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915凡人:2016/11/22(火) 09:54:56 ID:0ZaqCPPs0
―― 国際物流の状況はいかがでしょうか。

長尾 ANAホールディングスさんがつくられた沖縄の国際物流ハブに参画し、活用しています。地図を見れば分かると思いますが、沖縄はアジアの主要都市と日本の主要都市の中間に位置しています。ですから、昔の琉球交易は理にかなっているなとあらためて感心させられますね。

 昨年の11月には、サザンゲートという物流施設が稼働を開始し、そこを利用して沖縄を通過点ではなく、加工を行うことで付加価値をつける一大拠点にしています。

 既に、面白い案件もいくつかありまして、例えば、当社のクライアントが化粧品の製造をサザンゲート内で行っておりまして、最後にアジア各国向けのラベルを貼るローカライズの作業まで行い、輸出をする動きが始まっています。

―― 農水産品の輸出も期待されていると思いますが。

長尾 農水産品の海外輸出は国策にもなっています。今年の2月から官邸主導で輸出拡大のワーキンググループが発足しまして、私もメンバーに入っていました。さまざまな業界の方と輸出拡大の議論を行い、6月に一度提言をまとめました。その時にも沖縄は重要な拠点であるという認識が行われています。

 農水産品もそのまま通過させて輸出するだけではなくて、先ほどの化粧品の例のように、なんらかの付加価値をつけることでニーズは生まれるのではないかと考えています。つまり、農水産品という製品をいかに商品にするかということです。そのために、サザンゲートの中にセントラルキッチンを設置することも考えています。

 農水産品に関しては、飛行機だけでなく、例えば船をつかった輸送のニーズもあるはずですので、県が進める港湾整備ができれば、さらに沖縄の価値もあがるのではないでしょうか。宅急便の原点は人とのつながり

―― 地方自治体と連携を積極的に行っていますが、農水産物輸出にもつながっていますか。

長尾 そうですね。実際に現在お運びしているものも、各県との農水産品の輸出拡大の協定に端を発しているものも多く、商流が始まることが物流につながるケースも増えています。

 成功事例でいえば、青森県と香港の飲食チェーンのマッチングで、その系列のすし店にホタテをはじめとする水産物が輸送されることになりまして、今も毎日、国際クール宅急便で輸送されています。香港は通関のハードルが低いですからスタートしやすいこともありますが、中国本土の入り口にもなっていますから、香港という市場を今後どう攻めていくかはより重要になってくるでしょうね。

―― 山間部地域の高齢者の見守り支援といった地域課題解決にも取り組んでいますが。

長尾 お客さまの異変に気が付いたら、関係機関に報告を行う見守り活動も行政と協定を結んで行っていますが、CSV(共通価値の創造)を標榜しているのですから、本業をとおした地域課題解決にしなければなりません。

 例えば、青森県の黒石市では、単身世帯の独居老人の方々に毎月、市の定期刊行物をお届けしています。少なくとも月に1回は会いに行くわけですから、そのデータを市へフィードバックします。

 例えば、配達しても3日間お会いできないというようなことがあればフラグを立てる、そんな取り組みを行っています。

 ただ大事なことは、きちんとビジネスになっていないと続けられないということです。これがCSVの本来の目指すべき姿ですからね。

―― 宅急便ができて40年、サービスも随分変わりましたね。

長尾 宅急便を始めた小倉昌男の思想というのは、それまでのビジネスであった商業貨物を止めて始めました。当時の社員という経営資源を宅急便という新しいビジネスに集中させたということです。それだけ、個人向けのネットワークをつくることが、ほかの仕事をやりながらできることではないと分かっていたのだと思います。逆に言うと、そういった下地があったからこそ、宅急便が地域からもつながりを求めていただけるのではないかと考えています。
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