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『日蓮大聖人が御本仏である』という教義について

9独歩:2002/04/23(火) 05:01

―8からつづく―

それにしても日蓮本仏思想はどのような階梯をもって創造されていったののでしょうか。そのキーワードは一つは自受用(報身)如来で、もう一つが無作三身です。
また、上古の資料とされる本因妙抄、百六箇抄に始源を見、御義口伝、また、その他偽書と考えられる書の中で思想展開が後が窺われます。
厳格に見ていくと、血脉両抄と御義口伝には思想的な相違が見えます。

まず自受用身について見ると、『百六箇抄』では

久遠名字より已来た本因本果の主本地自受用報身の垂迹上行菩薩の再誕本門の大師日蓮
久遠自受用報身の本迹 男は本女は迹知り難き勝劣
下種の法華経教主の本迹 自受用身は本 上行日蓮は迹
久遠実成の自受用身は本 上行菩薩は迹

といい、即ち 本地・自受用報身と垂迹・上行菩薩・日蓮対比です。すなわち、日蓮は迹として取り扱われています。

ただし、下種の法華経教主の本迹では

我等が内証の寿量品とは脱益寿量の文底の本因妙の事なり、其の教主は某

また、下種成仏の本迹

本因妙は本 自受用身は迹

といいます。
つまり、この構造は二重性をもっているのであって、まず、自受用と上行・日蓮の本迹を述べ、次に下種論が立てられて自受用と本因妙の教主の対比が述べられています。後者では本因妙教主と自受用を本迹として自受用を簡んでいます。
つまり 本因妙教主>自受用>上行・日蓮=本因妙教主ということになっています。

ですから、日蓮迹仏論であるというより日蓮本因妙教主論になっています。つまり、自受用は簡ばれるのであって本因妙教主が本であるとなっています。つまり、教主は、直ちに本仏であるという根拠はありません。

方や、『本因妙抄』では

寿量品の文の底の法門自受用報身如来の真実の本門久遠一念の南無妙法蓮華経雖脱在現具騰本種の勝劣
彼は応仏昇進の自受用報身の一念三千一心三観此れは久遠元初の自受用報身無作本有の妙法を直に唱う

といい、こちらでは自受用身の応仏昇進と久遠元初の対比となっています。

(余談ながら興味深いのは、ここでは「文の底」であって文底秘沈とはなっていません。寛師の文底秘沈が後代の創案である証左であるといえるものであると考えられます)

以上のことから考えると、厳格な意味からすれば、『百六箇抄』と『本因妙抄』にも思想的な相違があることがわかります。

さらに『御義口伝』では

自受用智、本覚自受用の智火、自受用智の説法、

御義口伝に云く自とは始なり速成就仏身の身は終りなり始終自身なり中の文字は受用なり、仍つて自我偈は自受用身なり法界を自身と開き法界自受用身なれば自我偈に非ずと云う事なし、自受用身とは一念三千なり、伝教云く「一念三千即自受用身自受用身とは尊形を出でたる仏と出尊形仏とは無作の三身と云う事なり」云云、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者是なり云云。

となり、自受用は報身の「智」が中心となって、その至極を一念三千、その根拠として『秘密荘厳論』の「一念三千即自受用身、々々々々者出尊形」がその根拠となります。

これはまた、『御講聞書』でも、ほぼ同様で

智慧とは万法己己の自受用報身の振舞、自受用智、自受用報身の智力

となっています。また『四条金吾殿御返事』の

我等が色心依正ともに一念三千自受用身の仏にあらずや

『日女御前御返事』

経に云く「諸法実相」是なり、妙楽云く「実相は必ず諸法諸法は必ず十如乃至十界は必ず身土」云云、又云く「実相の深理本有の妙法蓮華経」等と云云、伝教大師云く「一念三千即自受用身自受用身とは出尊形の仏」文、此の故に未曾有の大曼荼羅とは名付け奉るなり、仏滅後二千二百二十余年には此の御本尊いまだ出現し給はずと云う事

も同様の思想を背景にしていることが窺えます。

これらは一念三千を自受用報身の智とし、さらに出尊形仏、すなわち凡夫仏思想に裏付けられるものです。はたして本因妙教主思想が出尊形仏思想であるか、議論は分かれるところでしょうが、私は中途からの合流であろうと考えています。



さて上述の『御義口伝』で筆録される自受用と連絡する無作三身が次のキーワードとなります。この語は『三世諸仏総勘文教相廃立』に

守護国界章に云く「…無作の三身は覚前の実仏」

あるごとく、伝教に語源を発するとされます。(いま、手許に同章がないため、この実否をどなたかご教示ください)

私は、この語は実に矛盾をはらんだ表現であると思うのです。覚前、つまり覚(さと)る前の実仏というわけです。覚る前であれば菩薩なのであって、それをもって仏という表現は始覚の台釈からは強い違和感があります。果たしてこれが本当に伝教の言であるとは俄かに信じ難いものがあります。


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