したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

ハイラー/ワナーを読む

51Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2004/11/17(水) 20:34
>>50
ドモ。

1・2・…・n=:n!をnの階乗, n(n-1)…(n-j+1)/1・2・…・j=n!/j!(n-j)!を二項係数といって
(n, j)の転置行列(行と列が入れ替わった行列)のような書き方をしますが,
掲示板上ではムリなのでnCjで代用します.

補完多項式への応用

>>24の差分のスキームは
y_0
  y_1-y_0
y_1    y_2-2y_1+y_0
  y_2-y_1      y_3-3y_2+3y_1-y_0
y_2    y_3-2y_2+y_1
  y_3-y_2
y_3

となりパスカルの三角形に出て来る係数がここにも出てきます.

52Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2004/11/17(水) 20:34
これは次のようにも書き換えられます.
y_0
              ⊿y_0
y_0+⊿y_0                      ⊿^2y_0
              ⊿y_0+⊿^2y_0               ⊿^3y_0
y_0+2⊿y_0+⊿^2y_0                 ⊿^2y_0+⊿^3y_0
              ⊿y_0+2⊿^2y_0+⊿^3y_0
y_0+3⊿y_0+3⊿^2y_0+⊿^3y_0
ここにもパスカルの三角形が登場.

これにより
y_n=y_0+(n/1)⊿y_0+(n(n-1)/2!)⊿^2y_0+(n(n-1)(n-2)/3!)⊿^3y_0+…
となり>>24の定理(1.2)が示せました.

53Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2004/11/17(水) 20:35
負の指数

(a+b)^(-1)=1/(a+b)を考えてみましょう.
(1/(a+b))-(1/a)=δとおくと
a-(a+b)=a(a+b)δより
-b=a^2δ+abδ.
いま|b|<|a|としbδの項を無視すると
δ=-b/a^2即ち
(a+b)^(-1)≒(1/a)-(b/a^2).
(1/(a+b))-(1/a)+(b/a^2)=δ_1とおくと
a^2-a(a+b)+b(a+b)=a^2(a+b)δ_1より
b^2=a^3δ_1+a^2bδ_1.
bδ_1の項を無視すると
δ_1=b^2/a^3即ち
(a+b)^(-1)≒(1/a)-(b/a^2)+(b^2/a^3).

54Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2004/11/17(水) 20:35
(1/(a+b))-(1/a)+(b/a^2)-(b^2/a^3)=δ_2とおくと
a^3-a^2(a+b)+ab(a+b)-b^2(a+b)=a^3(a+b)δ_2即ち
-b^3=a^4δ_2+a^3bδ_2.
bδ_2の項を無視すると
(a+b)^(-1)≒(1/a)-(b/a^2)+(b^2/a^3)-(b^3/a^4).
帰納的に
(a+b)^(-1)=(1/a)-(b/a^2)+(b^2/a^3)-(b^3/a^4)+(b^4/a^5)-…
と無限級数が得られます.
これは>>46の定理(2.1)のn=-1のときに当たっている!!
三行上の式の両辺にaを掛けb/a=:xとすると
1/(1+x)=1-x+x^2-x^3+x^4-… (|x|<1)
というヴィエート(1593)の幾何級数が現れます.

次は(a+b)の平方根ね.

55Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2004/12/31(金) 23:39
どうもご無沙汰を.

(a+b)^(1/2)=√(a+b)を考えて見ましょう.
√(a+b)-√a=δとおくと
a+b=a+2√aδ+δ^2.
|b|が非常に小さいとしてδ^2の項を無視すると
δ=b/2√aとなり
√(a+b)≒√a+b/2√a
が得られます.

√2の近似値をこれ使って計算してみます.
a+b=2,√a=vとおくとb=2-v^2なので
√(a+b)≒v+(2-v^2)/2v=(2/v+v)/2.
v=1.4とすると
√2≒(2/1.4+1.4)/2=1/1.4+0.7=5/7+0.7=0.714285…+0.7=1.414285…
さらにv=1.414825とすると
√2≒(2/1.414825+1.414825)/2=1.41421369だそうです.
手計算すべきかもしれないですけど,根性ありませんでした.
グーグル電卓にやってもらいますた.

56Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2004/12/31(金) 23:40
この結果が書かれた古代バビロニアの粘土板が見つかっているそうです.
紀元前1900年くらいのものだそうですが,
vが√2の近似値なら2/vもそうで,(2数の積が2だし)
vと2/vの間に√2があるし,vと2/vの相加平均のほうがより
√2に近いことを思えば,この近似値がこれほどの昔から分かっていたのも
不自然ではないかもしれません.

近似式
√(a+b)≒√a+b/2√a
を改良しましょう.
√(a+b)-(√a+b/2√a)=δとおくと
a+b=a+b^2/4a+δ^2+b+bδ/√a+2√aδ.
|b|が非常に小さいとしてδ^2とbδ/√aを無視すると
0=b^2/4a+2√aδ
即ちδ=-b^2/8a√aだから
√(a+b)≒√a+b/2√a-b^2/8a√a
と改良できます.この近似式で√2を次々計算すると
さっきの近似式√(a+b)≒√a+b/2√aより早く√2に近づきます.
筆算の実行は勘弁.
この改良はアルカルサーディー(1450頃),ブリッグス『対数的算術』(1624)
によるものだそうです.

57Святослав(☆8) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/01(土) 01:29
あけましておめでとうございます.

√(a+b)≒√a+b/2√a,
√(a+b)≒√a+b/2√a-b^2/8a√a
は両辺を√aでわってb/a=xとおくことによりそれぞれ
(1+x)^(1/2)≒1+x/2,
(1+x)^(1/2)≒1+x/2-x^2/8
となりますが,このような改良を続けると
(1+x)^(1/2)=1+x/2+ax^2+bx^3+cx^4+…
という級数になることでしょう.
(1+x)^(1/2)(1+x)^(1/2)=1+x
の係数を比較することにより
1/4+2a=0,a+2b=0,a^2+b+2c=0,…
即ちa=-1/8,b=1/16,c=-5/128,…
となりもっとよい近似式
(1+x)^(1/2)≒1+x/2-x^2/8+x^3/16-5x^4/128+…
が得られます.(ニュートン1665)
ここで
1/2=(1/2)/1,-1/8=(1/2)(1/2-1)/1・2,1/16=(1/2)(1/2-1)(1/2-2)/1・2・3,
-5/128=(1/2)(1/2-1)(1/2-2)(1/2-3)/1・2・3・4,…
だから>>46の定理(2.1)がn=1/2で成り立つことが予想されます.

58</b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/05(水) 01:17
|b|<|a|のときの(a+b)^(1/3)の近似式を求めましょう.
(a+b)^(1/3)-a^(1/3)=δ
とおくと
a+b=a+3a^(2/3)δ+3a^(1/3)δ^2+δ^3.
例によって右辺第三項以下を無視できるとして
δ=b/3a^(2/3).
よって
(a+b)^(1/3)≒a^(1/3)+b/3a^(2/3)=a^(1/3)+(1/3)a^(-2/3)b.
(a+b)^(1/3)-{a^(1/3)+(1/3)a^(-2/3)b}=δ'とおくと
a+b={a^(1/3)+(1/3)a^(-2/3)b+δ'}^3.
δ'^2の項やδ'^3の項, b^3の項などを無視できるとすると
0=(1/3)a^(-1)b^2+3a^(2/3)δ'
即ち
δ'=-(1/9)a(-5/3)b^2.
よって
(a+b)^(1/3)≒=a^(1/3)+(1/3)a^(-2/3)b-(1/9)a(-5/3)b^2.
b/a=xとおくと|x|<1のとき
(1+x)^(1/3)≒1+(1/3)x-(1/9)x^2.

59</b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/05(水) 01:18
この改良を続けると
(1+x)^(1/3)=1+(1/3)x-(1/9)x^2+ax^3+…
という級数が得られることが予想でき,
(1+x)^(1/3)(1+x)^(1/3)(1+x)^(1/3)=1+x
の三次の係数を比較することにより
3a-6・(1/3)・(1/9)+(1/27)=0
即ち
a=5/81.

1/3=(1/3)/1, -1/9=(1/3)(1/3-1)/1・2, 5/81=(1/3)(1/3-1)(1/3-2)/1・2・3なので
>>46の定理(2.1)がn=1/3でも成り立つことが予想されます.
このように非整数次数について補間を続けることによりニュートンは

定理(2.2)(ニュートンの一般二項定理)
任意の有理数aに対して, |x|<1の範囲で
(1+x)^a=1+ax+a(a-1)x^2/1・2+a(a-1)(a-2)x^3/1・2・3+…
が成り立つ.

と考えました.ただこの議論が精密でないことはニュートンにも分かっていました.
精密な証明はオイラーによってもなされず, そのご一世紀を経てアーベルによって
考察されました.

1.2.1読了

60</b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/09(日) 04:16
1.2.2.指数関数
指数関数の起源は2つあるそうです.
1つはド・ボーヌがデカルトの『幾何学』(1637)を読んでデカルトに
提案した問題です.
「曲線上の各点Pに対してx軸への垂線の足VとPでの接線とx軸との交点Tとの距離が
, 常に与えられた定数aと等しいような曲線y(x)を求めよ」
これに対してライプニッツが1684年に「攻撃はしたが, 解けなかった」方法を
紹介します.
点P_1(x, y)が与えられたとし,V_1(x, 0), T_1(x-a, 0)とします.
ここでQ_2(x+b, y)とし, 三角形P_1T_1V_1と三角形P_2P_1Q_2が相似となるように
P_2(x+b, y(1+b/a))とします.
つぎにQ_3(x+2b, y(1+b/a)), V_2(x+b, 0), T_2(x+b-a, 0)とし,
三角形P_2T_2V_2と三角形P_3P_2Q_3が相似となるように
P_3(x+2b, y(1+b/a)^2)とします.
この作業を続けると, 点列{P_n(x+(n-1)b,y(1+b/a)^(n-1))}が得られます.

