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他大学の試み

70凡人:2011/11/27(日) 17:05:02 ID:xts/bGcY0
次世代の匠育てる 新生北関東 教育現場の挑戦(1)
2011/11/22 6:07 日経

 新興国の経済成長や円高の定着で、製造業の一大集積地である北関東にも「空洞化」の影が忍び寄る。地域の産業基盤を守るには、海外にまねのできないモノづくりを支えるヒトづくりが不可欠。工業高校や高等専門学校など工業教育の最前線では、若者を匠(たくみ)に育て上げようと工夫を凝らしている。

■教員と二人三脚

今夏の技能検定で、桐生工業高校の生徒は旋盤部門で全員合格を果たした(群馬県桐生市の同校)

 群馬県桐生市の県立桐生工業高校。今夏の国の技能検定・旋盤部門で受験者全員が合格、工作機械のマシニングセンター(MC)部門は8割の合格率を達成した。いずれも全国平均のほぼ2倍の高さ。技能検定に挑戦する生徒も年々増えており、MCではここ数年で受験者、合格者とも3倍以上も増加。好成績を支えるのは教員と生徒の二人三脚の努力だ。

 「マニュアルをあてにせず、もう少し深く削ってみようか」。生徒を指導するのは実際に技能検定を受検し、合格した経験を持つ若手教員。教員に受検義務はないが、教科書やマニュアルで学べない「経験知」を自らつかみ、生徒に伝える。技能検定の直前は校内の施設で1週間の合宿研修を組み、深夜まで手取り足取り指導する。

 「生徒には職人的な素養を身に付けさせたい」と豊島卓司校長。生産現場で単純作業しか担えないような人材では、空洞化の時代に生き残れない。実践的な教育への企業の評価は高く、今春の卒業生の就職決定率は100%。就職環境が厳しいなか「今年の求人数は昨年以上」(同校)という好調ぶりだ。

 10月下旬に群馬県教育委員会がまとめた中学3年生の進路希望調査によると、来春の高校受験での工業科の競争率は1.30倍と前年同期比0.07ポイント上昇。普通科の1.20倍、商業科の1.22倍を上回った。景気の先行きが不透明感を増すなか、手に職を付けられる工業高校への人気はじわりと高まっている。

 茨城県立勝田工業高校(ひたちなか市)は4年前から、メーカーの技術者OB、技能五輪出場者らを招いた講習会を定期的に開催。授業のない週末を利用し、旋盤を使った加工技術などを生徒に手ほどきする。「高校で学ぶ内容がどう生かされるか生徒がイメージしやすくなり、刺激を受けている」(同校)。技能検定の成績も年々向上しているという。

 時代のニーズに合わせて、工業教育のあり方やカリキュラムも大きく変わりつつある。

 「モーター音がほとんど聞こえない」「制御プログラムはガソリン車とどう違うの?」。学生たちが熱心にのぞき込むのは電気自動車(EV)。実験用EVに試乗し、独特の運転感覚を味わいつつ最新技術を体感する。小山工業高等専門学校(栃木県小山市)が導入した全国でも珍しい教育プログラムの一コマだ。

 期間は本科5年と専攻科2年の計7年。EVには車体の設計から電子制御、モーター、電池など幅広い分野の最新技術が詰まっている。「専門知識は深いが視野が狭いと指摘されがち」(森夏樹教授)な理系学生の欠点を克服し、視野を広げるのが狙いだ。

■海外へ語学研修

 栃木県立宇都宮工業高校は今年度から「科学技術高校」に衣替えし、9月には最新鋭の実験設備を備えた新校舎を開設。1年生は4つの系統、2年生からは11コースに分かれて専門性の高い勉強に取り組む。県は「工業教育の中核拠点」と位置付ける。

 ただ、教育現場も製造業の海外進出を意識せざるを得ない。「世界に通じるエンジニアになるには英語は不可欠だ」。群馬工業高等専門学校(前橋市)は8月、初の海外語学研修として生徒42人をカナダの大学に約1カ月間派遣。滞在中は英会話や英作文、文法を1日6時間学ばせた。担当者は「海外メーカーで働ける人材を送り出したい」と力説する。

 いかに地域のモノづくりを守りつつ、国際競争に勝ち抜くか。若者たちの成長は北関東の将来を左右する。



 少子化の進展、産業構造の転換といった時代の変わり目に教育はどう変わっていくのか。第4部は北関東の教育現場の現状と課題を追う。




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