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死刑制度についてひと言お願いします

368瀬田:2003/11/14(金) 20:30
>>366
> 心変わり 様
そうかもしれません。死刑を、制度としてその是非を問うなら、廃止した後の
ことも含めて考えるべきなのかもしれないとも思います。私個人としては一線
を引いて考えたいという意味です。死刑問題は調べれば調べるほど、わけが
わからなくなってしまうのです。私には、存置論の側の意見も廃止論の側の
意見も、どちらも無視できません。自分なりにわかりやすく理解するために、
分けて考えたほうが良いという考えから、そうしました。もちろん制度全体に
ついて論ずるとき、廃止した後のことを考えなくてはならないのは言うまでも
ないことです。

犯罪について、昔はその人だけが悪いのであって、その一個人を処罰すれば
済むという考え方が普通でした。現代においては、犯罪は社会の側にも責任が
あると考えられています。人は育った環境や境遇によって、あるいは教育等に
よって人格を形成されますが、そういった環境によっては凶悪な犯罪者が
作られることは想像に難くありません。人格障害、精神病質といったものは
その典型でしょう(このあたりは犯罪学の分野になりますね)。
ですので、税金で犯罪者に飯を食わせる、それ自体まったく筋の通らないもの
ではないと思います。それが否定されるとしますと、刑務所そのものが制度
として成立いたしません。
死刑の犯罪抑止効果について、私は否定的に考えています。普通に考えて、
死刑になると怖いから犯罪を犯すのはやめよう、と思いとどまる犯罪者がいる
でしょうか?死刑に処されたいがために望んで殺人を犯す異常人格というのは
欧米でも数例報告されておりますが、(稀有な例ではありますが)そういうの
にはむしろ逆効果といっても良いくらいです。
欧州においては死刑廃止国が大半ですが、死刑を廃止した後、刑事政策的に特
に凶悪犯罪が増加したとは認められないという報告がされていますし、米国に
おいても同様の調査結果があるようです。
また、死刑判決を受けるような者は更正しない、などとは断言できないと思い
ます。もちろん更正しない者がいることも確かでしょうが、人間には様々な
人がいます。人間にはどんな転機が起きるとも限りません。死刑囚というある
種の極限状況に置かれることで変わったともとれるので、難しいところでは
ありますが、一概に決め付けられるものではありません。
被害者遺族には無意味、それは確かでしょうね。更正しようがしまいが、また
死刑になろうがなるまいが、殺された人が戻ってくるわけではないのですから
、もっともなことです。しかし、おそらく犯人をなぶり殺しにしたところで、
遺族の気が済むとは思えないのです。むしろ、空虚な気持ちだけがいつまでも
胸の中に残るような気もいたします。また、犯人を死刑にしないで欲しいと
いう被害者もいるようですので、これも一概にまとめることは困難です。
法的な制度としては、被害者感情を十分に考慮に入れつつ、客観的かつ合理的
な考慮のもとに刑罰制度を考えなくてはならないのです。そうでなければ、
単なる私的復讐の代行に過ぎません。刑法で考えるべき「応報」は単なる「復
讐」よりも次元の高いものが要求されるものと思います。
そもそも日本は被害者のための法がほとんどないというような状態ですので、
死刑問題は抜きにしても、早急にそういった制度を確立すべきなのは言うまで
もないでしょう。欧米に比べ、日本の被害者保障制度は20〜30年遅れていると
まで言われる状態なのです(これは私も大学に入ってから知りまして、大変
ショックを受けました・・・)。


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