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日本の文化と世界の文化
69
:
凡人
:2012/01/11(水) 14:27:49
日本人のあり方訴え続ける 元NHKアナウンサーの異色の宮司 宮田修さん
2012.1.9 22:02
日本人らしい思いやりを大切にしたいという宮田修さん
「今年は、日本人が足元を見つめることが必要になってくる」。長南町の熊野神社などで宮司を務める宮田修さん(64)は、落ち着いた口調で話す。NHKアナウンサーとして平成7年の阪神・淡路大震災当日に現場からの情報を伝え続けた経歴を持つ異色の宮司だ。東日本大震災を乗り越えるためにも、経験を生かして「日本人らしい思いやり」の大切さを伝えていきたいという。
「あんなとんでもない自然災害が、私の生きているうちに2度も起きるとは思わなかった」と宮田さんは振り返る。
NHK大阪放送局で朝のニュース番組を担当していた平成7年1月17日朝、阪神・淡路大震災が発生した。午前5時49分から午後10時50分まで、交代を挟みつつ刻々と入ってくる情報をひたすら伝え続けた。
「1つでも間違ったことを伝えてしまうと、被災者の命にかかわってくる。プレッシャーは大きかった」と振り返る。
◇
そして、昨年は後輩たちが伝える東日本大震災の被災地の姿にくぎ付けになった。その中で心引かれたエピソードがあるという。
避難所に救援物資が届いたが、被災者の誰もが他人を気遣い、救援物資はたらい回しにされ、最初の避難所に戻ってきた−。
「それはそれで問題なのかもしれないが、心が温まった。震災は非常に不幸な出来事だったけれど、見事にみんな、人を思いやる“日本人”に戻っていた」
◇
ただ、被災地から目を転じれば、児童虐待など心を痛める犯罪は後を絶たない。一因に、行き過ぎた「自己責任論」があると指摘する。「自分ですべて責任を取ればいいという考え方は、戦後教育で出てきたもの。突き詰めると、『自分さえ良ければいい』となる」と顔を曇らせる。
そんな社会にあって神道の「中今(なかいま)を生きる」という考え方にヒントがあると言う。「親の親、そのまた親からの命のリレーの途中にいる自分を自覚する。そうすれば、自分勝手にブレーキが掛かり、思いやりが生まれるのでは」。
宮田さんは、被災地で光った「日本人らしい思いやり」を広めていきたいと静かに話す。(三宅令)
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