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死刑制度についてひと言お願いします

2267紫煙狼:2009/07/12(日) 05:18:35
もう、ね、法律なんてどうでもいいんだ。本当はそいつを見つけ出して殺してやりたいって気持ちもあるんだ。
でも…。そいつにも今では大切な人が居るのかな、とか、そいつのことを物凄く大切に思っている人が居るのかな、
なんて考えるとね。これ以上悲しい思いをする人はいらない、出してはいけない、そう思う。

彼女のご両親から、数年前まで、たまに手紙が届いていた。最後の手紙にはこう書いてあった。

今、君は死刑に反対しているんだね。風のうわさで聞いたよ。きっと苦しんだだろうね。その結果なんだよね。
正直に言って、素晴らしいことだと思う。私達は娘の本当の気持ちを理解できていなかったのかもしれないね。
これ以上、私達が手紙を送ったら、君は一生、娘から逃れられなくなるから、これを最後にもう手紙はしないよ。
誰よりも…親である私達よりも深く娘のことを愛してくれてありがとう。私達は君に愛された娘を誇りに思う。


愛なんて、そんな…。そんなおこがましい感情ではないですよ。条件さえ揃えば死刑賛成に転じてもかまわないと
公言しているような男ですよ。ただ…もし本当に死後の世界があって、もう一度彼女に会うことができるなら、
僕は感情に流されなかったと胸を張って会いたいだけですよ。彼女はきっと微笑んでくれるはずですから。


なんて、どこにでも転がっているような話ですよ。だから僕は被害者遺族ですらないし、本当にご家族を失った
遺族の皆さんと肩を並べてお話できるとは思っていませんよ。同じ苦しみを共有できるとは思っていませんよ。
ただ…その詐欺犯がどんな最期を遂げようとも、僕の負の感情は消えないし、この気持ちは相手の安否とは
無関係に僕の命ある限り続くもので、どのみちそれが変わらないなら、せめて、その詐欺犯の関係者が悲しむような
そういうことは無いほうが良いし、もちろん、詐欺犯には再犯してほしくない。

実は、一度だけ、事件から何年もたってから、その詐欺犯に会ったことがある。すごく信じられない話だけど、
彼女のご両親がそいつと僕を引き合わせてくれた。そいつを目の前にして、僕は生まれて初めて初対面の相手に
怒りとも恨みとも付かぬ感情のせいで血の気を失った。頑張っても笑顔は作れなかった。ご両親も同じだった。
ご両親は裁判にも出ていたのだから、初対面ではないけど、でもやっぱり、その声は絞り出すような声だった。
今はどうか知らないけれど、そいつ、少なくともその時はまじめに働いていた。心から後悔していた。
僕は最後の最後まで、一言も声を出すことができなかった。でも別れ際、とうとう耐え切れなくなって、
そいつの胸座をつかんで、拳を振り上げていた。でも、殴れなかった。「二度と、誰も苦しませるなよ、誰も悲しま
せるなよ」そう言って、あとは涙で顔をぐしゃぐしゃにするしかなかった。


そいつと別れた後…僕は殴ることすらできなかった不甲斐なさを、彼女のご両親にわびた。
そうしたら、母親が涙でくしゃくしゃの笑顔で首を横にふった。お父さんが、僕の方に手を置いて、
「よく耐えてくれた。あれで、あれでいいんだ。」

その手のぬくもりが、今でもこの肩に残っている。


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