61</b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/09(日) 04:16
現代流には曲線y=f(x)上の任意の点P(t,f(t))における接線の方程式が
y=f'(t)x+f(t)-tf'(t)
ですからT(t-f(t)/f'(t),0),V(t,0)なので
この問題は微分方程式
f(t)/f'(t)=a
を解くということになります.
実際に解くと
(log f(t))'=1/a
ですから
f(t)=e^(ct/a)
ということになります.

2つ目の起源は
「ある都市の人口が毎年前年の1/30ずつ増えて行くとすると100年後には何倍になっているか」
という問題(1+1/30)^100,
「年利5パーセントで十年預金すれば元金は何倍になるか」という問題(1+1/20)^10
など一般にω≪1,1≪nのときの(1+ω)^nがどうなるかという問題です.

62</b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/09(日) 04:17
(1+1/n)^nを2項定理を使って展開してみます.
(1+1/n)^n=1+n/n+n(n-1)/2n^2+n(n-1)(n-2)/3・2n^3+…
=1+1+(1-1/n)/2!+(1-1/n)(1-2/n)/3!+…
においてオイラーは指定されたどのようなすうよりもnが大きいなら1/n=0だと
いってのけちゃいました.
それがいえるのならnが無限大に近づくとき
(1+1/n)^nはオイラーの数
e=1+1+1/2!+1/3!+…
に近づくことになります.

本当はこの議論は操作を無限回やっている点で危険です.
1=1/2+1/2=1/3+1/3+1/3=…=1/n+1/n+…+1/n=…=0+0+…+0=0
などという「証明」はどこかにおかしいところを含んでいるに違いないでしょう.

xを固定し,nを無限大に近づけると
(1+x/n)^n=1+xn/n+n(n-1)x^2/2n^2+n(n-1)(n-2)x^3/3!n^3+…
=1+x+(1-1/n)x^2/2!+(1-1/n)(1-2/n)x^3/3!+…
→1+x+x^2/2!+x^3/3!+…
となります.

63</b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/09(日) 04:17
一方でnを無限大に近づけるとn/xも無限大に近づくので(x>0のハナシだということにしときましょう)
(1+x/n)^n=((1+1/(n/x))^(n/x))^x→e^x
となります.即ち

定理(2.3)(オイラー『入門』(1748)§123,§125)
nを無限大に近づけたとき
(1+x/n)^nはe^x=1+x+x^2/2!+x^3/3!+…
に近づく.

が成り立ちます.

1.2.2.読了

64拳 </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/09(日) 04:22
ドナタカツッコンデアゲテネ!

受験生ハジブンノベンキョウニ専念シテネ。

…トイウコトハ

ラメンサン!!ガンバッテネ♪

65Мечислав </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/21(金) 05:32
1.2.3.演習問題
2.1 50=2・5^2=7^2+1を使って,
√2=(7/5)(1+1/100+(1・3)/(100・200)+(1・3・5)/(100・200・300)+…)
(オイラー(1755),『全集』第10巻,p280)
を証明しなさい.

解答 √2
=((7/5)^2+(1/5)^2)^(1/2)
=(7/5)(1+1/7^2)^(1/2)
=(7/5)(50/7^2)^(1/2)
=(7/5)(7^2/50)^(-1/2)
=(7/5)(1-1/50)^(-1/2)
=(7/5)(1+(-1/2)(-1/50)+(-1/2)(-3/2)(-1/50)^2/1・2+(-1/2)(-3/2)(-5/2)(-1/50)^3/1・2・3+…)
=(7/5)(1+1/100+(1・3)/(100・200)+(1・3・5)/(100・200・300)+…)
=(7/5)(1+0.01+0.00015+0.0000025+…)
=(7/5)(1.0101525…)
=(1/5)(7.0710765…)=1.4142153….

66Мечислав </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/21(金) 05:33
2.2 60進法で表した1,25が√2のよい近似であることを示しなさい.
「バビロニアの平方根のアルゴリズム」を一回繰り返すと1,24,51,10,…が得られることを示しなさい.

解答 √2-1.4=δ(十進表記)とおくと2=1.96+2.8δ+δ^2.
δ^2を非常に小さいとみなして,δ≒0.04/2.8=4/280=1/70.
このとき√2≒1.4+1/70=99/70=1+29/70=1+(29・6)/(60・7)=1+174/60・7=1+24/60+1/70.
この値は六十進表記でほぼ1,25である.

十進表記での1+25/60=85/60=17/12が√2の近似であるなら,
2・12/17=24/17も√2の近似であり,
その相加平均は,両者よりさらに√2に近い.
相加平均は
(17/12+24/17)/2=17/24+12/17=(17^2+12・24)/(24・17)=(289+288)/(2^3・3・17)
=577/(2^3・3・17)=(2885/60)・(1/34)=(1/60)・(2720+165)/34=(1/60)・(84+29/34)
=1+24/60+29/(34・60)=1+24/60+(29・30)/(17・60^2)=1+24/60+870/(17・60^2)
=1+24/60+(850+20)/(17・60^2)=1+24/60+51/60^2+3/(17・60^2)
=1+24/60+51/60^2+180/(17・60^3)=1+24/60+51/60^2+(170+10)/(17・60^3)
=1+24/60+51/60^2+10/60^3+10/(17・60^3).
この値は六十進表記でほぼ1,24,51,10である.

67Мечислав </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/21(金) 05:34
2.3 級数(1+x)^(1/3)=1+ax+bx^2+cx^3+…をの両辺を三乗し,
係数a,b,c,…を決定することにより
(1+x)^(1/3)=1+x/3-(2/3・6)x^2+(2・5/3・6・9)x^3+…
であることを示せ.
この結果と2・4^3-5^3=3を用いて
[3]√2=(5/4)(1+(1/1・125)-(2/1・2・125^2)+(2・5/1・2・3・125^3)-(2・5・8/1・2・3・4・125^4)+…)
であることを示せ.

解答 一次,二次,三次の係数について,それぞれ
3a=1,3b+3a^2=0,3c+6ab+a^3=0.
第一式よりa=1/3.これと第二式よりb=-1/9=-2/3・6,
これらと第三式によりc=-2ab-a^3/3=2/3^3-1/3^4=5/3^4=2・5/3・6・9.
[3]√2=((5^3+3)/4^3)^(1/3)=(5/4)(1+(3/125))^(1/3)
=(5/4)(1+(1/1・125)-(2/1・2・125^2)+(2・5/1・2・3・125^3)+…).

68Мечислав </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/21(金) 05:35
2.4(ベルヌーイの不等式.ヤコブ・ベルヌーイ(1689)『全集』(1744)等)
(1) nが非負整数でaが-1以上のとき(1+a)^n≧1+na.
(2) nが2以上の整数でaが正で1未満のとき1-na<(1-a)^n<1/(1+na).

解答 (1)(1+a)^0=1,1+0・a=1だから(1+a)^0≧1+0・a.
nが非負整数で(1+a)^n≧1+naであるならa≧-1だから
(1+a)^(n+1)≧(1+na)(1+a)=1+(n+1)a+na^2≧1+(n+1)a■
(2) 0<a<1なので(1-a)^2-(1-2a)=a^2>0,1-(1-a)^2(1+2a)=1-(1-2a+a^2)(1+2a)
=1-(1-4a^2)-a^2(1+2a)=4a^2-a^2-2a^3=a^2(3-2a)>0.
nが2以上の整数,0<a<1で1-na<(1-a)^n<1/(1+na)であるなら
(1-a)^(n+1)>(1-a)(1-na)=1-(n+1)a+na^2>1-(n+1)a,
1(1+(n+1)a)=(1/(1+na))・((1+na)/(1+(n+1)a))>(1-a)^n・((1+na)/(1+(n+1)a))
=(1-a)^n・(((1+(n+1)a)-a)/(1+(n+1)a))
=(1-a)^n・(1-(a/(1+(n+1)a)))>(1-a)^(n+1)■

69Мечислав </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/01/21(金) 05:37
2.5 a_n=(1+(1/n))^n,b_n=(1+(1/n))^(n+1)としたとき
a_1<a_2<…<e<…<b_2<b_1であることと,
b_n-a_n≦4/nであることを示しなさい.

解答 2.4(2)でa=1/n^2とすると
1-(1/n)<(1-(1/n^2))^n<1/(1+(1/n)).
よって
a_(n+1)/a_n=(1+(1/n+1))^(n+1)/(1+(1/n))^n
=((1+(1/n+1))/(1+(1/n)))^n・(1+(1/n+1))
=(n(n+2))/(n+1)^2))^n・(1+(1/n+1))
=(1-(1/(n+1)^2))^n・(1+(1/n+1))
=(1-(1/(n+1)^2))^(n+1)・(1+(1/n+1))/(1-(1/(n+1)^2))
>(1-(1/(n+1)))・(1/(1-(1/(n+1))))=1,
b_n/b_(n+1)=((1+(1/n))^(n+1))/((1+(1/(n+1)))^(n+2))
=((1+(1/n))/(1+(1/(n+1))))^(n+1)・(1/(1+(1/(n+1))))
=((n+1)^2/n(n+2))^(n+1)・(1/(1+(1/(n+1))))
>((n+1)^2/n(n+2))^(n+1)・(1-(1/(n+1)^2))^(n+1)
=((n+1)^2/n(n+2))^(n+1)・((n(n+2)/(n+1)^2))^(n+1)=1.
これより数列{a_n}は増加列,数列{b_n}は減少列であることがわかる.
また,すべての番号nでa_n<b_nだから両数列とも有界単調列であることがわかり,
両数列は収束する.
0<b_n-a_n=(1+(1/n))^n・(1/n)≦2^n/n<4/nであることから両数列の極限値は一致する■
1.2.読了

70Мечислав </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/07(月) 23:26:44
1.3.対数と面積
M.シュティーフェル(1544)は次のような2つの数列に着目しました。

… -3  -2 -1   0 1 2 3 4  5  6  7  8  …
… 1/8 1/4 1/2  1 2 4 8 16  32 64 128 256 …

下段の8と16の積は, 8の真上の3と16の真上の4の和である7を上段から探し,
7の真下にある128となる, という点に気づいたわけです.

