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死刑制度についてひと言お願いします

1816行きずりの男:2008/06/23(月) 13:23:19
ここのスレは凄いですね。
外国文献を読むのに四苦八苦していた大学時代を思い出して、
ちょっとブルーにさえなってしまいます。

紫煙狼様から、強盗致死(殺人)と死刑の抑止力についての
レスをいただきました。
ご承知のとおり、少し前までは死刑判決は
強盗致死(殺人)関係に集中していたので、この罪に沿って
抑止力を考えるのはたしかに当然のことだと思います。

強盗は割にあわない犯罪だと言われます。
強盗犯の利得は極めて少ないと言われていますし、
一方で刑罰は、被害者を殺傷した場合は「無期懲役」が原則
(全くの初犯などの場合は重い有期懲役)場合によっては死刑となります。
つまり、冷徹に利害の考量をするプロの犯罪者なら、
捕まって刑罰をうけることは絶対に避けることを最優先に考える。
もし被害者家族が複数いて、ひとりを殺害してしまったら、
無期懲役はほぼ確実。この場合、冷徹なプロの犯罪者は
1 もうひとり殺したら死刑だからここで止めよう
2 ひとり殺しているから捕まったら無期。いつ出て来れるか判らない。
隠蔽のため家族全員殺害しよう
のどちらの思考を働かせるでしょうか。2の例は高名な
カポーティ「冷血」のように、数限りなく例がありますが、
1の例は聞いたことがありません。
思いがけずに強盗現場で人を殺害してしまい、
動転して逃げ出すという例は散見しますが、それは「動転」であり、
死刑を意識したわけではありませんね。
死刑ではなく、無期懲役までだったら逃げなかったとは言えないでしょう。
この犯罪についても死刑が抑止として働く場面は
全く想像しにくいと思います。

一言で言えば、犯罪者にとって、無期懲役刑は大変な「抑止力」であり、
「無期懲役ならいい」と思えるような刑罰ではおよそないからです。

以前の日本の判決は、強盗殺人事件で、被害者1人は無期、
2人は死刑の可能性が出てきて、3人なら死刑確実と明確だったので、
複数の殺人を抑止する可能性が理論上はまだあったかもしれません。
「たった一例」と言われる死刑の抑止力の例は、たしかに
このケースに関するものだったと記憶しています。
ただ、厳罰化の傾向が進み、今では強盗殺人は被害者一人でも
死刑になる可能性が高くなりましたので、
むしろ、前述した2の方向に働く可能性が高くなり、
この種の抑止力も完全に消失することになるでしょう。


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