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他大学の試み

995凡人:2017/05/01(月) 09:58:13 ID:43ozVO8k0
3.手術適応判断の厳格化
 群大の肝胆膵外科(第二外科)は、手術適応を1人もしくは2人で決めていた。第一外科は「適応が厳しい」という評判があり、「第一外科ではだめでも、第二外科では受け取ってくれるかもしれない、という認識が認識されていた。これは多くの病院で経験することではないか」(長尾氏)。
 手術適応は、特に外来で、複数医師で検討することが必要であり、内科と外科の合同の検討会を充実させる必要がある。また単に検討会を開催すればいいのではなく、検討会の質も標準可が必要。

4.真に求められるインフォームド・コンセントの実践
 インフォームド・コンセント文書の定型化と承認システムの導入が求められる。特に外来におけるインフォームド・コンセントの充実と、患者の熟慮期間が必要。群大では、外来では時間がないため、いったん入院させてから説明をしていた。入院後に、「手術はできない」と説明すると、「患者は見捨てられた」と感じたり、紹介元の医師の意向に反することになる。
 患者にとって重要なのは、治療方針決定に当たって、十分に熟慮する機会が確保されること。事故調査でも「手術を前提とした説明は不適切」と指摘している。手術の前日に説明しても、患者は「後戻りできない」と思っているため、それでは不十分。外来で短時間でも説明し、紙を渡して熟慮してもらった方が、インフォームド・コンセントの目的にかなっている。

5.安全性が確立されていない医療行為を行う際の倫理的手続き
 保険適用外など、安全性が確認されていない医療行為を行う場合には、(1)合目的・医学的事由の確認、(2)患者への説明と選択、(3)モニタリング体制の強化、(4)診療録への記載――といった厳密な手続きが求められる。
 現実には現場では、安全性が確立していなことがたくさん実施されている。これも医療界が抱えてきた長年の課題。また、患者の費用 負担軽減のため、保険病名を付けて慣習的に行われている保険適用外の医療行為もあり、臨床研究を立ち上げるのも現実的ではない。このような場合の倫理的手続きをどの程度、厳密に遵守すべきか、医療者の認識はばらついている。こうした状況もあり、特定機能病院については、手術手技審査委員会などを持つことが求められた。
 ただ、これらは診療の質に関連する問題であり、「ヒューマン・エラーの制御のみならず、安全性・有効性が確認されていない医療行為の制御」は、医師の裁量への介入でもある。「現場」「安全」「倫理」の三つ巴で取り組むことが今後の課題。

6.医療安全報告システムの見直し
 アクシデント、インシデントレポートなど、従来の自主報告システムのみでは、主治医団が“合併症”と判断した事例に潜む課題を把握することができない。医療者の主観に依存しない報告システムの併用が求められる。群大にも「バリアンス報告基準」があった。しかし、今回の死亡事例は「説明していない合併症、または説明してあっても予想外の後遺症が残る合併症」に該当するが、実際に安全管理部に届けられたのは、死亡事例18例中、1例しかなかった。それは「真剣に取り組まなければいけないルール」として受け止められていなかったため。制度の趣旨通りに運用されていれば、死亡事例の続発は、より早期に発見できたと考えられる。その後、特定機能病院では全死亡例を報告するシステムが導入された。
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