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大型ハドロン衝突型加速器(LHC)

4名無しの物理学徒:2010/03/22(月) 08:42:18
Ker Than
for National Geographic News
February 23, 2010

 大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が早ければ25日にも再稼働する見込みだ。去年の
11月20日に修理を終えたLHCは同月30日、あらゆる粒子加速器を凌ぐ世界最高の加速
エネルギー記録を達成した後に予定の“冬休み”に入っていた。

 LHCはまだ完全な性能を発揮しておらず、今回の再稼働後も出力は半分程度に抑え
られる予定だ。フルパワーでの運用を進めるには、設備の増強が必要だという。

 ただし、半分の力でも数々の素晴らしい発見が実現できるとLHCのプロジェクト
チームは考えている。うまくいけば、3次元以外の余剰次元や“神の粒子”とも呼ばれる
ヒッグス粒子の検知も可能かもしれない。

 粒子加速器は、電場を利用して粒子を極めて細い高速ビームにして加速する。この粒子
ビームを正面衝突させてビッグバン直後の極限状況を再現し、さまざまな科学上の謎を解く
手掛かりを入手できるとLHCプロジェクトの専門家は期待している。例えば、宇宙の質量
の大半を構成しているといわれる目に見えない物質、暗黒物質(ダークマター)の性質に
ついても何かわかるかもしれない。

 LHCは欧州原子核研究機構(CERN)が運営しており、フランスとスイスの国境付近の
地下、全周27キロの円形のトンネルに格納されている。

 LHCは、2008年9月の最初の稼働時に電気系統の故障が発生し、その修復に1年以上
が費やされ、稼働を再開したのは2009年11 月のことであった。2009年12月、LHCは
最初の科学的成果を挙げ、その後、電気代が高いヨーロッパの冬季は予定通り運転を一時
停止した。

 12月に休止期間に入る前、LHCは高エネルギー物理学の世界新記録を樹立している。
2本の陽子ビームをそれぞれ1.18 TeV(1.18兆電子ボルト、TeV=テラ電子ボルト)まで
加速し、互いに衝突させた。衝突エネルギーの総計は2.36 TeVに達している。

 今週から始まる稼働期間中は、さらに野心的な計画が進められる予定だ。現在の
スケジュールでは、各ビーム3.5 TeV、計7 TeVの衝突エネルギーを生み出す実験を、
2011年後半から2012年初めまでに実施する段取りとなっている。

 その後は再び一時停止させる。この休止期間中には、復帰後にLHCの稼働限界である
14 TeVの衝突エネルギーを達成できるよう、超電導装置の増強が進められる。

 2012年の休止期間は約1年が必要になると考えられているが、CERNのビーム部門
責任者ポール・コリア氏は、「期間についてはまだ検討中で短縮化を図っている」と話して
いる。

▽記事引用元  ナショナルジオグラフィック ニュース
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100223001&expand

▽画像  2008年、超電導磁石の初期不良でいきなり運転休止に追い込まれた大型ハドロン衝突型加速器(LHC)
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/bigphotos/images/025912_big-cb1266877959.jpg
Photograph courtesy Maximilien Brice, CERN


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