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ワケあってシューイチ(週1)開店の店が大人気に
NEWSポストセブン 2016年10月16日 07時00分 ※女性セブン10月27日号
Pic=「草木堂野菜店 神楽坂店」では常連さんに野菜の味と食べ方を伝える
24時間無休で営業する店があふれかえる中、週に1日しか開店しないシューイチ店に、ひそかな注目が集まっている。さっそく話題のお店を訪れてみると、地元客を中心に次から次へと客が集まり、閉店時間より前に品切れになる店もある。
ここでご紹介する青果店に通う客の1人は「ここのは味が違う。エネルギーが違う。だから、わざわざ足を運ぶ価値があるんです」と力説する。そこで、東西で人気のシューイチ店で、店主たちのこだわりを聞いてきた。
1店舗目は、東京都新宿区神楽坂にある「草木堂野菜店神楽坂店」。早朝、スタッフ5人で25軒ある群馬県内の契約農家を手分けして回り、東京へ。市場を通さないので、収穫して最短5時間で店頭に並ぶものもある。見た目は普通でも、一口食べると「今まで何を食べていたんだろう」というほどの衝撃が走る。農薬や化学肥料を使わず(一部を除く)育てられたこだわりの野菜たちは生命感がみなぎっているのだ。
代表の甲田崇恭さんは、高崎経済大学(群馬)在学中、市民農園の管理者として農業に携わったことがきっかけで、この世界へ。
「大それたことは考えてないんですけど…おいしくて新鮮な野菜を届けるのは当たり前で、それ以上に農家さんとフェアにつきあっていきたい。長雨で作物が病気になっていることや、化学薬品ではなく酢や石灰で手をかけて防除する農家もあることなど、作り手の状況も含めて、お客さんにじかに伝えたくて」(甲田さん)
仕入れ値をどんどんあげて生産者に還元するのに販売価格は抑えたまま。心配する母をよそに本人は笑うばかり。契約農家の、丹羽牧人さんはそんな彼の人柄に魅了された1人。
「甲田くんは約束を絶対守るんです。継続的に取引をする、決めた時間に決めた場所に現れる、いつも連絡が取れる、きちんと振り込みをする。基本的なことだけれど、これを守ってくれる人はなかなかいない。だから、農家は彼にモノを出すんです。
それに、さらっと人助けまでも。3.11の後、100km以上離れた群馬でも放射能汚染といわれ、一時期うちも全取引中止になったことがあったんですね。その時、共同で放射能測定器を買おうと言い出したのが甲田くんでした」(丹羽さん)
東京のわずか3坪の店内には店主の人柄が溢れている。
2軒目は、埼玉県飯能市にある「Cafe Living Roomルーム 61」。カントリーブルースがかかり、いれたてのコーヒーの香りが漂う。客はさまざま。なのに不思議と静かで穏やかな空気が漂う。店の主でコーヒーコーディネーターの中村穣さんは、牧師でもある。
「18才で家出をしてアメリカに渡った過去がありまして、当時は日本に居場所がないと思ったんです。で、アメリカで日本人の牧師先生に出会って、救われました。今度は私が誰かの“居場所”を作りたかったんです」(中村さん)
3年前からこの地に教会を開いたが、カフェとして使えるように作り替えるまでには、2年間のセルフリノベーションを費やした。
「建て替え中、ホームレスのおじちゃんが床下に炭を敷いてくれたこともあります。そうすれば、そこはおじちゃんにとって“おれが作った”って居場所のひとつになる。すべてのご縁は神のお導きなんです」(中村さん)
大人気のカフェだが、週1以上の営業は考えていない。普段、牧師として池袋の中高一貫校などで教鞭をとることに加え、炊き出し活動や音楽活動、そして3人の子育てに手がかかるためだ。
今は静かなカフェのこの空間も形を変えていくかもしれない。その時は主の奏でる音楽が店内に響いているかもしれない。
3軒目は、京都市にあるベーカリー「J’aime le bleu」。ここは開店直後に行かないと売り切れとなる、パン好き京都人にも大人気のお店。自家製天然酵母とフランス産小麦粉を使用したハード系がメーン。常時17〜18種類が並ぶ。
「妻が『ル・コルドン・ブルー』(神戸)で学んだ技術を生かし、自分の好きなパンだけを作っています。子供が小さく手がかかるうちは週1回が限界なんです」(店主)
いずれは営業日を増やしたいという。
※女性セブン10月27日号
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