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962凡人:2017/04/04(火) 12:35:36 ID:zq0qT2Q.0
つくり手たちは平均年齢80歳の高齢者であり、事業として拡大することは考えられていなかった。観光協会は「よそ者」として刺激を与え、日本有数のパティシエの協力を得るなど、商品の改良を後押し。その結果、「チョコちゃん」は国内最大級の地方産品コンテストで準グランプリを獲得し、売上げも増加していった。

成功体験を積み重ねることで、安芸太田町の住民は少しずつ変わっていった。吉田氏の着任後、民泊受け入れ農家は、0軒から120軒以上に増加。昨今では海外の旅行会社と組み、集落単位で住民自らがインストラクターとなり、欧米富裕層の受け入れを自発的に行うようになっている。

安芸太田町は、現在、広島県有数の元気のある過疎地と認知され、都市部の移住希望者が住みたい町「県内第1位」に。近年、人口社会減は大幅に抑制され、年によっては増加に転じるまでになった。

◆草の根の交流が地域を支える
2016年3月、吉田氏は安芸太田町での任期を満了。いくつかの自治体から誘いがあったが、吉田氏が次の赴任先として選んだのは、鹿児島県錦きん江こう町だ。

「錦江町幹部職員さんの力強い熱意を感じました。それに応えたいと思ったんです」

2016年5月、吉田氏は錦江町の地方創生担当統括監に就任。移住者の誘致活動をはじめ、従来の慣習や縦割りにとらわれない未来志向でのまちづくりを担当している。安芸太田町と同様、錦江町においても住民との対話に力を入れている。1年で町内91集落すべてを回るべく、2016年10月からスタートした説明会は40回を超えた。その他にも、町内での講演会や座談会などにも積極的に赴く。

2017年3月11日、錦江町役場の一室では、土曜日にもかかわらず賑やかにワークショップが行われていた。老脈男女が3つのグループに分かれ、模造紙を前に熱心に語り合っている。

「今回は安芸太田町から外部支援者として本宮炎さんが駆けつけ、役場職員や町民の方々を対象にワークショップを開催してくれました」

安芸太田町の住民が、今度は錦江町で講師役として活躍している。官による友好姉妹提携のような形ではなく、過疎地の住民どうしで知見を教え合うなど、草の根で交流が進められているのだ。

錦江町では4月1日、「錦江町まち・ひと・『MIRAI』創生協議会」がスタートした。住民、行政、企業、関係団体、町外支援者などの知恵や思い、経験や夢を結集させて、まちの未来をつくる組織である。吉田氏はこの協議会の仕掛け人であり、統括監のまま事務局長に就任した。

「住民たちが胸を張り、『錦江町に住んでいる』ことを誇りに思える未来を創造するために、『町内熱量(前向きさや活動意欲)』を引き出していきたい。安芸太田町は特別だから結果を出せたのではなく、住民の思いがあれば、錦江町でも実現できます」

住民の熱量こそが、最大の地域資源。吉田氏は安易な手段に頼らず、一歩一歩、地に足をつけて前に進み続ける。
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