「労働契約」をバイト先との間で締結していること。それによって労働契約法、労働基準法などの労働法規が適用され、一定の権利で守られていることだ。
「たとえば、学生が納得のいかない理由でバイト先から解雇されたとする。しかし、それが「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」のであれば、権利を濫用したものとして無効となる(労働契約法16条)。
逆に「アルバイト先を辞めたいのに辞めさせてもらえない」という悩みを抱える学生もいるだろう。労働者には「退職の自由」がある。アルバイトも労働者である以上、退職は基本的に自由だ。退職すると明確に意思表示をすれば、使用者側に引き止める権利は存在しない。
要件を満たせば有給休暇も取れる
意外と見過ごされがちだが、アルバイトでも一定の要件をみたせば有給休暇を取得できることはあまり知られていない。たとえば、週3日のシフトで働いているアルバイトであれば、6カ月間継続して勤務をしていれば5日間の有給休暇を取得することができる。有給休暇は労働者の権利であり、原則として、労働者が請求した日時に与えなければならない。
つまり、アルバイトが学校の行事や試験、実家への帰省などのために有給休暇を請求した場合は、使用者は、その日に休ませなければならない。また、有給休暇を取得したことを理由に解雇などの不利益な取り扱いをすることも許されない。
「ブラックバイトの問題を根本的に改善するには、使いやすい充実した奨学金制度の整備をはじめ、学生が学業に専念できる社会環境を構築していく必要がある。同時にアルバイトをしている学生、雇っている企業が労働法に基づく権利を理解することも重要だろう。
とはいえ、一個人が企業にどう 対抗したらいいか。アルバイトも労働者である以上、労働組合(ユニオン)を結成したり、既存の労働組合(ユニオン)に加入したりして企業に対抗するのも当然可能だ(憲法28条)。労働組合という労働者にとって最強の武器を行使しない手はない。
最近では、ブラックバイト問題に取り組む労働組合やNPO、法律家団体などもあるので、相談するのも手だ。学生アルバイトは、企業に便利に使い捨てられる存在ではない。これから社会人として社会を担っていく存在である以上、労働者としての権利行使を早い段階から身に着けておくことは学生生活を有意義に送る上でも必須のスキルとなるはずである。
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