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素朴な疑問

1794みかん:2004/10/24(日) 12:02
 東京・池上の日蓮宗宗務院で、日蓮宗教学研究発表大会があり、日興門流関係の発表もあるというので聴いてまいりました。残念ながら、私は都合で22日は聴くことができず、23日も途中からしか聴けませんでした。池上は小春日和で、とてもよい気候でした。

 わたくしが会場に入ったときに発表されていたのが、『大石寺教学の研究』の東さんでした。「初期興門における本尊思想について」というタイトルで、その時代の本尊観が「造像を厳誡」だったのか、「造像を認めてい」たのかを論じられていました。

 次の方が、犀角独歩さんでした。「大石寺漫荼羅の真偽について――所謂「本門戒壇の大御本尊」の図形から見た鑑別」と題して、板漫荼羅に紙幅の原本が有ったか否かを論じられました。本門寺根源(北山)所蔵の日禅授与の漫荼羅と全体のレイアウトは異なるが、各文字ごとに重ねると一致することを指摘され、「1 日禅授与漫荼羅の各文字を模写・原図とした 2 各文字ごとに丸木板状にレイアウトし直し『パッチワーク』した」と結論付けています。これに対して、3名の日蓮正宗の若手ご僧侶から、批判的な質問・ご発言がありました。OHPが使えなかったので、たくさんの図像が見られなかったのが残念でした。さらに詳しい内容は現在準備されているご著書で読めるものと期待しています。

 その次の方は「『日興跡条々事』について――各刊本対照と真偽問題」との発表でした。日蓮正宗が刊行する諸本に収録されている「日興跡条々事」に大きな異同があること、大石寺では同文献の原本が残っていると主張しているが、公式に発表された写真版が現存せず、疑問が残り、ぜひ公表してほしいと発表されました。それに対して、日蓮正宗・愛知県・妙道寺事務所ご住職の高橋粛道先生から、それについては高橋先生の著書の『日蓮正宗史の研究』で論じているから、それを踏まえて手紙などいただきたい、という趣旨のご発言がありました。

 最後の発表者が都守先生で、「『善無畏三蔵鈔』再考」と題され、録外御書である同遺文には真蹟、古写本が存しなかったので近年あまり用いられてこなかった。ところが最近、京都妙覚寺の寺宝調査で同遺文の断片と思われる真蹟断簡が発見されたという、興味深い事実を報告されました。それを踏まえ「善無畏三蔵鈔」について再検討を加えられました。それに対し、寺尾先生(だったと思う)と、興風談所の先生が質問されていらっしゃいました。

 4つの発表しか聞けませんでしたが、どの発表も大変興味深く拝聴しました。また、さまざまな立場の違いがありますが、それを超えて、日蓮研究、日興門流研究が深まり、さらにはその基礎となる資料の収集、公表がさらに進むことを念願いたします。

 日蓮正宗ご僧侶方が複数で日蓮宗宗務院に乗り込んできたというのは、いろいろ興味深いことですね。

 勉強中さん、お会いできなくて残念でした。また機会があれば是非。


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