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死刑制度についてひと言お願いします

2088カレーライス:2009/06/24(水) 08:23:33
もともと日本人は人権意識が低いためEUなどで人権を理由に死刑を廃止したという背景が理解できないということが往々にしてあります。
EUでなぜ死刑を廃止する国がこれだけ増えたかを考察してみるとなぜ終身刑や長期服役が非難されるかがわかります。
もともとは「刑罰であっても著しく人権が損なわれることがあってはならない」というのが死刑が廃止され、終身刑や長期服役が非難される理由です。

日本で死刑廃止が進まないのはこれが正しく理解されていないからでしょう。
EUでは「人権保護」という目的のもとで「死刑廃止」がその手段だというのが一般的です。
しかし日本ではこの目的である「人権保護」があまり理解されていないため、その手段である「死刑廃止」も理解されないということです。
EUをはじめ人権先進国ではこの「人権保護」が当たり前になっているため、「死刑は廃止すべきだ」という考え方が出来るのでしょう。
しかし日本の廃止論者は目的が明確にならない、また目的がずれているため「死刑は廃止すべきだ」という考え方が出来ないのでしょう。
日本の廃止論者に「なぜ死刑を廃止しなければならないのですか?」と聞くと、「死刑冤罪は許せない」や「死刑の抑止力はない」の問題だと答える傾向があります。
しかし、存置論者は「冤罪は刑罰全体の問題」「死刑の抑止力はある」と答え、結局は水掛け論に終わります。
また、日本人事態も「なぜ死刑を廃止しなければならないか?」という問題意識が欠落しているため「死刑は存置すべきか、廃止すべきか」という問いに「存置すべき」と答える人が多いのでしょう。

これは終身刑や長期服役にも同じことが言えます。
なぜ日本では終身刑(絶対的終身刑)が受け入れられるか?
それは結局は死刑と同じで社会感情や遺族感情、自己感情によって「犯罪者は罰せられるべきであり、罰は重い方がいい」という考え方からです。
その為、「死刑は人権を守るために廃止するが、終身刑で人権を損なうことは問題ない」という矛盾が生まれます。
もし、日本で死刑が廃止され、終身刑が採用されるようなことになれば、日本の人権意識の低さを世界に露呈することとなるでしょう。

人を殺す「死刑」が人権に反しているというのは日本人にもまだ比較的分かりやすいのですが、終身刑が人権に反しているというのは理解しづらいのではないでしょうか?
これは憲法13条に明記されている「幸福追求権」が理解できていないためだと考えられます。
「人はその生命が尽きるまで幸福を追求する権利がある。」という考え方です。
幸福追求権を踏まえて考えてみてください。
(絶対的)終身刑では刑務所でその生涯を終わらせる刑罰ですから、幸福を追求することが不可能だという考え方が出来ます。
同時に長期服役では長期間刑務所において生活をすることにより、社会復帰が困難になるため幸福を追求することが非常に困難であるという考え方になります。

この幸福追求権を考慮にすると、(絶対的)終身刑や30年、40年を超える自由刑も死刑と同様に廃止すべきだとなるわけです。
EUをはじめ人権先進国と呼ばれる国ではこれが当たり前です。
だからこそ近年、死刑を廃止して(絶対的)終身刑を採用するなどということはあり得ません。
ちなみにフランスは死刑廃止自体がEUの中でもかなり遅かったため、死刑廃止後に(絶対的)終身刑が採用されることはありませんでした。

今のEUでは長期服役により、社会復帰が困難となるため長期服役の刑期の短縮や最長服役年数を設けるべきだという意見が出始めています。
もちろん反対の声の方が大きいのですが、もしかしたらそれらが実現する日が来るかもしれませんね。
フランスでは死刑廃止当時、死刑廃止に反対する国民のほうが多いにもかかわらず、強行に憲法に明文化までした経緯があります。
ただ当のフランスは1981年に死刑が廃止されてから凶悪事件を犯した受刑者の釈放が徐々に行われることで市民からかなり大きな反発の声が出始めているため難しそうですが…。
ちなみに最長服役年数(どんなに長くてもこの年数が来たら釈放すべきだという考え方)はすでに中央南アメリカに存在しています。
ただ、これは刑務所に入る人が多すぎるため受刑者を減らすことが目的ですが…。


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