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死刑制度についてひと言お願いします

1887紫煙狼:2008/08/09(土) 01:04:08
このように、民事裁判と刑事裁判は本来的には全く別個のものとして扱われなければならないのです。
その証拠に時折「刑事無罪・民事敗訴」というのがあります。刑事罰には問われないが民事賠償を
言い渡されるケースも平然と存在するのです。

つまり、被害者は最初から刑事裁判に期待してはいけないのです。被害者の感情は民事裁判によって慰撫
されるべきものであり、刑事裁判は犯罪を犯すと言う「国家に対する暴挙」を国家が断罪するための手続き
なのです。これを勘違いするから「日本の司法は被害者に厳しく加害者に甘い」というトンチンカンな
発想がわきあがるのです。

もちろん、民事裁判は結局「お金で解決」ですからね。「お金なんていくら積まれても許せない」と言う
感情が残るのは私も激しく同意いたします。しかし、だからと言って民事においても刑事においても
被害者は当事者、中心核であると言う認識は幻想か勘違いに過ぎないのです。被害者が刑事判決の重軽に
一喜一憂するのは感情的には理解できますが、それでもやはり間違いなのです。それを突き詰めると、
「刑事罰は国家による復讐の代行である」という認識は蜃気楼に過ぎず「同害報復」という言葉を
刑事裁判に持ち込むこと自体「前提の時点で既に論理的に間違っている」のです。

被害者が「加害者が未来永劫苦しみますように」と願うのは勝手ですが、被害者が「加害者に死刑を」と
要求する権利は、我々のように事件とは全く無関係な第三者と同じレベルでしか許されないのです。
「民事訴訟による損害賠償の請求権を国家に阻害されない限り」被害者は刑事裁判において証人以上の
存在足りえないのです。

従って、刑事裁判の判決理由に「社会に与えた影響、著しく大きく」は正当な理由足りえても、
「被害者を苦しめた事まことに許しがたし」は「なぜか通用してしまっているが理由として不適切」と
結論付けることができます。これはただ「国家が被害者を利用している」に過ぎないのです。
(加害者に重罰を与えてくれるなら、利用されることを厭わない被害者の心理につけこんでいます。)


こうなると、本来終身拘禁で用足りるはずの刑事罰を「みせしめ」として利用するために、
「被害者感情」まで持ち込んで「一般威嚇効果」のために命を奪われる加害者も、
元はといえば自分が悪いとはいえ、人身御供、イケニエでしかないではないですか。
それゆえ、まず最初に私は死刑制度自体を「正義ではなく、国家による偽善」と考えるわけです。


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