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:
オオツキ
:2004/01/08(木) 04:08
(※この日記は全部嘘だ)
気がつくと、彼女が死んで五ヶ月あまりが経とうとしている。
気が滅入るあまり、
今日は仕事もサボって一日ボーっとしていた。
ふとしたはずみに胸を打つ記憶の力はとても暴力的で、
嵐の夜、波間に漂う木片の気持ちが理解できるほどだ。
夜の海の真の闇のなかで、なす術も無くどんどん削られる感覚。
映画を見ても、想うのは彼女にみせてあげたかった、だし、
スーパーで果物を見ても、想うのは彼女にたべさせてあげたかった、だ。
彼女は林檎が、王林が好きだった。
苺とシャンパンを、あわせて食べるのが好きだった。
僕以外の誰がその事実を知っているのだろうか。記憶しているのだろうか。
死んだ人間の果物の好みを?
本来の僕はなにも信じない。
人の想いの恒久性も信じてはいない。
現に彼女と、常にうまくいっていたワケでもない。
だが、唯一。
彼女が僕の愛情を信頼してくれていたのはわかっていたし、
その正体が愛情だろうが執着だろうが、
僕には"信じてもらえる"という事実だけで十分だった。
多分結婚とかじゃなくっても、一生続く関係だよね。
そう言ってくれた、
世界中で唯一の人間が消えてしまった。
愛情が自己肯定の、保護本能の道具であることを、僕は疑わない。
でも、今、苦しいのは事実だ。
僕は人間関係の構築に積極的な性質ではない。
今後、再度リスクを犯して誰かを好きになれるのか、わからない。
というよりも、僕は今まで人生で出会った女の子はみんな好きだが、
好き以上の踏み込んだ関係を誰かに望めるのかわからない。
なにも、わからない。
なにもわからなくて困惑しているのが、
ここ数ヶ月の僕の正直なところだ。
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