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高経大がわかるプログ・サイト

234凡人:2012/09/16(日) 06:30:54 ID:VAPcPgXg0
◎「当面の赤字覚悟」
 課題は販路の確保。品質の良さが人づてに伝わり、都内の仲卸が高値で買い取るようになったが、社長の篠原宗應(62)は「まずは認知してもらうため、大半はたたき売っている。当面の赤字は覚悟せざるを得ない」と表情は厳しい。

 企業は日本農業を支える担い手になりうるか。篠原は、企業の参入が進むには、役員が農業に従事しなければならないといった規制の緩和が必要と指摘する。

 「勤勉と忍耐が支えてきた日本農業に企業の発想力と組織力が加われば、世界と戦えるはず」。篠原はそう考えている。

◎脱3K 若い女性活躍 設備近代化で酪農に新風
 広々とした牛舎を、紫や黄色のカラフルなアウター姿の女性が颯爽(さっそう)と動き回る。牛は横たわったり、のんびり牧草をはんだり。500頭もいるのに、吉野牧場(昭和村)の牛舎はにおいがなく、鳴き声も聞こえない。においを吸着するおがくずを床に敷き、牛が空腹を感じないようにいつでも餌を食べられるようにしている。

 会長の吉野藤彦(68)は、高校を卒業後、カナダに渡り、酪農の大規模経営を学んだ。帰国すると飼育頭数を増やし、設備を近代化。牛をつながずに飼うフリーストール牛舎や、一度に多くの牛から搾乳するミルキングパーラーも県内でいち早く導入した。

◎牛舎が「職場」に
 「酪農は農業の中でも3Kで、従業員を募集しても集まらなかった。においを出すのは当たり前という認識を捨て、3Kを取り除くことを徹底した」と吉野。力仕事の機械化を進め、女性が働きやすくした。

 今、25人いる従業員の半数は20、30代の女性。牛舎は女性の明るい笑い声が行き交う「職場」になった。

 就農の動機はさまざま。田舎暮らしにあこがれていた東京出身者。吉野牧場を紹介するテレビ番組を見て「働いてみたい」と飛び込んだ直感派。実家が酪農家で、働きづめの両親を見て育った女性は「週休二日でつなぎも着ず、いろんな人とコミュニケーションがある酪農をやりたい」と、吉野牧場の門をたたいた。

 共通しているのは牛が好きということ。入社16年目の大嶋理恵(35)は「男はつらいことがあるとすぐに辞めちゃうけど、女は我慢できる。牛も女の子だから、酪農は女性向き」と話す。

◎村でエサ自給
 高崎経済大を卒業後、カナダ、オランダでの酪農留学を経て就農した吉野の長男、憲司(40)が3年前、牧場を引き継いだ。

 飼料価格の高止まりや、2年前の猛暑の影響で乳量が落ち込むなど、業界を取り巻く環境は厳しいが「エサの自給率を今の2割から5割に引き上げたい」と気を吐く。「酪農の弱点は飼料の海外依存。アメリカがくしゃみすると肺炎になっちゃう状況だ。飼料の自給率を高めれば、畜産廃棄物を畑に返すいい循環もできる」。現在、牧草地とトウモロコシ畑が30ヘクタール。昭和村の景観づくりにも貢献している。

 脱3Kはもちろん堅持。雇用の確保のほか、科学的な視点からも必要と考えているからだ。「牛は感受性が強い動物。職場の雰囲気が悪いと、乳量に影響するんですよ」 (敬称略)

 第2部は、独自の手法で「儲(もう)かる農業」を追求したり、さまざまな課題を克服しようとする農家の姿を通し、農業の可能性を探ります。

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