3を8の「対数」, 4を16の「対数」とよぶことにすると, 2数の積はその「対数」の和をもとめ
こうした表があれば, 積もわかるという寸法です.こういう表で, もっと細かいものがあれば
便利でありましょう.ジョン・ネイピア(1614,1419),ブリッグス(1624),ビュルギ(1620)なんかが
こうした計算をしたそうです.

71Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/07(月) 23:27:13
定義(3.1) 正数x, yに対してl(xy)=l(x)+l(y)が成り立つ関数lを対数関数と呼びます.

lが対数関数なら, 定義より直ちにl(1)=l(1・1)=2l(1)なのでl(1)=0,
0=l(1)=l(x・1/x)=l(x)+l(1/x)なのでl(1/x)=-l(x),
l(x/y)=l(x・1/y)=l(x)+l(1/y)=l(x)-l(y),がわかります.
また帰納的に整数nに対してl(x^n)=nl(x)がわかり, nが0でなければ
l(x)=l((x^(1/n))^n)=nl(x^(1/n))よりl(x^(1/n))=l(x)/nだから
整数m, nに対して
l(x^(m/n))=l((x^(1/n))^m)=(m/n)l(x)
が成り立ちます.

底 もしl(a)=1なる正数aが存在するなら,
l(a^(m/n))=m/nとなりますので, lは指数関数a^xの逆関数だと考えられます.
このときlをaを底とする対数関数といいl(x)=log_a(x)と書きます.
底が10の対数はブリッグスの対数とか常用対数とかといって, 数値計算なんかに
つかうと便利そうです.底がeの対数はネイピアの対数とか双曲的対数とか自然対数とかいって
理論的な操作に適しているそうです(後述).

72Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/07(月) 23:28:26
さて実は, 底は何か1つ標準をつくっとけば, それで事足ります.
x=a^yの底がbの対数を考えると
log_b(x)=ylog_b(a), また対数関数は指数関数の逆関数だったのでy=log_a(x).
この2式からlog_a(x)=log_b(x)/log_b(a)がなります.
したがって例えば, 標準的な底をeとしてeを底とする対数は底を省略してlog(x)などと書くこと
にすると, 任意の底aの対数log_a(x)はlog(x)/log(a)とできます.

1.3まえせつ 読了.

73臺地 </b><font color=#FF0000>(qpPuO9q2)</font><b>:2005/02/11(金) 17:27:23
>>69
昔苦しんだ問題がスマートに解決されてて驚きました。感動
ただ、下から二行目
>2^n/n<4/n
これどういうことでしょう?

74Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/12(土) 02:57:28
>>73
失礼。
0<b_n-a_n=a_n/n<b_1/n=4/n
ですた。

75Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/12(土) 05:27:55
1.3.1対数の計算
>>55->>57の方法で√10≒3.1623,√(3.1623)≒1.7783,√(1.7783)≒1.3335
が計算できますが,これらの結果より
log[10](3.1623)=0.5000,log[10](1.7783)=0.2500,log[10](1.3335)=0.1250
が得られます.さらにlog[10]xy=log[10]x+log[10]yを使えば,
3.1623・1.7783・1.3335=7.4990よりlog[10](7.4990)=0.8750,
3.1623・1.7783=5.6235よりlog[10](5.6235)=0.7500,
1.7783・1.3335=2.3714よりlog[10](2.3714)=0.3750
の値がわかります.

76Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/12(土) 05:28:21
ではlog[10]2とかlog[3]とかの値はどうやって計算すればよいでしょうか.
ブリッグスの方法を紹介します.
10の平方根の平方根の平方根の…の平方根という計算をつづけ
10^(1/2^54)=1.00000000000000012781914932003235
なる値を得ます.
次に同様の計算で
2^(1/2^54)=1.00000000000000003847739796558310
なる値を得ます.
10^(1/2^54)-1=a,2^(1/2^54)-1=bとおくと
1+b=2^(1/2^54)=(10^(1/2^54))^(log[10]2)=(1+a)^(log[10]2)≒1+a・log[10]2
となり
log[10]2≒b/a=3847739796558310/12781914932003235=0.301029996
を得ます.
ふー.これほどのしんどい計算の末やっと1つの対数の値が計算できますた.
対数表の作成は大変な作業ですね.

77Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/12(土) 05:28:42
で,この時代には,例えばlog(44),log(45),log(46),log(47)の値を求めて,(底は10)
>>24->>25で紹介した,差分スキームを使って,補間していくって手が使われました.
f(x)=log(x+44)とおきます.まず,f(0)=1.6434526765,f(1)=1.6532125138,
f(2)=1.6627578317,f(3)=1.6720978579を予め求めておき,差分スキームをつくると
f(0)
  0.0097598373
f(1)      -0.0002145194
  0.0095453179       9.2277・10^(-6)
f(2)      -0.0002052917
  0.0093400262
f(3)
であるので
f(x)=1.6434526765+0.0097598373x-0.0002145194x^2/2+9.2277・10^(-6)x^3/6
となりますが例えばf(0.25)とlog(44.25)の誤差は五千万分の一程度と結構な精度です.

1.3.1読了

78名無し研究員さん:2005/02/13(日) 06:29:21
こ掲示板面白いね。
ときどき読ませてもらってるよ。

79Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/13(日) 06:50:41
>>78
ども。ご意見、ご質問、輪読会参加、歓迎です。

80Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/02/21(月) 23:26:03
1.3.2面積の計算
アルキメデス(B.C.283-B.C.212)は円の面積や放物線(と直線で囲まれた部分)の面積を
計算しました.そんな昔から面積や体積を計算することは,数学者の興味を引いてきたようです.
17世紀には,必ずしも整数とは限らないaに対して,y=x^aとy=0とx=0とx=Bで囲まれた部分の面積
も計算されました.(ボナヴェントゥラ・カヴァリエーリ,ロベルヴァル,フェルマ).

a>-1とします.θを0<θ<1をみたす定数とし,初項B,公比θの等比数列{Bθ^(n-1)}を考えます.
この図形の面積は,各nについて,4直線x=Bθ^(n-1),x=Bθ^n,x=0,x=B^aθ^(a(n-1))
で囲まれた長方形たちの面積の総和
ΣBθ^(n-1)(1-θ)・B^aθ^(a(n-1))=B^(a+1)(1-θ)Σθ^((a+1)(n-1))=B^(a+1)(1-θ)/(1-θ^(a+1))
で上(か下)から,4直線x=Bθ^(n-1),x=Bθ^n,x=0,x=B^aθ^(an)
で囲まれた長方形たちの面積の総和
ΣBθ^(n-1)(1-θ)・B^aθ^(an)=B^(a+1)θ^a(1-θ)/(1-θ^(a+1))
で下(か上)から近似出来ます.
ここでθ^(a+1)=(1-(1-θ))^(a+1)であるので一般二項定理(>>59)によると
θ^(a+1)≒1-(a+1)(1-θ)なので
B^(a+1)(1-θ)/(1-θ^(a+1))≒B^(a+1)/(a+1),B^(a+1)θ^a(1-θ)/(1-θ^(a+1))≒B^(a+1)θ^a/(a+1).
よってθが1に近いならば両者ともB^(a+1)/(a+1)に近づきます.
以上のことより次の定理が成り立ちます.

定理(3.2)(フェルマ1636) a>-1なるaに対して,y=x^aとy=0とx=0とx=Bで囲まれた部分の面積は,
B^(a+1)/(a+1).

1.3.2.読了

81Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/04(金) 02:28:29
1.3.3双曲線の面積と自然対数
前小節の方法ではy=1/xとy=0とx=0とx=Bで囲まれた部分の面積は求められません.
x=0の近辺で1/xがいくらでも大きくなるから求められないのは,当たり前かもしれませんが
そもそも,近似して作った長方形の有限個の面積の和
Σ[n=1,k]Bθ^(n-1)(1-θ)・B^aθ^(a(n-1))が
a=-1のときは
Σ[n=1,k](1-θ)=(1-θ)k
となりますので,θが1に近いときを考えても,面積は求まりません.
ただ,横軸の分割点を等比数列にしたとき,いくつかの長方形で近似した面積が等差数列になることから
次のようなことは予想できます.
y=1/x,y=0,x=1,x=Bで囲まれた部分の面積をl(B)とするとl(AB)=l(A)+l(B).
1<A<B<ABとすると,
θ^m=A,θ^n=Bとなるn,m,Nが存在するようにθをとって,
等比数列{θ^(n-1)}をつくる.
y=1/θ^(l-1),y=0,x=θ^(l-1),x=θlで囲まれた部分の図形の面積は
θ^(l-1)(1-θ)/θ^(l-1)=1-θ.
よって
l(A)≒m(1-θ),l(B)≒n(1-θ),l(AB)≒(m+n)(1-θ),
θをθ^(1/p)にかえ,mをmpにかえ,nをnpにかえても
l(A)≒mp(1-θ^(1/p)),l(B)=np(1-θ^(1/p)),l(AB)=(m+n)p(1-θ^(1/p))となり
l(AB)=l(A)+l(B)
が予想されます.定義(3.1)(>>71)によるとlは対数関数です.この対数を自然対数と呼びます.
以後lをlnと書きます.

82Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/04(金) 02:28:58
メルカトールの級数
双曲線を左に1だけずらしたy=1/(1+x)とx=0とx=aとy=0で囲まれた部分の面積は
ln(1+a)となりますが>>54あるいは定理(2.2)(>>59)より,|x|<1なら
1/(1+x)=(1+x)^(-1)=1+(-1)x+(-1)(-2)x^2/(2・1)+(-1)(-2)(-3)x^3/(3・2・1)+…=1-x+x^2-x^3+…
となります.
定理(3.2)(>>80)によれば0<a<1に対して
★   ln(1+a)=a-a^2/2+a^3/3-a^4/4+…
が得られます(N.メルカトール 1668).
この級数はa≒1では収束がとてつもなく非実用的になり,a>1では発散します.

グレゴリーの級数
メルカトールの級数をつくったのと同様な手法で0<a<1に対して
★★  ln(1-a)=-a-a^2/2-a^3/3-a^4/4+…
が得られますが,これとメルカトールの級数により
★★★ ln((1+a)/(1-a))=2(a+a^3/3+a^5/5+a^7/7+…)
が得られます(グレゴリー 1668).

83Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/04(金) 02:29:24
★でa=1,★★でa=1/2,★★★でa=1/3として8項目までの和を計算してみますと,
★がln2≒1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/7=1/2+1/12+1/30+1/7=(210+35+14+60)/420=319/420
=(7・42+25)/420=0.7+(5・4.2+4)/420=0.75+(9・0.42+0.22)/420≒0.760,
★★がln(1/2)=-1/2-1/8-1/24-1/64-1/160-1/384-1/896≒-0.692261905,
★★★がln2=2*(1/3+1/(3^4)+1/(5*3^5)+1/(7*3^7)+1/(3^11)+1/(11*3^11)+1/(13*3^13))
=0.69314717.
★★と★★★はグーグルの計算機能による値です.
ついでに,おなじくグーグルの計算機能によるとln(2) = 0.693147181ですので
断然★★★がよい収束ですね.

>>54の導き方を見ると★や★★や★★★において|a|が小さいほどよい収束になりますので,
3=2・(3/2)=2・(1+1/5)/(1-1/5)として★★★をつかったり,
3=4・(3/4)=4・(1-1/7)/(1+1/7)として★★★をつかったり,
3=√(9/8)√8=√((1+1/17)/(1-1/17))√8として★★★をつかったりして,
対数表が作れます.最後の作り方では大きな数の対数ほど収束がよくなります.
たとえば
17=√(289/288)√288=√((1+1/577)/(1-1/577))√(2^5・3^2)なので
ln(17)=(1/2)ln((1+1/577)/(1-1/577))+(5/2)ln(2)+ln(3)として★★★が利用できます.

84Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/04(金) 02:30:29
オイラー数とlnの関係を述べましょう.
定理(3.3) 自然対数はeを底とする対数である.
証明 ★より
ln(1+x/n)^n=n・ln(1+x/n)=n((x/n)-(x^2/2n^2)+(x^3/3n^3)-…).
nが大きくなると,右辺はxに近づき,定理(2.3)(>>63)から
左辺はln(e^x)に近づく.■
上の証明ではlnの連続性について言及していないことが気になるのですが….
ともかくこれでeの幾何学的な意味がわかりました.y=1/xとx=1とy=0とx=aとで囲まれる部分
の面積が1となるaのことです.

対数を遣えば任意のべきを計算することが出来ます(ヨハン・ベルヌーイ『指数計算の原理』1697).
a^b=(e^(ln a))^b=e^(b・ln a).

1.3.3読了

85Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/04(金) 02:30:53
1.3.4演習問題
3.1(ニュートン『流率法』(1671),オイラー『入門』(1748)§123)
ln2とln3を★★★をつかって同時に計算できることを示せ.

解答 2=(3/2)・(4/3)=((1+1/5)/(1-1/5))・((1+1/7)/(1-1/7))より
ln2=ln((1+1/5)/(1-1/5))+ln((1+1/7)/(1-1/7)).
3=2・(3/2)=2・((1+1/5)/(1-1/5))より
ln3=ln2+ln((1+1/5)/(1-1/5)).

86Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/03/04(金) 02:31:14
3.2(ニュートン『与えられた面積から底辺を求めること』(1669a))
横軸a軸,縦軸b軸の直交座標において,直線b=0と直線a=0と直線a=xと双曲線b=(1+a)^{-1}
で囲まれた図形の面積zは
z=x-x^2/2+x^3/3-x^4/4+x^5/5+…
で与えられてる.またz=ln(1+x)でもあるが,x=e^z-1に対する
x=z+a_2z^2+a_3z^3+a_4z^4+…
の形の級数を求めて,指数関数に対する級数を発見せよ.

解答 z=ln(1+x)=x-x^2/2+x^3/3-x^4/4+x^5/5+…
であり,
x=e^z-1=z+a_2z^2+a_3z^3+a_4z^4+…
であるとすると
x=(x-x^2/2+x^3/3-x^4/4+x^5/5+…)+a_2(x-x^2/2+x^3/3-x^4/4+x^5/5+…)^2
+a_3(x-x^2/2+x^3/3-x^4/4+x^5/5+…)^3+a_4(x-x^2/2+x^3/3-x^4/4+x^5/5+…)^4+…
であるので-1/2+a_2=0,1/3-a_2+a_3=0,-1/4+2a_2/3+a_2/4-3a_3/2+a_4=0,….
これらよりa_2=1/2,a_3=1/6,a_4=1/24,….
よって
e^z=1+z+z^2/2+z^3/6+z^4/24+…=z^0/0!+z^1/1!+z^2/2!+z^3/3!+z^4/4!+….

1.3読了

87名無し研究員さん:2005/03/22(火) 12:57:29
続きが楽しみなのでage

88Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/30(土) 16:16:34
>>87
ども.長らく間をあけてしまって.次は三角関数です.
1.4.三角関数
角を測る歴史は古代バビロニア人が円周を360°に分けたことに始まるそうです.古い.
この1°をプトレマイオスが最初の小細分(partes minutae primae)に分け(1°=60'),
さらにこの1'を第二の小細分(partes minutae secondae)に分けました.(1'=60")
minute,secondの起源です.ほかにも直角の百分の一を単位とするグラード,
円周の六千四百分の一を単位とするミルなどという単位もあります.
http://www.bekkoame.ne.jp/~bandaru/java/ja01z.htm
は換算の計算をやってくれるサイトのようです.
自然な単位としては,半径1の円周の弧長に基づいた「ラジアン」という単位があります.
中心をOとした半径1の円周上に点Aをとり固定し,円周上にもう一点Bを,弧ABの弧長が1
となるようにとりまして,そのとき∠AOBの大きさを1ラジアンとするわけです.
なお半径1の半円周の弧長は,ラニーというひとによって計算され,オイラーによって
再現されたそうですが,(3.141592…)ジョーンズが1706年,この値の省略記号として「π」
を導入しました.

89Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/30(土) 16:16:56
ともあれ,角度は弧長を計れば得られるわけですが,まっすぐな定規で曲がった弧長は
測れません.弦(chord)なら計れそうですが.
弦と角度の関係の一覧表があれば,弦から角度がわかったり,
角度と半径から弦の長さがわかったりします.
実はそういう弦関数表大昔からありまして,プトレマイオスによる150年くらいのものや,失われては居ますが,
紀元前150年くらいのものもあるそうです.

中心O,半径1の円周上にA,Bをとり∠AOB=αとします.(αは直角より小さいとしときましょう)
線分ABの長さがαの弦関数chordαというわけです.
Bから直線OAに引いた垂線の足をHとしたとき,線分BHの長さをαの正弦関数といって
sinαと書きます.このとき弦関数と正弦関数の間には
chordα=2sin(α/2)あるいはsinα=(1/2)chord(2α)なる関係があります.
正弦関数の起源はインドのプラフマーグプタ(630頃)で欧州には中世に伝わり
レギオモンタヌス(1464)が始めて使ったとされているそうです.
サインってのはsinus rectus(垂直の弦)から来てるそうです.
(手許のラテン語の文法の本をみたらrectusは「正しい」となってましたが)

90Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/30(土) 16:17:18
定義(4.1) 中心O,半径1の円周上に2点A,Bをとり∠AOB=αとする.
(αは直角より小さい角としときます).
Bから直線OAに下ろした垂線の足をH,
半直線OAとBにおける円の接線の交点をC,
Oを通り,直線BCに平行な直線と円の交点をD,
Dにおける円の接線と半直線OAの交点をEとする.
このとき
BH=sinα,OH=cosα
と定義する.
さらに,((sinα)/(cosα))=tanα,(1/(tanα))=cotα
と定義する.

このとき,相似な三角形に着目すれば
tanα=AD,cotα=DE
であることがわかります.
直角三角形の斜辺がc,直角を挟む辺がaとb,αをaの対角とすると,
この三角形と相似な,斜辺1の直角三角形を考えることにより,
b=c*sinα,a=c*cosα,a=b*tanα
であることもわかります.

91Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/30(土) 16:17:42
直交座標平面上の原点中心の単位円周上の点A(1,0)と円周上の任意の点B(a,b)
を考え∠AOB=x(反時計回りを正の向き,負の角や2πを超える角も考える)としたとき,
a=cos x,b=sin x
と定義すれば,sinやcosを実変数の関数に拡張して考えることもできます.

