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他大学の試み
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行き詰った日本の大学教育とそこで学ぶ学生たちのイメージが、ふと頭をかすめた。
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「ドラえもん」を学び日本の未来考える 早大で授業、開講に学生殺到
毎日新聞 2011年12月2日 東京夕刊
◇学際性重視、「しずかちゃん」も講師に
「あんなこといいな、できたらいいな♪」。文化、社会、科学技術にいたるまで、この国の「これから」を考える授業が早稲田大学で行われている。その名も「ドラえもんとニッポン未来予想図」。火曜日の午後1時、おなじみのテーマソングとともにこの授業は始まった。【立教大・高橋ひろみ】
この授業は同大オープン教育センター10周年記念・カレントトピック科目として9月開講した。カレントトピック科目とはその年の話題性のある内容を扱った1年限りの授業のこと。ロボット工学や科学技術から「ドラえもん」と「ひみつ道具」の実現可能性を検証していくだけでなく、作品内の街から、都市の変遷や社会問題についても考えていく。学問の枠をまたぎ多くのテーマを扱う授業のため、毎回講師が変わるオムニバス形式をとっている。
第7回の「『しずかちゃん』から見る女性/女性のライフデザインとその課題」の講師は、声優の野村道子さん(73)。2005年まで26年間「しずかちゃん」の声を担当した。結婚・出産を経験し、いまだ現役で仕事を続ける野村さんは「しずかちゃんにはキャリアウーマンであってほしい」と語り、学生たちにも「しずかちゃんには結婚後、どうあってほしいか」と質問を投げかけた。学生たちからは「専業主婦でもいい」「陰で支えてくれるならどちらでも」などさまざまな声が寄せられた。同作品のファンの学生からは、漫画の一場面から考察するマニアックな意見も。
過去に例をみない数の学生が登録申請したというこの授業。「学生が『夢をもつ』ということが難しい時代になったからこそ、日本の未来を考える授業にしたいと思い、スタッフ全員で相談して開講を決めた」と語るのは、この授業をコーディネートした同大社会科学部の土方正夫教授だ。
「ドラえもん」を題材にしたのは、「若い学生が幼いころから身近に感じてきた『原風景』だから」と土方教授。テレビなどのメディアは現代の生活に溶けこんでおり、アニメの世界も子どもたちにとっては原体験と同じといえるのではないかという。作品の登場人物を学生たちはよく知っている。漠然とテーマを扱うよりも、登場人物と彼らをとりまく社会を扱うことで学びにもより親近感が増すのではないかと考えたそうだ。
昨年4月から1年半をかけて授業の計画を立て、ゲストも決めていった。土方教授は「各専門分野の『論』を背景に置きながら学生に考えるヒントやきっかけを与える授業にしたかった」と話した。
また、学問の枠にとらわれない「学際性」もこの授業のキーワードだ。ある文系の学生は「『タケコプター』や『どこでもドア』の仕組みを学ぶ、物理の授業が難しかった」と話す。普段、実験や理論を研究することが多い理工学部の学生は、家族社会学や女性のキャリアを学ぶことで、人の人生や微妙な感情を軽視していたことに気づいたという。自分とは無関係だと思い込んでいた学問との出会いもこの授業にはあるようだ。
欧州金融危機や東日本大震災を経て、この国の未来を考えることとなった2011年。「ドラえもん」の世界から未来を考える授業は、子どもたちが捉えた原風景の中から現実の問題を見せてくれる。「結論はないが、夢を見てほしい」という教員の思いの詰まった授業は来年1月末まで続く。
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