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『河辺メモ』について
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犀角独歩
:2003/01/08(水) 10:07
上述、ややスレッドから外れて石山伝説について、考えてみたのですが、結局のところ、これは単に御肉牙に留まることではないと思えます。先にも記したとおり、戒壇之漫荼羅に関する記述は精師より遡れないわけです。この精師が御影堂を建立し、その堂宇を本門戒壇本堂と呼称し、そこに戒壇之漫荼羅、その前に御影像を置き、さらに造初御影と“肉附歯”を霊宝随一としたのは事実であり、ここからすべてが始まっています。
いわば、この精師でパフォーマンスと蒐集資料を真に受け、現在に至る石山教学を構築したのが寛師であって、ここに日蓮(人)本仏・戒壇之漫荼羅(法)一体論が創作されていったわけです。
この「人法一箇本尊論を批判することは謗法であり、たいへんなことなのだ」というヒステリックな信仰感情が高揚するとき、寛師教学信仰者にとって“死刑宣告”に等しいのが「戒壇の大御本尊を否定した」というレッテルであるわけです。
結局のところ、河辺メモ騒ぎというのは、このレッテル貼りが巧みに利用され、さらに「互ひに相讒諂(あいざんてん)し枉(ま)げて辜(つみ)無きに及ばん」という、まさに他門から失笑を買う事態に発展したことであったと私は見ています。
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