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死刑制度についてひと言お願いします

185st:2003/07/30(水) 03:01
皆様始めまして。この死刑制度について、僕の思ったことを書きます。

僕は基本的に「条件付き死刑反対派」です。その理由はいくつかありますが、
一口で言ってしまうと「犯罪者を死刑にしても何の特にもならない」という
事に付きます。

まず、凶悪犯罪者が逮捕され、裁判に掛けられて死刑判決が出たとしましょう。
多くの人はそれによって事件の全貌が明らかにされ、これ以上その事件から
得られるものは何も無いと考えるのではないでしょうか?あとは判決通り
さっさと懲罰を与えてしまおうと。
ですが、僕はその犯罪者が、なぜその犯罪を犯したのか、どういう心理状態
だったのか、どういった幼少期をすごしたのか、何かの精神医学的、生理学
的問題はなかったのか、もっと掘り下げて理解する試みがあるべきだと思い
ます。犯罪心理学、特にそれを精神医学と結びつけて研究する分野において、
日本は非常に遅れており、大学でのこの分野での研究はやっと緒に付いたば
かりですし、それが実際に警察の捜査に用いられたケースも、僕個人として
は聞いた事ありません。
連続殺人、幼児殺人等の凶悪犯罪大国米国では、そういった豊富なデータを
一元管理し、研究を重ねることによって犯人像をより深く理解する、プロ
ファイリングが行われており、実際に捜査にも役立っているのは周知の事実
ですね。この犯罪心理学のレベルの差が端的に現れたのが、「酒鬼薔薇」
事件です。あの事件が起こった後、テレビで日本人の作家や評論家などが
コメントしておりましたが、ほぼ例外なく「犯人は、20-30代の孤独な独身
男性」と言っていました。恐らく宮崎勤のイメージが強く重なったので
しょう。一方アメリカのプロファイラーは「犯人の書き残したメッセージ
には高い知性が感じられない。犯人は高い教育を受けておらず、高校生
程度の若年者である可能性がある。」とコメントしていたのをはっきりと
覚えています。

もう一つ、僕が死刑に反対する理由は、日本の司法制度の欠陥にあります。
日本では容疑者が逮捕され裁判に掛けられると、その有罪率はなんと99.9%
に上るそうですね。これは諸外国と比べて異常に高い数値です。これを
「日本の警察は極めて優秀で、殆ど間違い無く真犯人を見つけ出すのだ。」
と解釈するか、「日本の警察、検察は面子にこだわり、一度逮捕した容疑者
は何が何でも有罪に持ち込もうとする。それをチェックする機構もない。」
と解釈するかは人それぞれですが、僕は後者の立場を取ります。各国の警察
のやることにそんなに大きな違いがあるとはとても思えません。それに日本
では、取調べ中の様子をビデオ等に録画して保存するなどのシステムも無く、
捜査が適正に行われているかどうか、チェックは極めて難しいと言えます。
もしその容疑者が冤罪だったとしたら、彼は当然無罪を主張するでしょう。
それが警察の捜査活動を検証しなおすきっかけになるという事は大いにあり
えます。冤罪は量刑とは別に考えるべきだという主張もありますが、人間は
間違いを犯すという視点に立つと、その間違いに目をつぶり、何が何でも
有罪にして死刑執行してしまい、あとは死人に口無し、というのは絶対に
あってはならない事だと思います。

以上をまとめると、一つは犯罪心理の研究対象として犯罪者をより深く理解
するために、もう一つは事件、あるいは捜査の当事者として捜査を容疑者側
からチェックする為の窓口として、彼らを生かしておいた方が、司法制度、
警察機構、ひいては我々の社会全般にとって有益だと思えるのですが、どう
でしょうか?


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