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【パイロットに扮して侵入、窃盗】 白石歩容疑者(22)

17001699:2008/08/19(火) 22:39:03
2007年 09月 30日   雨のハンカチ

今日、乗務したお昼過ぎの大阪-東京便。
伊丹空港にはまだ雨が残っていた。機長が外部点検を行っている間、僕はコクピットでフライトプランルートなどをチェックしながらコンピュータへの入力・確認作業をおこなっている。
雨粒がコクピットウィンドウを叩き、地上で最終整備をしてくれているグランドさんが気になる。
ボーディングが始まり、前に目をやると、展望デッキに若い女性が一人傘もささずにこちらを見ているのが見えた。展望デッキは屋根がないので、ずっと濡れているのだろうか―。
やがてボーディングブリッジが離れ、プッシュバックの許可が出た。しかし女性はまだそこにいる。 そして機体がゆっくりとプッシュバックされはじめると、大きくハンカチを振りはじめた。
きっと親しい誰かがこの機に乗っているのだろう。 その人はびしょ濡れになりながらも見送ってらっしゃる方がいることをご存知だろうか。 早くぬれない場所にいって服を着替えて欲しいと思ったが、彼女にはこの便を見送ることが何よりも大切なことなのだろう。
僕はできるだけウィンドウに近づいて手を振った。彼女の見送る相手が僕でないことは150%くらい承知だが、彼女の大切な方を、安全に、確実に目的地までお送りすることを約束しますという意味をこめて手を振った。 彼女的には「お前ちゃうし」と冷めてしまったかもしれないが・・。
僕らが毎日運航する一便一便、でもそのひとつひとつにお客様の数だけの思い、エピソード、喜びや悲しみがあることを再び痛感した。プッシュバック後、僕は滑走路側だったのでもう彼女の姿を確認することができなかったが、雨にぬれながらもたなびいたハンカチ、彼女の姿は、僕の心に刻みこまれた。




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