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死刑制度についてひと言お願いします

356瀬田:2003/11/12(水) 02:39
はじめまして。
K大法学部で死刑問題を専攻しています。

こちらのスレッドの内容はほとんど読ませて頂きました。
正直なところ、私自身はこの問題に明確な結論を出せていません。
何の罪もない人が残酷な方法で殺され、その犯人が死刑にもならないでいる
としたら、なんとも釈然としないのが普通ですし、まさしく「不正義」である
と思うのが当然だと思います。
そうした感情論は簡単に無視してよいものではないと思います。
それに、死刑を宣告されるような許しがたい犯罪者が一般社会から隔絶され
る(「死」による確実な隔離)ことによって、社会を守るという一般予防的
な見地からも、死刑の存在には意味があるのではないかと思います。

しかし、万が一にも誤判によって無実の人が処刑されるようなことがあれば、
それこそは言語に絶する不正義であると私は思います。
人間のやることに間違いはつきものです。誤判の可能性は裁判の性質上、
不可避だと言っていいと思います。現に、日本にも免田、財田川、松山、
島田の再審4事件がありますし、イギリスで死刑が廃止される大きな要因に
なったのも誤判の問題でした。
死刑囚にはよく『無罪妄想』というのがあるそうなのですが、全部が全部
そうではないことは想像に難くないでしょう。「自分がやったんじゃない」
と絶叫して絞首台に消えていく人たちの中に、もし本当に無実の人がいると
したら、いったい、こんな不正義なことがありますか。

そういう意味で、私の考えは死刑廃止論に傾いていますが・・・まだ明確な
結論は出せないでいます。tomokunさんとは少し違いますが、迷っている
点では私も同じですね。


lovelessさんは冤罪については別問題だと思うと言われましたが、確かに
私も、どんな事件についても誤判はあってはならないことだと思います。
懲役刑などで刑務所に長い間服役していた人が、あとで無実だということが
わかって釈放されたとしても、失われた時間は戻ってこないという意味から
言えば、これも確かに取り返しがつかないものです。
しかし、そういう利益はいくら重要な、しかも人格的利益であろうとも人間が
自分の持ち物として持っている権利ですが、生命はすべての利益が帰属する
主体であるところの人間そのものです。死刑は、すべての元にあるその生命
そのものを奪うのであって、同じ取り返しがつかないといっても本質的に全く
違うものです。
そうした点で、死刑事件以外の場合の誤判と、死刑事件の誤判とでは質的に
決定的な違いがあると思います。

わかりにくかったらすみません(汗)。

宗教・文化・民族等で死や罰に対する意識が違うという点については、私も
そう思います。ヨーロッパ諸国を中心に世界的に死刑が廃止されてきている
背景には、キリスト教の影響が少なからずあると思います。


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