この定義より
sin0=0,sin(π/2)=1,sinπ=0,cos0=1,cos(π/2)=0,cosπ=-1,
sin(-x)=-sin x,cos(-x)=cos x,
sin(x+π)=-sin x,cos(x+π)=-cos x,
sin(x+π/2)=cos x,cos(x+π/2)=-sin x,
sin^2x+cos^2x=1
等の公式がたくさん得られます.
またxの関数sin xは(したがってcos xも)周期2πの周期関数です.

92Мечислав(☆9) </b><font color=#FF0000>(DTxrDxh6)</font><b>:2005/04/30(土) 16:18:43
あ、忘れてた.

1.4まえせつ 読了.

93Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/15(火) 17:53:39
1.4.1基本関係式と結果

定理(プトレマイオス(150),レギオモンタヌス(1464))
sin(x+y)=sin xcos y+cos xsin y.
sin(x-y)=sin xcos y-cos xsin y.
cos(x+y)=cos xcos y-sin xsin y.
cos(x-y)=cos xcos y+sin xsin y.

94Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/15(火) 17:54:14
証明 
0≦x≦π/2,0≦y≦π/2のときは,
座標平面上でO(0,0),A(1,0),B(cos x,sin y),C(cos(x+y),sin(x+y))とおき,
CからOAに下ろした垂線の足をH,CからOBに下ろした垂線の足をK,
KからCHに下ろした垂線の足をL,KからOAに下ろした垂線の足をMとおくと
sin(x+y)=CH=CL+LH=CKcos∠KCL+KM=sin ycos x+cos ysin x.
cos(x+y)=OH=OM-HM=OKcos∠KOM-KL=cos ycos x-sin ysin x.

0≦x≦π/2,π/2≦y≦πのときは
sin(x+y)=sin(π/2+x+y-π/2)=cos(x+y-π/2)
=cos xcos(y-π/2)-sin xsin(y-π/2)=cos xsin y+sin xsin y.
0≦y≦π/2,π/2≦x≦πのときも同様.

0≦x≦π/2,π≦y≦3π/2のときは
sin(x+y)=sin(π+x+y-π)=-sin(x+y-π)=-sin xcos(y-π)-cos xsin(y-π)
=sin xcos y+cos xsin y.
π≦x≦3π/2,0≦y≦π/2のときも同様.

95Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/15(火) 17:54:49
π/2≦x≦π,π/2≦y≦πのとき,
sin(x+y)=sin(π+x-π/2+y-π/2)=-sin(x-π/2+y-π/2)
=-sin(x-π/2)cos(y-π/2)-cos(x-π/2)sin(y-π/2)
=cos xsin y+sin xcos y.

0≦x≦π/2,3π/2≦y≦2πのとき
sin(x+y)=sin(3π/2+x+y-3π/2)=-cos(x+y-3π/2)
=-cos xcos(y-3π/2)+sin xsin(y-3π/2)=cos xsin y+sin xcos y.
0≦y≦π/2,3π/2≦x≦2πのときも同様.

π/2≦x≦π,π≦y≦3π/2のとき
sin(x+y)=sin(3π/2+x-π/2+y-π)=-cos(x-π/2+y-π)
=-cos(x-π/2)cos(y-π)+sin(x-π/2)sin(y-π)=sin xcos y+cos xsin y.
π/2≦y≦π,π≦x≦3π/2のときも同様.

sin(x-y)=sin xcos(-y)+cos xsin(-y)=sin xcos y-cos xsin y.
cos(x+y)=sin(π/2-x-y)=sin(π/2-x)cos y-cos(π/2-x)sin y
=cos xcos y-sin xsin y.
cos(x-y)=cos xcos(-y)-sin xsin(-y)=cos xcos y+sin xsin y.■

96Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/15(火) 17:55:53
上の証明では>>91の結果を何度か用いた.

定理>>93からいろいろな公式が得られる.
tan(x+y)=sin(x+y)/cos(x+y)=(sin xcos y+cos xsin y)/(cos xcos y-sin xsin y)
=(tan x+tan y)/(1-tan xtan y).

sin u+sin v=sin({(u+v)/2}+{(u-v)/2})+sin({(u+v)/2}-{(u-v)/2})
=2sin{(u+v)/2}cos{(u-v)/2}.
sin u-sin v=sin({(u+v)/2}+{(u-v)/2})-sin({(u+v)/2}-{(u-v)/2})
=2cos{(u+v)/2}sin{(u-v)/2}.
cos u+cos v=cos({(u+v)/2}+{(u-v)/2})+cos({(u+v)/2}-{(u-v)/2})
=2cos{(u+v)/2}cos{(u-v)/2}.
cos u-cos v=cos({(u+v)/2}+{(u-v)/2})-cos({(u+v)/2}-{(u-v)/2})
=-2sin{(u+v)/2}sin{(u-v)/2}.

97Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/15(火) 17:56:27
sin2x=sin(x+x)=sin xcos x+cos xsin x=2sin xcos x.
cos2x=cos(x+x)=cos xcos x-sin xsin x=cos^2x-sin^2x=2cos^2x-1
=1-2sin^2x.

sin{x/2}=±√{1-cos x/2},
cos{x/2}=±√{1+cos x/2}.

98Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/15(火) 17:56:58
定理>>93より次の漸化式が得られる.
sin(n+1)x=sin nxcos x+cos nxsin x.
cos(n+1)x=cos nxcos x-sin nxsin x.
これより

cos3x=cos^3x       -3sin^2xcos x
sin3x=   3sin xcos^2x-       sin^3x
cos4x=cos^4x       -6sin^2xcos^2x       +sin^4x
sin4x=   4sin xcos^3x        -4sin^3xcos x
cos5x=cos^5x       -10sin^2xcos^3x      +5sin^4xcos x
sin5x=   5sin xcos^4x        -10sin^3xcos^2x      +sin^5x
end{tabular}.
このようにしてド・モアブルが1730年,次のような一般的な公式を導出した.
cos nx=n*cos^nx-nC2sin^2cos^{n-2}x+nC4sin^4cos^{n-4}x+…,
sin nx=nC1sin xcos^{n-1}x-nC3sin^3xcos^{n-3}x+….

99Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2005/11/15(火) 17:57:28
sinとcosの特殊な値についてを求めておく.
正三角形ABCについてAからBCに下ろした垂線の足をHとすると2BH=ABであるので
三平方の定理からsin30°=1/2,cos30°=√3/2.
正方形ABCDに含まれる直角二等辺三角形ABCに三平方の定理を施すことにより
sin45°=√2/2.
正五角形ABCDEの対角線BEとACの交点をF,EからAFに下ろした垂線の足をHとおくと
三角形ACEと三角形EAFが相似であり,相似比をx:1とおくと,
正五角形のひとつの内角が108°,よって∠EAF=36^°.
したがってsin18°=1/(2x).
BE=BF+FEよりx=(1/x)+1よりx=(1+√5)/2であるので
sin18°=(√5-1)/4.
また
sin15°=√((1-cos^2 30°)/2)=√((2-√3)/2)
=(√3-1)/(2√2)=(√6-√2)/4.

詳しい表を「て」にうpしておいた.
三度刻みの詳しい表は1770年頃ランベルトによって作成された.

1.4.1読了.

100Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/03(火) 08:04:54
>>98

× cos nx=n*cos^nx-nC2sin^2cos^{n-2}x+nC4sin^4cos^{n-4}x+…,
○ cos nx=cos^nx-nC2sin^2cos^{n-2}x+nC4sin^4cos^{n-4}x+…,
ですた。

101Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/03(火) 08:34:06
>>100
すんません
× cos nx=cos^nx-nC2sin^2cos^{n-2}x+nC4sin^4cos^{n-4}x+…,
○ cos nx=cos^nx-nC2sin^2xcos^{n-2}x+nC4sin^4xcos^{n-4}x+…,

xが二箇所抜けてました。

102Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:14:45
1.4.2級数展開
角をラジアンで計れば,xを非常に小さくすることによってsin xをxで近似できると
オイラーは述べました(1748).
このことは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/4125/1122386530/93
で述べましたが,ここではこれをともかく一旦認めることとして話を先に進めましょう.

103Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:15:21
ド・モアブルによる公式
cos nx=cos^nx-(n(n-1)/2*1)sin^2xcos^(n-2)x+(n(n-1)(n-2)(n-3)/4*3*2*1)sin^4xcos^(n-4)x+…,
sin nx=n*sin xcos^(n-1)x-(n(n-1)(n-2)/3*2*1)sin^3xcos^(n-3)x+…
において,
yを任意に固定し,x=(y/n)とおき,nを限りなく大きくすることによってxを0に近づけると
sin xはxに近づきcos xは1に近づきます.
nを限りなく大きくすることにより
cos x=cos(y/n)が1に近づくとはいえ
cos^nx=cos^n(y/n)が1に近づくかどうかは,直ちにはいえません.
>>63のようなことも起こりえますので.
しかし今の場合は>>59の定理によれば,
cos^nx=cos^n(y/n)
=(cos^2(y/n))^(n/2)
=(1-sin^2(y/n))^(n/2)
=1-(n/2)sin^2(y/n)+((n/2)*((n/2)-1)/2*1)sin^4(y/n)+…
となるのでnを限りなく大きくすればcos^nxは1に近づくことがわかります.

104Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:15:43
こうして級数
cos y=1-(1/2!)y^2+(1/4!)y^4-…,
sin y=y-(1/3!)y^3+(1/5!)y^5-…
が得られます(ニュートン(1669),ライプニッツ(1691),ヤコブ・ベルヌーイ(1702)).
この導き方はヤコブ・ベルヌーイとオイラーによるものです.
「て」にグラフをうpしときます.

105Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:16:04
tan xに対する級数
tan xが級数
a_0+a_1x+a_2x^2+a_3x^3+…
で書けたとすると,ヤコブ・ベルヌーイによる級数から
x-(1/6)x^3+(1/120)x^5-…=(a_0+a_1x+a_2x^2+a_3x^3+…)(1-(1/2)x^2+(1/24)x^4-…)
であるはずです.
係数を比較すると
a_0=a_2=a_4=…=0,
a_1=1,
a_3-(1/2)a_1=-(1/6),
a_5-(1/2)a_3+(1/24)a_1=(1/120),…
なので
a_0=a_2=a_4=…=0,
a_1=1,
a_3=(1/3),
a_5=(2/15),…
となり
tan x=x+(1/3)x^3+(2/15)x^5+…
が成り立ちます.

106Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:16:52
古代の計算の表
sin15°,sin18°,cos15°,cos18°がわかっていることから
プトレマイオスは>>93の式を使ってsin3°の値を求め,
さらに>>97の式を使ってsin1.5°,sin0.75°の値を求めました.
>>93とそこから派生する式からはsin1°の値は出ないのですが,
彼はなんと幾何学的直感によりxが非常に小さければsin xとxは非常に近いとし,
(4/3)sin0.75°の値をsin1°の近似値であるとしました.
これを認めれば,ド・モアブルの式からsin2°,sin3°,sin4°,…の値は求まります.

107Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:17:18
sin3°
=sin(18°-15°)
=sin18°cos15°-cos18°sin15°
=(sqrt(5)-1/4)*(sqrt(6)+sqrt(2)/4)-(1/2)sqrt(5+sqrt(5)/2)(sqrt(6)-sqrt(2)/4)
=0.309016994*0.965925826-0.951056516*0.258819045
=0.052335956,

>>97の式から
sin1.5°
=sqrt(1-cos3°/2)
=sqrt(1-sqrt(1-sin^23°)/2)
=0.0261769482,

sin0.75°=sqrt(1-sqrt(1-sin^21.5°)/2)
=0.0130895955.

108Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:18:08
一方
1.5°=(pi/180)*(3/2)=(pi/120)
=0.0261799388,

0.75°=(pi/180)*(3/4)
=(pi/240)
=0.0130899694.

よって
(0.75°/sin0.75°)
=1.00002856,

(1.5°/sin1.5°)
=1.00011425

ですので

sin1°と(4/3)sin0.75°=0.017452794の誤差は0.011425%以下です.

109Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:18:34
レギオモンタヌスは1464年頃,小数点以下第5位の精度での1'刻みの正弦表を作成しました.
>>97の式を繰り返し使って,sin0.9375'の値を得ますからこの値を(10000/9375)
すればsin1'に近い値が出るというわけでしょう.

110Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:18:57
sin1°の非常に精密な値はアル・カーシーによって1429年頃計算されています.
>>98の公式より
sin3°=3sin1°-4sin^31°であるので,3次方程式
-4x^3+3x=sin3°
を解けばよいわけです.
まず,xに比べて-4x^3を非常に小さいものとして無視すれば,
xは
sin3°/3に非常に近い値だと考えられます.

111Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:19:18
次に
x=(sin3°/3)+δとして

-4((sin3°/3)+δ)^3+sin3°+3δ=sin3°
となりますがδに比べてδ^2,δ^3を非常に小さいものとして無視すれば
-(4/27)sin^33°-(4δ/3)sin^23°+3δ
は0に非常に近くなり,
δは
(4sin^33°/27(3-(4sin^23°/3)))
=(4sin^33°/9(9-4sin^23°))
に非常に近くなります.

112Мечислав(☆11) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/05(木) 08:20:31
これらよりxは
(sin3°/3)+(4sin^33°/9(9-4sin^23°))
=0.0174524064
に近い値であると考えられます.
この値とグーグル検索によるsin1°=0.0174524064はこの桁まで違いがありません.

さて,ヤコブ・ベルヌーイによる級数の威力をこの節の最後に示しておきましょう.
sin x=x-(x^3/3!)+(x^5/5!)-(x^7/7!)+…においてたった3項
(pi/180)-(pi^3/180^3*6)+(pi^5/180^5*120)
=0.0174524064
と計算するだけで先のアル・カーシーによる精度を得ることができます.

えー、この節の文中sqrtとあるのは√, piとあるのはπと読み替えてください。
直すのを忘れてました。
1.4.2読了

113Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:35:15
1.4.3逆三角関数
線分OAの長さを1とします.
Oを中心とする半径1の円を考えます.
円周上に1点BをとってBから線分OAに垂線を下ろし,その足をHとします.
また直線OBと点Aにおける円の接線との交点をCとします.
線分BH,OH,CAの長さをそれぞれx,y,zとするときの弧ABの長さを
arcsin x=arccos y=arctan zと定義します.
三角函数は周期函数ですのでxに対して
arcsin x,arccos x,arctan xの値はそれぞれ一意には決まりません.
ここではxに対して,主値と呼ばれる
-π/2<arcsin x<π/2,0<arccos x<pi,-π/2<arctan x<π/2
の範囲の値をとる函数を考えます.

114Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:35:42
arctan xの級数

arctan xの級数は1671年にグレゴリーが発見し,
1674年にライプニッツが再発見しました.
OAを長さ1の線分とし,Oを中心,半径1の円を考えます.
Bを円周上に∠AOB<π/4となるようにとり,
直線OBと点Aにおける円の接線との交点をCとします.
AC=x,弧ABの長さをyとおくとy=arctan xです.

115Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:36:22
円周上に点Dを弧ABの長さと弧BDの長さが同じになるようにとります.
扇型OABDOの面積は,弧ABD上に等間隔にA_0=A,A_1,A_2,…,A_n=Dと点を打ち,
n個の小さい扇型OA_iA_(i+1)に分け,
その面積が底辺A_iA_(i+1),高さ1の三角形に近いことを利用し,
扇型全体の面積は,これらn個の小扇型の面積の総和と等しい面積をもつ
底辺が弧ABD,高さ1の直角三角形の面積に近く,
nを限りなく大きくすることにより
扇型の真の面積に近づくというケプラーの方法によってy.

116Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:36:50
四角形OACDOの面積は底辺OA=1,高さAC=xの直角三角形二つ分でx.
三日月形ACDBAの面積は次のように分割して求められます.
線分ACをA=C_0,C_1,C_2,…,C_n=Cとn等分し,
各C_iから円に接線を引きます.接点をB_iとすると,
線分C_iC_(i+1),線分C_(i+1)B_(i+1),
弧B_(i+1)B_i,線分B_iC_iで囲まれた部分の面積は,
点B_(i+1)から直線CAに下ろした垂線の足をD_(i+1)とおくと,
底辺C_iC_(i+1),高さD_(i+1)B_(i+1)の直角三角形の面積に近く,>>97を使えば
D_(i+1)B_(i+1)=1-cos∠B_(i+1)OA=2sin^2(∠B_(i+1)OA/2)
=2sin^2 ∠C_(i+1)OA=(2sin^2∠C_(i+1)OA)/(sin^2∠C_(i+1)OA+cos^2∠C_(i+1)OA)
=(2tan^2∠C_(i+1)OA)/(1+tan^2∠C_(i+1)OA)
=(2(C_(i+1)A)^2)/(1+(C_(i+1)A)^2)
となるので
その直角三角形の面積は
(({C_(i+1)A)^2/(1+(C_(i+1)A)^2))*(C_iC_(i+1))
となります.

117Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:37:08
nを限りなく大きくすれば三日月形ACDBAの面積はこの小さな直角三角形の面積の総和に
近づきますが,この総和は
y=t^2/(1+t^2)のグラフとy軸,t軸,直線t=xで囲まれた図形の面積に一致します.
>>54を使えば
t^2/(1+t^2)
=t^2*(1/(1-(-t^2)))
=t^2(1+(-t^2)+(-t^2)^2+(-t^2)^3+…)
=t^2-t^4+t^6-t^8+…
ですので
この面積は>>80の定理(フェルマ)によって
(1/3)x^3-(1/5)x^5+(1/7)x^7-(1/9)x^9+…
となります.
以上より級数
arctan x=x-(1/3)x^3+(1/5)x^5-(1/7)x^7+(1/9)x^9-…
が得られます.

118Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:37:47
arcsin xの級数

これはニュートンによって発見されました.

OAを長さ1の線分とし,Oを中心,半径1の円を考えます.
Bを円周上に∠AOB<π/2となるようにとり,
点Aにおける円の接線へBから下ろした垂線の足をCとします.
AC=x,弧ABの長さをyとおくとy=arcsin xです.

119Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:38:04
線分AC上に等間隔にA_0=A,A_1,A_2,…,A_n=Cと点を打ち,
各A_iをとおり直線OAに平行な直線と円の交点をB_iとします.
点B_(i+1)から直線A_iB_iにおろした垂線の足をC_iとおきます.
このとき弧B_iB_(i+1)の長さと線分B_iB_(i+1)の長さは近く,
線分B_iB_(i+1)の長さはA_(i+1)A_i/√(1-(AA_i)^2)に近い値となり,
nが大きいほど三者の差は小さくなります.
したがって弧ABの長さyは
y=1/√(1-t^2)のグラフとy軸,t軸,t=xで囲まれた図形の面積に一致します.
一般二項定理(>>59)によれば
(1-t^2)^(-(1/2))
=1+(-(1/2))(-t^2)+(1/2)(-(1/2))(-(1/2)-1)(-t^2)^2
+(1/6)(-(1/2))(-(1/2)-1)(-(1/2)-2)(-t^2)^3+…
=1+(t^2/2)+(3/8)t^4+(5/16)t^6+…
となりますので
arcsin x=x+(x^3/6)+(3/40)x^5+(5/112)x^7+…
を得ます.

120Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/01/20(金) 16:48:15
1.4.3読了。

「て」にpdf版をうpしました。

122Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/02(水) 04:05:57
1.4.4πの計算
アルキメデスによるπの近似値計算を再現してみましょう.
半径1の円に内接する正n角形の周は
2n*sin(π/n),
外接する正n角形の周は
2n*tan(π/n)だから
n*sin(π/n)<π<n*tan(π/n)です.
0<θ<(π/2)なら
sinθ<2sin(θ/2),2tan(θ/2)<tanθ
なので
a_n=n*sin(π/n),b_n=n*tan(π/n)
とおくと
a_n<a_(2n)<a_(4n)<…<π<…<b_(4n)<b_(2n)<b_n
となります.
アルキメデスは>>97を何度もつかって
a_(96),b_(96)を求めました.

123Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:05:45
sin(π/12)=√(1-cos(π/6)/2)=√((2-√3)/4),
cos(π/12)=√((2+√3)/4)
より
sin(π/24)=√(1-cos(π/12)/2)=√(2-√((2+√3)/4)),
cos(π/24)=√(2+√((2+√3)/4)).
これより
sin(π/48)=√(1-cos(π/24)/2)=√(2-√(2+√(2+√3))/4),
cos(π/48)=√(2+√(2+√(2+√3))/4).
これより
sin(π/96)=√(1-cos(π/48)/2)=√(2-√(2+√(2+√(2+√3)))/4),
cos(π/96)=√(2+√(2+√(2+√(2+√3)))/4).
これより
tan(π/96)=√(2-√(2+√(2+√(2+√3))))/(2+√(2+√(2+√(2+√3))))
=(2-√(2+√(2+√(2+√3))))/√(2-√(2+√(2+√3))).

124Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:32:59
17^2=(10+7)^2=10^2+14・10+49=289,
18^2=17^2+17+18=324,
173^2=172^2+172+173=29929,
174^2=173^2+173+174=30276,
1732^2=1731^2+1731+1732=2999824,
1733^2=1732^2+1732+1733=3003289,
17320^2=299982400,
17321^2=17320^2+17320+17321=300017041,
173205^2=173204^2+173204+173205=29999972025,
173206^2=173205^2+173205+173206=30000318436,
1732050^2=2999997202500,
1732051^2=1732050^2+1732050+1732051=3000000666601
17320508^2=17320507^2+17320507+17320508=299999997378064,
17320509^2=17320508^2+17320508+17320509=300000032019081.
よって1.7320508<√3<1.7320509.したがって3.7320508<2+√3<3.7320509.

125Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:34:16
19^2=(10+9)^2=10^2+18・10+81=361,
20^2=19^2+19+20=400,
193^2=192^2+192+193=37249,
194^2=193^2+193+194=37636,
1931^2=1930^2+1930+1931=3728761,
1932^2=1931^2+1931+1932=3732624,
19318^2=19317^2+19317+19318=373185124,
19319^2=19318^2+19318+19319=373223761,
193185^2=193184^2+193184+193185=37320444225,
193186^2=193185^2+193185+193186=37320830596,
1931851^2=1931850^2+1931850+1931851=3732048286201,
1931852^2=1931851^2+1931851+1931852=3732052149904,
19318516^2=19318515^2+19318515+19318516=373205060442256,
19318517^2=19318516^2+19318516+19318517=373205099079289.
よって1.9318516<√(2+√3)<1.9318517.
したがって3.9318516<2+√(2+√3)<3.9318517.

126Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:35:17
19^2=361,
198^2=197^2+197+198=39204,
199^2=198^2+198+199=39601,
1982^2=1981^2+1981+1982=3928324,
1983^2=1982^2+1982+1983=3932289,
19828^2=19827^2+19827+19828=393149584,
19829^2=19828^2+19828+19829=393189241,
198288^2=198287^2+198287+198288=39318130944,
198289^2=198288^2+198288+198289=39318527521,
1982889^2=1982888^2+1982888+1982889=3931848786321,
1982890^2=1982889^2+1982889+1982890=3931852752100,
19828897^2=19828896^2+19828896+19828897=393185156236609,
19828898^2=19828897^2+19828897+19828898=393185195894404.
よって
1.9828897<√(2+√(2+√3))<1.9828898.
したがって
3.9828897<2+√(2+√(2+√3))<3.9828898.

127Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:36:38
199^2=39601,
1995^2=1994^2+1994+1995=3980025,
1996^2=1995^2+1995+1996=3984016,
19957^2=19956^2+19956+19957=398281849,
19958^2=19957^2+19957+19958=398321764,
199571^2=199570^2+199570+199571=39828584041,
199572^2=199571^2+199571+199572=39828983184,
1995717^2=1995716^2+1995716+1995717=3982886344089,
1995718^2=1995717^2+1995717+1995718=3982890335524,
19957178^2=19957177^2+19957177+19957178=398288953723684,
19957179^2=19957178^2+19957178+19957179=398288993638041.
よって
1.9957178<√(2+√(2+√(2+√3)))<1.9957179.
したがって
0.0042821<2-√(2+√(2+√(2+√3)))<0.0042822.

128Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:37:53
6^2=36,
65^2=64^2+64+65=4225,
66^2=65^2+65+66=4356,
654^2=653^2+653+654=427716,
655^2=654^2+654+655=429025,
6543^2=6542^2+6542+6543=42810849,
6544^2=6543^2+6543+6544=42823936,
65438^2=65437^2+65437+65438=4282131844,
65439^2=65438^2+65438+65439=4282262721,
654377^2=654376^2+654376+654377=428209258129,
654378^2=654377^2+654377+654378=428210566884.
よって
0.0654377<√(2-√(2+√(2+√(2+√3)))).

したがって
a_(96)>48・0.0654377=4・0.654377+8・0.0654377
=2・1.308754+4・0.1308754=2.617508+2・0.2617508
=2.617508+0.5235016=3.1410096
>3+(71・0.1410096/71)=3+((7・1.410096+0.1410096)/71)
=3+((9.870678+0.1410096)/71)=3+(10.0116876/71)>3+(10/71).

129Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:39:56
1.9828897<√(2+√(2+√3))<1.9828898より
0.0171102<2-√(2+√(2+√3))<0.0171103.
13^2=169,
130^2=16900,
131^2=130^2+130+131=17161,
1308^2=1307^2+1307+1308=1710864,
1309^2=1308^2+1308+1309=1713481,
13080^2=171086400,
13081^2=13080^2+13080+13081=171112561,
130806^2=130805^2+130805+130806=17110209636,
130807^2=130806^2+130806+130807=17110471249,
1308059^2=1308058^2+1308058+1308059=1711018347481,
1308060^2=1308059^2+1308059+1308060=1711020963600.
よって
0.130859<√(2-√(2+√(2+√3))).
0.0042821<2-√(2+√(2+√(2+√3)))<0.0042822と併せて
b_(96)<96・0.0042822/0.130859=96・42822/1308590
=((4282200-4・42822)/1308590)=((4282200-171288)/1308590)
=4110912/1308590=((3・1308590+185142)/1308590)
=3+(185142/1308590)=3+((1・130859+54283)/1308590)
=3.1+(54283/1308590)=3.1+((4・13085.9+1939.4)/1308590)
=3.14+(1939.4/1308590)=3.14+((1・1308.59+630.81/1308590)<3.142<3+(1/7).
以上より
3+(10/71)<π<3+(1/7).

130Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:41:18
この方法でのπの評価の改良はその後およそ千八百年間行われなかったのですが,
アドリアン・ファン・ルーメンがこの計算を何年にもわたってして
小数点以下20桁までを1580年に,ついでルドルフ・ファン・ケーレンが
a_(6・2^(60)),b_(6・2^(60))を計算することにより
小数点以下35桁までを1616年に求めました.

131Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 01:44:49
ライプニッツの級数

>>117の級数においてx=1とすることにより
π/4=1-(1/3)+(1/5)-(1/7)+…
なるライプニッツの級数(1682年)を得ますが,
4(1-(1/3)+(1/5)-(1/7)+(1/9)-(1/11)+(1/13)-(1/15))
=4.000000000000000000
-1.333333333333333333
+0.800000000000000000
-0.571428571428571428
+0.444444444444444444
-0.363636363636363636
+0.307692307692307692
-0.266666666666666666
=2.997071807071807073
と非常に収束が遅く,実用的ではありません.

132Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:10:27
>>117の級数において x=1/√3とおくことにより
(π/6)=(1/√3)-(1/3√3)+(1/(5・3^2√3))-(1/(7・3^3√3))+(1/(9・3^4√3))-…
なる級数も得られますが(ド・ラニー,1719年),
2√3(1-(1/(3・3))+(1/(5・3^2))-(1/(7・3^3))+(1/(9・3^4)))
=(2√3)(3^6・5・7-3^4・5・7+3^4・7-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3)(2^3・3^4・5・7+3^4・7-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3)(3^4・7・41-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3)(23247-3^3・5+5・7)/(3^6・5・7)
=(2√3・23237)/(3^6・5・7)=3.1548238
と少々ましな値が出ます.

133Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:10:47
S_n=4��[k=1,n]((-1)^(k-1)/(2k-1))
とおくと
S_(2n-1)=4��[k=1,2n-1]((-1)^(k-1)/(2k-1))
=4��[k=1,n-1]((1/(4k-3))-(1/(4k-1)))+(4/(4n-3))
=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3)),
S_(2n)=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3))-(4/(4n-1)),
S_(2n+1)=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3))-(4/(4n-1))+(4/(4n+1)),
S_(2n+2)=4��[k=1,n-1](2/(4k-3)(4k-1))+(4/(4n-3))-(4/(4n-1))+(4/(4n+1))-(4/(4n+3))
であるので
数列{S_(2n-1)}は減少数列,数列{S_(2n)}は増加数列です.
また,
lim[n→∞]S_(2n-1)=lim[n→∞]S_(2n)=πであり,
S_(2n-1)>S_(2n)<S_(2n+1)ですので
S_(2n)<π<S_(2n+1)となります.
S_(2n+1)-S_(2n)=(4/(4n+1))ですので,
たとえば小数点以下百桁まで正確にπの値を計算したければ,
(4/(4n+1))<10^(-101)となるように即ちおよそ
5・10^(100)項目までの和の計算が必要です.

134Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:16:18
T_n=6��[k=1,n]((-1)^(k-1)/(2k-1)(√3)^(2k-1))
とおいても
T_(2n-1)>T_(2n)<T_(2n+1)で,
T_(2n+1)-T_(2n)=6/((4n+1)(√3)^(4n+1)).
T_(211)-T_(210)=6/(421・(√3)^(421))=6/(421・9^(105)√3)
=6/(421・10^(105*(log[10]9)√3))<6/(421・10^(105・0.95)√3)
<1/(70・10^(99.75)・1.73)
だから小数点以下百桁までの値は210項までの和で十分です.なんという違い!

135Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:22:57
>>119の級数でx=1/2とすれば
π/6=(1/2)+(1/2)・(1/(3・2^3))+(1・3)/(2・4)・(1/(5・2^5))+…というのも得られます.
tanの加法定理(>>95)でu=tan x,v=tan yとすればx=arctan u,y=arctan vなので
-(π/2)<x+y<(π/2)なら
arctan u+arctan v=arctan((u+v)/(1-uv))
となりますが
u=1/2,v=1/3とすると
π/4=arctan(1/2)+arctan(1/3)
が成り立ちます(オイラー,1737年).
4/(331・2^(331))=4/(331・10^(331*log[10]2))<4/(331・10^(331・0.301))
<1/(82.75・10^(331・0.301))<1/(82.75・10^(99.631)).
小数点以下百桁までの値は165項までの和でわかります.

136Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:23:15
また
u=v=1/5とすると
2arctan(1/5)=arctan(5/12),
u=v=5/12とすると
2arctan(5/12)=arctan(120/119)が得られますが,
これらより
4arctan(1/5)=arctan(120/119)が得られます.
よって
u=120/119,v=-1/239とすると
arctan(-x)=y⇔-x=tan y⇔x=-tan y⇔x=tan(-y)⇔arctan x=-y⇔-arctan x=y
より
π/4=4arctan(1/5)-arctan(1/239)が得られます(マチン,1706年).
16/(143・5^(143))=16/(143・10^(143*log[10]5))
<16/(143・10^(143・0.698))<1/(8.9375・10^(99.814)).
小数点以下百桁までの値は72項までの和でわかります.

137Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:30:06
この種の級数はガウスがいろいろと発見してるようです.
その発見を追体験しようとしましたが,うまくいきませんでした.
次のような公式を発見したという記述があったのですが,
これの正しさの検証すらうまくできませんでしたorz.

π/4=12arctan(1/18)+8arctan(1/57)-5arctan(1/239),
π/4=12arctan(1/38)+20arctan(1/57)+7arctan(1/239)+24arctan(1/268).

1.4.4一応読了.

138Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2006/08/03(木) 03:41:06
えー、pdf版を「て」にうpしました。
。。この作業も半年振りだ。。

139臺地 ◆6rqpPuO9q2:2006/08/03(木) 20:08:33
忙しい中、お疲れ様です!
具体的な計算の跡が豊富ですね。
図書館で本が借りられればなぁ・・・。

140あしぺた:2006/08/03(木) 21:02:05
先生、久しぶりの頑張り乙(笑)


ハイラーワナーって歴史のどうでもいいこと書いてるから、
とても良い本だけどところどころ重たいよね(笑)
数学書としては珍しくないが、入門書としては、そのあたり微妙だなと。

141Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:54:20
1.4.5演習問題
1(ニュートン(1669))
arcsinに対する級数
          z=x+(1/6)x^3+(3/40)x^5+(5/112)x^7+…
を用いて,x=sin zに対する級数を求めよ.
またw=√(1-x^2)を展開してw=cos xの級数を求めよ.

142Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:54:58
解答
          x=a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…
であるとすれば,
          z=(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)
           +(1/6)(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)^3
           +(3/40)(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)^5
           +(5/112)(a_1z+a_2z^2+a_3z^3+…)^7
           +….

143Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:55:27
1次の係数が1であることよりa_1=1.よって
          z=(z+a_2z^2+a_3z^3+…)
           +(1/6)(z+a_2z^2+a_3z^3+…)^3
           +(3/40)(z+a_2z^2+a_3z^3+…)^5
           +(5/112)(z+a_2z^2+a_3z^3+…)^7
           +….
2次の係数が0であることよりa_2=0.よって
          z=(z+a_3z^3+…)+(1/6)(z+a_3z^3+…)^3
           +(3/40)(z+a_3z^3+…)^5+(5/112)(z+a_3z^3+…)^7+….
3次の係数が0であることよりa_3+(1/6)即ちa_3=-(1/6).よって
          z=(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)+(1/6)(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)^5+(5/112)(z-(1/6)z^3+a_4z^4+…)^7+….

144Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:55:46
4次の係数が0であることよりa_4=0.よって
          z=(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)+(1/6)(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)^5+(5/112)(z-(1/6)z^3+a_5z^5+…)^7+….
5次の係数が0であることよりa_5+3・(1/6)(1・(-(1/6)))+(3/40)=0即ち
          a_5=(1/12)-(3/40)=((10-9)/120)=(1/120).よって
          z=(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)
           +(1/6)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)^5
           +(5/112)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_6z^6+…)^7+….
6次の係数が0であることよりa_6=0.よって
          z=(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)
           +(1/6)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)^3
           +(3/40)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)^5
           +(5/112)(z-(1/6)z^3+(1/120)z^5+a_7z^7+…)^7+….

145Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:56:06
7次の係数が0であることより
          a_7+(1/6)(3・(-(1/6))^2+3・(1/120))+(3/40)(5・(-(1/6)))+(5/112)=0
即ち
          a_7=-(1/(2・3))((1/(2^2・3))+(1/(2^3・3・5)))+(1/2^4)-(1/(2^4・7))
           =-(1/(2^3・3^2))-(1/(2^4・3・5))+(1/2^4)-(5/(2^4・7))
           =((-2・5・7-3・7+3^2・5・7-3^2・5^2)/(2^4・3^2・5・7))
           =((2^5・7-3^2・5^2)/(2^4・3^2・5・7))
           =-1/7!.
これらより
          sin x=x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+….

146Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/05/29(火) 04:56:25
>>59のニュートンの一般二項定理によると
          √(1-x^2)=(1+(-x^2))^(1/2)
          =1+(1/2)(-x^2)+((1/2)・((1/2)-1)(-x^2)^2/2!)
          +((1/2)・((1/2)-1)・((1/2)-2)(-x^2)^3/3!)
          +…
          =1-(1/2)x^2-(1/8)x^4-(1/16)x^6+…
であるので
          cos x=√(1-sin^2x)
          =1-(1/2)(x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+…)^2
          -(1/8)(x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+…)^4
          -(1/16)(x-(1/3!)x^3+(1/5!)x^5-(1/7!)x^7+…)^6+…
          =1-(1/2)x^2+((1/2)・2・(1/3!)-(1/8))x^4
          +(-(1/2)・((1/3!))^2-(1/2)・2・(1/5!)-(1/8)・4・(-(1/3!))-(1/16))x^6+…
          =1-(1/2)x^2+((1/(2・3))-(1/(2^3))x^4
          +(-(1/(2^3・3^2))-(1/(2^3・3・5))+(1/(2^2・3))-(1/2^4))x^6+…
          =1-(1/2)x^2+((2^2-3)/(2^3・3))x^4+((-2・5-2・3+2^2・3・5-3^2・5)/(2^4・3^2・5))x^6+…
          =1-(1/2!)x^2+(1/4!)x^4-(1/6!)x^6+….

147Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/13(水) 03:16:23
2 弦関数の加法定理に対するプトレマイオスの原証明を理解せよ.

プトレマイオスの補題
四角形ABCDが円に内接するならば,
          CB・AD+DC・AB=AD・BD.

148Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/13(水) 03:16:38
補題の証明.
辺AC上に点Eを
          ∠EDA=∠CDB
となるようにとる.
∠CBDも∠CAD=∠EADも弧CDに対する円周角であるからこれらは等しい.
よって△EDAと△CDBは相似となるので
          CB/BD=EA/AD.
∠CDE=∠CDB+∠BDE=∠EDA+∠BDE=∠ADE+∠EDB=∠ADB=∠BDA
であり
∠DCE=∠DCAも∠DBAも弧DAに対する円周角であるからこれらは等しい.
よって△DCEと△DBAも相似となるので
          AB/BD=ED/DC.
よって
          CB・AD+DC・AB=EA・BD+ED・BD=(AE+ED)・BD=AD・BD.
補題の証明終わり.

149Мечислав(☆12) ◆QRDTxrDxh6:2007/06/13(水) 03:16:54
BDが外接円の直径であるとき,
∠CDB=∠CAB=α/2,∠BDA=∠BCA=β/2とおくと,
          CB=BDsinα/2,AD=BDcosβ/2,DC=BDcosα/2,AB=BDsinβ/2.
CFを外接円の直径とすると,(α+β)/2=∠CDA=∠CFAとなるので
          CA=CFsin((α+β)/2)=BDsin((α+β)/2).
補題より
          2sin((α+β)/2)=2sin(α/2)cos(β/2)+2cos(α/2)sin(β/2).
よって
          chord(α+β)=chordαcos(β/2)+cos(α/2)chordβ,
即ち
          chord(α+β)=(1/2)(chordαchord(π-β)+chord(π-α)chordβ)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板