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コーポレートファイナンス 初歩の初歩

12帝王学の基本は闘争本能:2004/05/24(月) 00:48
・配当シグナル効果説(The information content or signaling hypothesis)
  → 増配を公表した会社の株価は比較的上昇し易い。
    これは、投資家が当該会社の「配当政策」が変化したとは考えないで、「期待収益」が変化したと考える。すなわち、収益性の向上を期待しているのである。
    情報の非対称性の問題から、会社のことを一番分かっているはずの経営者が増配を公表した以上、会社が市場に対して将来の収益について楽観的な見通しを持っているというシグナルを送っているとみなされるわけである。
・顧客効果(Clientele effect)
  → 前述したモジリアーニ=ミラーの考え方をやや敷衍したものと言えようか。
    ① 累進課税制度を前提とする社会では、高い税率を課されている富裕層の個人投資家の場合、相対的に税金の高い配当による分配よりも、相対的に税率の低いキャピタルゲインによる収益実現を好む。
    ② 一般事業法人の場合、受取配当金に関しては、益金不参入の制度があるため、現金配当での収益実現を志向するので、高い配当性向を好む。
    ③ 年金基金の場合、そもそも配当課税が行われない(非課税)なのであるから、上記②と同様の投資行動をとる。
    すなわち、株主となる投資家層の選好が異なるのである。
    このことは、投資家は、自分の選好と合致する会社をあらかじめ選択して投資していることになる。
    だとすれば、個々の会社は配当性向を変化させても株価を変化させることはできないはずである。なぜならば、当該企業の変化した後の配当性向を好まない投資家から、好む投資家へと株主層が変化するだけだからである。
    よって、個々の会社での配当政策は、株価に影響を与えることはない。
・残余配当モデル(The residual dividend model)
  → 省略。
・自己株買い
  → 日本でも会社による自己株式の購入が認められた(しかも金庫株まで)が、この自己株式を購入することによって、株価が変化することがある。
    そもそも、自己株式の購入は、一定範囲で認められた自己資本を元手に市場から自己株式を購入するわけであるから、資本構成として、現金(=資産)を自己株式(=資本)に置き換えただけであり、少なくとも企業価値の変化をもたらすようなものではないはずである。
    では、何故、自社株買いに株価は反応するのか。その理由として考えられているものとしては、次のようなものが挙げられる。
    ① 情報の非対称性から、経営者による市場へのポジティブなシグナルであると受け止められるから(シグナル効果)
    ② 自社株買いに応じるのか否かの選択権は、あくまで株主が保持するから
    ③ 浮動株を減少させることができるので、株価の下支え効果が期待できるから
    ④ 資本構成を大きく変化させることができるから
    もっとも、これに対しては次のような問題点も指摘されている。
    ① 株主は、収益実現の方法(配当か、売却益か)について無関心ではないので、かならずしも自己株買いを歓迎するとは限らない。
    ② 会社が市場での株価を大きく超えて自己株買いを行った場合、これに応じた株主と応じなかった株主の間で不平等が生じる結果となる。


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