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医療リハビリテーション
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岩手いじめ自殺/なぜSOSを生かせない
2015/08/01
岩手県矢巾(やはば)町で、いじめに苦しんでいた中学2年の男子生徒が自ら命を絶って間もなく1カ月となる。
学校は調査報告書を公表し、いじめが自殺の一因と認めた上で、対応に問題があったとして謝罪した。
繰り返し発せられていた「SOS」を、なぜ受け止められなかったのか。徹底的な検証が必要だ。
報告書は、同級生に机に頭を押さえつけられる▽全校朝会などで列に入らせない▽バスケットボール部の活動中にわざと強いパスを投げられる-など6件をいじめと認定。「その積み重ねが苦痛を増大させた」と分析している。
男子生徒は担任教諭に提出する生活記録ノートでも、同級生らによるいじめや暴力の悩みを訴え、自殺をほのめかしていた。「ずっと暴力、ずっと悪口」「ついに限界になりました」「死ぬ場所は決まっているんですけどね」。次第に追い詰められていく記述に、胸が詰まる。
担任は折に触れ声をかけるなど気にかけていたようだが、どこまで深刻にとらえていたのか。問題を一人で抱え込む形となり、校長や同僚らと共有できていなかった。
学校と町教育委員会の対応も、ずさんというほかない。
学校は、今年6月の定例アンケートで男子生徒が「いじめを受けている」と答えていたのに対応を後回しにした。年2回実施するとしていた保護者アンケートも行っていない。町教委は、いじめ防止基本方針で定めた学校や警察などとの連絡協議会を一度も開いていなかった。
組織的な対応ができていれば最悪の事態は防げた可能性がある。そう考えると悔やまれてならない。
矢巾町だけの問題ではない。
大津市の中学生自殺をきっかけに2013年、学校の対応を定めた「いじめ防止対策推進法」が施行された。しかし、その後も全国でいじめ自殺は相次ぎ、そのたびに学校や教委の対応が問題になる。
いくら仕組みを整えても、現場が子どもの痛みを過小評価し、事なかれ主義に陥れば機能しない。いじめは、どの学校でも、どの子にも起こりうる。すべての学校と教委が現状を再点検する必要がある。
矢巾町は有識者による第三者委員会で詳しく検証する方針だ。痛ましい事件を繰り返さないための教訓を引き出し、公表してほしい。
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