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素朴な疑問

879犀角独歩:2003/11/14(金) 12:20

以下、批判とかではなく、感想です。

なかなか考えさせられる議論が続いていますね。
(1)御筆漫荼羅 (2)書写漫荼羅 (3)石山学会が頒布する漫荼羅本尊・寺院境内売店で売られる漫荼羅本尊 (4)インターネットからダウンロードした漫荼羅本尊という四つのタイプが掲示されたわけでしょうね、分類してみれば。

それで、ネットダウンロードは個人の信仰心に係るものであるけれど、下付・頒布・販売は商売であるからいかん。こんなことになるのでしょうか。

信仰を除いた一般論でいえば、ダウンロードは個人でできるので、費用はかからないけれど、その他の場合は人件費・材料費・流通費・販売利益などが見込むから無料頒布とはいかないとなります。

個人が信仰するうえで漫荼羅本尊が必要であれば、何らかの形で取得することになるのだろうと思います。いまはネットが発展しましたし、本尊集を載せる(それが著作権、その他を侵害しているかどうかはわかりませんが)サイトもあるので、簡便に自己作成はできるのでしょう。けれど、コンピュータの扱えない人たちが、漫荼羅本尊が欲しければ、信者になるか、あるいは境内売店で購入するしかないであろうと思います。この場合、人の手を介するわけですから、、なにがしかの代価がかかるのは致し方のないことではないのかと思えます。

わたしは当板で繰り返してきたとおり、漫荼羅本尊複製に反対の立場ですから、どっちもどっちとしか思えません。これがわたしの考えです。ただし、他の在り方を批判しようとする意図で示すものではありません。

ところで、ここの論客さん達との議論で、いちばんヘビーパンチと感じたのは三学無縁さんが「日蓮さんは漫荼羅を拝んでいたのか?」という投げかけでした。目から鱗が落ちるとはこのときのことで、以来、本日に至るまで、蓮師が漫荼羅を拝んでいたと確信できる証拠を発見できずにいます。

これまた批判ではありません。ドプチェクさんが

> 目の前に御本尊が存在していなくて、直に拝めない状態での勤行・唱題が、
> 非常にやり難かった

と、こう記されていますね。学会を含む石山系ではたしかにこのような言い回しになるのだろうと思います。

けれど、元来、勤行するために本尊があるのではなくて、そこに本尊があるから勤行をしていたわけですね。このわたしの言い回しにピンとこない人もいるかも知れません。もう少し正確に言えば、勤行は自分のためにするのではなくて、本尊のためにするものであるという意味です。こっちが元意であったでしょう。

自分のためにしてなにが悪いと言われればそれまでですが、そのような言い合いをしたいわけではなくて、わたしが興味があるのは、本来、本尊のためにする勤行が、いつから自分のための勤行になったのか。また本尊のないところで勤行をするようなことがいつ頃か起こりだしたのか、ここに変遷があるという歴史認識の必要性のほうです。

「漫荼羅本尊が商売の道具」というご意見がありますが、では、その創案者・蓮師自身はどうであったか。漫荼羅を図し、授与する場合、必ず供養返礼を受け取っていたことは想像に難くありません。しかし、それが否定されることかと言えば、そういう意味ではありません。紙・筆・墨が高価な時代、ただで書をもらおうと考えるほうが、むしろ非礼であったろうと思えるからです。

もう一点、御筆漫荼羅に限らず、真筆を700年に亘って損傷することなく、伝えることはこれは実にたいへんなことであると思います。この護持は、僧が兵士となって、寺が寺を襲う長らくの時代では命懸けのことであったと思います。わたしはこの点を軽々に評価する気にはなりません。700年の強奪、焼き討ちが日常であった時代、近代では二度の大戦も経ています。その間、命懸けで厳護してきた人々に深い敬意をはらいます。ですから、その真筆を拝するご開帳に相応の(布施・供養という名の)見料を払うぐらいのことは当然のようにも思えます。(まあ、贋作で金を取られれば詐欺であると言いたくなりますが。ここで板漫荼羅の真偽は重要な課題になるとも思いますが)

また、そのように伝えられた真筆と、複製が相貌として同じだから同等である如き論調には馴染めません。これはLibraさんと噛み合わない点でした。たぶん、創価教学信仰者とも噛み合わないでしょう。

以上、ドプチェクさんがダウンロードした漫荼羅画像を本尊として勤行に使われることは批判しようとする意図ではないことをご了解ください。

現代の常識で捌いてしまうのではなく、現在に至る歴史的な視点も加味すれば、さらに奥行きのある風景が広がって見えるのではないのかという感想を述べたのに過ぎません。


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