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「集合・位相入門」輪読会
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E) 写像の終集合に関する注意
写像は対応の特別なものであって、1つの写像には、
必ずその定義域(=始集合)および終集合が、
それぞれ確定したものとして付随しています。
したがって、2つの写像はそれらの定義域が一致しないか、
または終集合が一致しないならば、等しくないことになります。(cf.>>258)
しかし写像の終集合については、このような厳格な立場を少しゆるめて、
いくらか自由に考えたほうが都合がよいこともあります。
例えば写像 f: A→B が与えられて、
V(f)がBの真部分集合であるとき、(つまり B−V(f)≠φ のとき)
V(f)を含む別の集合B'を考えて、
写像 f': A→B' を ∀a∈A(f(a)=f'(a)) によって定義すれば、
fとf'は終集合は異なるものの、本質的に大きな違いはありません。
実際、場合によっては、このような2つの写像fとf'を等しい(f=f')
と考えたほうが便利なこともあります。
このような立場を”終集合を重視しない”立場と言うことにします。
この立場をとる場合、
写像はその定義域と定義域の各元の像のみによって定まる概念とされ、
終集合は値域V(f)を含む集合でありさえすれば、何でもよいとされます。
もっともこのような立場が取られることは決して多くはありません。
本書では、AからBへの写像、あるいは写像 f: A→B などと言うときは
今までどおり、定義域とともに終集合をも重視しているものとします。
終集合を重視しない立場をとっていることを示したい場合には、
定義域だけを強調して、’Aを定義域とする写像’、’Aで定義された写像’
などの語法を用いることにします。
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